高橋敏也の新型「プリウス」買ってみた長期レビュー 第7回:エコドライブを実践して来ました。もちろん、リコール対策も |
今回は、神奈川県は横須賀におっさん2人でドライブして来ましたよ……と、書き始めるはずだったのである。しかし、本連載のテーマが新型「プリウス」である限り“例の”件に、触れない訳にはいかないだろう。そう、新型プリウスを含むハイブリッド車のリコールに関してである。
すでにCar Watchの記事や、テレビなどの報道で取り上げられているとおり、新型プリウスを含む数車種で、リコールが発生した。新型プリウスの場合は、ABS作動時の挙動に問題があるため、それを改善するためのリコールである。新型プリウスのほかにも、「プリウス プラグインハイブリッド」「SAI」や、レクサス「HS250h」にリコールがかかった。
トラブルの内容を分かりやすく言うと、低速時にABSが作動するようなブレーキ操作をした際に「運転者の予測より制動停止距離が伸びるおそれがある」、つまり“ブレーキが効かない”と感じてしまうことだ。トヨタがさまざまな環境下でテストを行ったところ、ABSやブレーキが効かないということではないのだが、20km/hからの制動時で制動距離が70cm程度伸びることが確認された。
もちろんブレーキは効いているし、制動時に「ブレーキが効かない」と思った時は、ブレーキの踏み増しで確実に止まることができると言う。しかし、ドライバーは常に「ブレーキは踏めば効く」と考えているところで、瞬間的にでも「ブレーキが効かない!」となるのは、パニック的な運転につながる。これらの問題を解決すべく、トヨタは最終的にリコールという手段を選んだのだろう。
ちなみに私が「思う」という言葉を連発しているのは、今回の現象を私自身に限って言えば、体験していないからだ。納車後、すでに約7000kmをさまざまな環境で走行したし、新型プリウスは私にとって初の回生ブレーキを搭載したハイブリッド車である。だが、これは幸いなことと言えばいいのか、私はその現象に出会ったことがないのだ。個人的には戸惑いを憶えつつも、事態はハイスピードで進行して行った。
■そんな訳でリコールして来ました
今回の件に関する最初の会見をトヨタが行った2月4日、東京トヨタ井草店から電話があった。リコールが決定する前の段階で「この度はご迷惑、ご心配をお掛けし大変申し訳ありません」という内容のものである。ディーラーとしては当然のことなのだろうが、きちんとした対応に安心する。
そして2月9日、新型プリウスを含む4車種に関してリコールすることが正式に決まり、発表された。現象を感じたことがないといっても、そこはそれ生まれて初めてのリコールである。その日のうちに東京トヨタ井草店から連絡があったので、サービス開始日である翌日、2月10日の朝一番の10時30分に予約を入れた。
営業の太田さんによれば作業はABSに関するプログラムの書き換えのみで、実際の作業は10分から15分で終わるのだが、そのほかのチェックや説明を含めて1件につき約30分の時間を想定しているそうだ。井草店ではすべてのお客さんに連絡を入れて、状況の説明と案内をしたと言う。
翌日、10時30分に東京トヨタ井草店へ新型プリウスを持ち込む。車両はすぐに工場スペースへと持ち込まれ、作業に取りかかる。その間、私は太田さんと店内で雑談をする。「こども店長が……」とか、「SAIが……」とか、そういった話である。その間、作業は着々と進み、事前の説明どおり15分前後で終了した。
リコールを終えて戻ってきた新型プリウスは、驚異の進化を……なんてことはない。プログラムの書き換えだけなので外観上、まったく変化はないのである。そうそう、外観的には「隠れた部分」で2点ほど違いが生じた。一つはリコールを受けたことを証明するシールが貼られ、もう一つはエンジンルーム内の目立たない場所に、サービスを受けたことを確認するためのペイントマークが入ったことだ。
ちなみにリコール後、雨天も含めてさまざまな状況で運転したが、以前との違いは感じられなかった。もっともABSが作動するような状況にはならなかったので、違いが感じられなかったのは当然かも知れない。生まれて初めてのリコールということで、妙な期待をしたものの、あっけなく終わってしまった次第だ。
また、リコールを終えたからといって、回生ブレーキを搭載したハイブリッド車の特性が変化する訳ではない。ただ、運転する際には「回生ブレーキと油圧ブレーキがあり、それが自動的に切り替わるのだ」ということを、頭のどこかに入れておいた方がいいだろう。
■エコドライブ、実践して来ました
おっさん2人、横須賀に海軍カレーを食べに行く、いと哀し。運転席におっさん、助手席におっさん、おっさんだらけの新型プリウスである。走る加齢臭、回生ブレーキする加齢臭。いや、わがままを言うつもりはないのだが、なんかこうもう少し艶っぽい話があってもいいんじゃないかと思ったりもする。
事の発端はこうである。せっかくJAFのエコトレーニングに参加し、エコドライブを学んだというのに、不肖・高橋の燃費が一向に伸びないのである。12月7日のエコトレーニング以降、給油を2回行ったのだが、この結果がもうグダグタなのである。12月17日に給油した際の燃費は14.9km/L、そして年が明けた1月8日に給油した際は14.5km/Lだった。
いろいろ理由はあるのだが、エコトレーニングに参加して以降、さらに燃費がわるくなっているのだから大変だ。少なくとも恥ずかしくて、お世話になったJAFの皆さんに顔向けできないほどに大変なのである。決してエコドライブを怠っていた訳ではないのだが……。
一応、言い訳をしておこう。まず何よりポニョ嫁が、新型プリウスを運転する機会が多かったということ。ポニョ嫁は基本的に安全第一なので、運転方法が燃費を悪化させるというのは、あまり考えられない。実は運転以外のところに大きな原因があるのだ。そう、ポニョ嫁のエアコン温度設定は、デフォルトで「28度」なのである!
ポニョ嫁曰く「ポニョ嫁は南のほうの人間じゃ! 寒いのは苦手じゃ!」なのだそうだ。前回も書いたが、新型プリウスの場合、ヒーターの多用は燃費に直接影響する。風邪を引くような寒さで運転するなどというのはナンセンスだが、家庭用のエアコンと同様、温度設定は控えめというのが燃費向上にとっては正しいことである。
さらに年末年始ということもあって、都内で渋滞に巻き込まれることも多かった。また、仕事で運転した際に、システムをONにしたまま停車している時間も長かった。エコトレーニングでエコドライブの技術は得たが、それを発揮する機会がなかったのである(そう言わせてくださいまし)。だが、これではいかん、いかんのである。
そこでとりあえず、年始の混雑も一段落したところで「エコドライブに集中してみようじゃないか」という話になった。ある程度の距離をエコドライブに専念しつつ運転し、そういった状況ではどれぐらいの燃費になるのか?それを把握しようというのである。そこで急遽決まったのが「横須賀へ行って海軍カレーを食べよう新型プリウス・エコドライブ」である。
目的なく走っても面白くないし、エコドライブのシミュレーションとしても甘くなってしまうだろう。そこそこ混雑するであろう休日に、一般道と高速道をミックスして往復約160kmのドライブとなる横須賀を選んでみた。ごく普通にある、日帰り観光コースという訳だ。当初は一般道のみを走行するつもりだったが、休日渋滞のひどさに首都高速も使用することにした。出発地点は自宅のある東京都杉並区、ゴールは横須賀、このルートを往復する。常に混雑している環状8号を通って、首都高速に入り、そのまま横浜を目指すコースである。
1月10日、当日。1月8日に満タン給油したため、約3.4Lしか入らなかったが、とりあえず再び燃料を満タンにして、エコドライブを開始する。ちなみにその3.4L給油時の燃費は15.3km/Lと、かなり凹む数値となっていた。だが、ここからが勝負! JAF直伝のエコドライブ、その成果を今こそ見せる時なのだ!
ちょっと分かりにくいが、出発時点のデータがこれ。TRIP Aは満タン給油後、リセットする。「燃費15.5km/L」に注目……とほほ | 何が嬉しいのか、おっさん新型プリウスをセルフスタンドで満タンにするの図 |
で、TRIP Aと共に燃費データなどもリセットする。さて、ここからが勝負である。もちろんECOモードで運転する | 出発直後の環状8号。やっぱりというか当然というか、休日でも混雑している |
■一般道と高速道をミックスしてエコドライブ
でも、おっさん2人旅。しかも同乗者のおっさんは、Car Watchの編集おっさんである。艶っぽい話が出るはずもなく、どこに出しても恥ずかしいマニアックな会話に終始する。いいんですよ、目的はエコドライブのシミュレーションであり、横須賀海軍カレーを食べることなんですから……いいんですよ、いいんです。
冗談は別として、休日の環状8号は、予想どおりそこそこの混雑となっていた。大渋滞というほどではないが、ストップ・アンド・ゴーの繰り返しであり、私の通勤時と同じような環境である。こんな時、エコドライブ的にはどうしたらいいか? 一番重要なのは「周囲の状況を観察し、予測する」ことである。
前の車が前進、慌ててアクセルを踏み、いや踏みすぎる。ここでまずガソリンを無駄に消費する。渋滞中なのだから、前の車が進んだとしてもすぐに減速するはずだ。前走車のウインドー越しに前の前まで観察し、適度な加速をすることが重要である。
もう一つ運転していて分かったことだが、ハイブリッド車、エンジン車に関わらず、発進時は適度に勢いをつけたほうがいいようだ。もちろん「ふんわりアクセル」の範囲内だが、短い時間でスピードに乗って、そこから控えめで一定のアクセル操作をする。以前は発進時も極力アクセルを踏み込まないようにしていたのだが、これだと逆に燃費のいいレンジに入るのが遅くなる。
もっと具体的に言うと、新型プリウスの場合はまず、エコドライブモニターをハイブリッドシステムインジケーター表示にする。注目すべきはこのインジケーター表示と、瞬間燃費計である。新型プリウスの場合、アクセルをグッと踏み込む(乱暴でなくても)と、インジケーターのバー表示がそれにあわせて右へと伸びる。そして踏み具合によってはバーが「パワーエリア」に入り、エコランプが消えてしまう。
このエコランプが消えるのは、結構なプレッシャーである。そこで私の場合はバーがパワーエリアに入らないよう、ギリギリのところでアクセルをコントロールする。ところがどっこいECOモードの新型プリウスは、それだとなかなか加速しないのだ。結局、バーはパワーエリアに近いところをうろうろし、燃費をわるくしてしまう。この時、瞬間燃費計を観察すると、20km/Lの下でうろうろしている時間が長い。
考えを改め、発進時だけはパワーエリアに入っても気にせず加速、その後は控えめにアクセルをコントロールする。これだとパワーエリアに入るのは一瞬で、その後の控えなアクセルだとバーは「ハイブリッドエコエリア」にとどまる時間が長く、瞬間燃費計も20km/L以上のところに長くとどめることができる。トータルで見ると、こちらの方が燃費はよくなるのだ。
ただし繰り返しになるが、ポンと加速をつけるのも周囲の状況をよく観察した上で行わなければ意味がない。ポンと加速をしてその後、控えめなふんわりアクセルが可能な状況にしなくてはならないのだ。ポンと加速して、ポンと減速するなら、ゆっくり慌てず進んだほうが燃費はいい。
などと考えつつ、混雑の激しい環状8号を粛々とエコドライブ。だが、途中で渋滞のひどさに辟易し、首都高速を利用することにし、羽田入口へと向かった。
■高速道路のスピードは控えめに、そして定速走行を
昼過ぎの時間帯だったためか、首都高速の渋滞は回避できているようだ。少ないわけではないが、車の数はそう多くない。すぐさま新型プリウスをPOWERモードに切り替え、一気にアクセルを踏み込む……なんてことはしない。
高速道路でのエコドライブ、その基本はまず何より「定速走行」である。安全運転の範囲内で周囲を気にしつつ、落ち着いて車速を一定に保つ。もちろん周囲の状況が許せば、クルーズコントロールを使用してもいい。そもそもさほど混んでいない高速道路で、アクセルコントロールをせわしなく行うなどという状況は、ちょっと考えられないのだが。
さて、ここで気になるのは新型プリウスの高速走行、どのあたりのスピードで燃費がよくなるかである。今回のエコドライブだけでなく、今までの経験を踏まえて言うと90km/h程度に保つと燃費がよくなるのではないだろうか?
首都高速のように90km/h以下が制限速度の場合は、周囲の流れにあわせての定速走行。アクセルコントロールを一定とした、定速走行というのが高速道路で燃費を向上させるコツであることは明白だ。速度を抑えれば安全運転にもつながるし、わるいことは一つもない。
首都高速羽田入口を入った直後。ここでも混雑…… | 横羽線(K1)を南へと向かう。多摩川を越えたあたりから快適な高速ドライブが待っていた | 大黒線(K5)を抜け、湾岸線に入ったところでオートクルーズをセット。80km/hでも、瞬間燃費が20km/Lを上回っている |
そんなこんなで目的地近くに到着、左手に軍港を見ながら高速道路から降りる。もちろん運転中の私は、そんな風景を注視できるはずがない。助手席から聞こえる「あっ、イージス艦だ」とか「おっ、潜水艦も停泊してるなあ」などという声に「いいなあ……」などと答えつつ、今度は一般道で目的地である横須賀海軍カレー屋さんを目指す。
まあ、海軍カレーに関しては「美味でした」と済ませよう。海軍カレーの歴史と、グルメレポートをやる場所ではないだろうから。でも、トッピングのチキンカツは揚げたてで大変おいしかったということは、是非書いておきたい。
随分遅い昼食を海軍カレーで済ませたエコドライブ部隊は帰路につく。すぐに高速道路へ入り、杉並の自宅へと向かった。時間帯がよかったのか高速道路に目立った渋滞はなく、一般道で休日渋滞に少し巻き込まれた程度のスムーズな道のりだった。
さて、結果はどうだったのか? 大変嬉しいことに走行距離152kmで、新型プリウスのデータによる燃費は24.3km/Lとなった。もっとも実際の給油によるデータだと、7.36Lで満タンになったので「152÷7.36≒20.7」、20.7km/Lという結果である。それでも最近の燃費データとしては、実に立派なものだ。
海軍カレー紀行の最終データ。新型プリウスの表示と、実際の給油を元にした燃費データには違いが生じた。往復152km、うち半分強は高速道路走行での結果である |
なお、新型プリウスの燃費データと、給油による燃費データは異なっているが、その理由についてこれという決め手を見付けてはいない。記事初出時に、「新型プリウスは純粋に走行距離と消費された燃費を比較しているが、給油で求めるデータは停車している間に消費される燃料も計算に入れる。結果として実際の給油から求める燃費のほうが、わるくなるという仕組みだ。」と書いたものの、その後読者の方からご指摘をいただいた。あらためて停車状態の新型プリウスでシステムをONにし、エンジンをかけた状態にして平均燃費をチェックたところ時間経過とともに、平均燃費が落ちることを確認した。思い込みだけで誤った情報を書いてしまったことは恥ずかしい限りで、ここにお詫びするとともに訂正させていただく。
高速道路走行も含めた上ではあるが、エコドライブを実践すれば燃費は向上することがはっきりした。要するに季節などに関係なく、ドライバーの考え方と努力次第で、燃費はいつでも向上させることが可能ということだ。それが実際に確認できたというだけでも、今回の海軍カレー紀行、もとい、エコドライブ実践記には意味があったと思う(思いたい)。
給油日 | 走行距離 | 給油量 | 給油金額 | 燃費 | 備考 |
2009年6月16日 | - | 38.66L | 4601円 | - | 初回のため燃費算出せず |
2009年6月26日 | 355.5km | 20.41L | 2510円 | 17.4km/L | |
2009年6月26日 | 223.2km | 10.16L | 1250円 | 22.0km/L | |
2009年7月19日 | 663.7km | 39.59L | 4553円 | 16.8km/L | |
2009年8月15日 | 658.3km | 36.17L | 4485円 | 18.2km/L | |
2009年9月9日 | 692.4km | 38.71L | 4955円 | 17.9km/L | |
2009年10月5日 | 713.6km | 38.16L | 4656円 | 18.7km/L | |
2009年10月17日 | 369.7km | 23.13L | 2776円 | 16.0km/L | |
2009年11月8日 | 630.9km | 37.79L | 4610円 | 16.7km/L | |
2009年11月26日 | 625.7km | 38.64L | 4637円 | 16.2km/L | |
2009年12月17日 | 570.1km | 38.38L | 4567円 | 14.9km/L | |
2010年1月8日 | 546.7km | 37.8L | 4460円 | 14.5km/L | |
2010年1月10日 | 51.5km | 3.37L | 394円 | 15.3km/L | |
2010年1月10日 | 152.0km | 7.36L | 868円 | 20.7km/L | 横須賀 |
■ちなみに動物の「サイ」は「Rhinoceros」ですから
私自身は天然おっさん気味なので、私の周囲には天然おっさんが豊富である。私が新型プリウスに乗り換えたのを知った某天然おっさんは、対抗心が芽生えたらしく「SAI」をターゲットにしているらしい。で、その天然おっさん、つい先日まで「SAI」を「動物の犀(サイ)」だと思い込んでいたらしい。まさに天然である。
それはそれとしてリコールの前、定期点検の際、SAIを試乗する機会に恵まれた。新型プリウスとは異なる2.4リッターのエンジン、セダン型のボディーと、こちらも興味津々である。ある意味「ライバルのお手並み拝見」という気持ちがあったかも知れない。新型プリウスの強敵出現という訳だ。
本コーナーの主旨から外れているので簡単に済ませてしまうがSAI、悪くないよ、SAI。デザインに関しては好き好きだろうが、とにかくパワーフィーリングが絶妙だと感じた。どちらかというとパワフルな車を乗り継いできた(「ガイア」はちょっと違うが)私にとって、新型プリウスは必要十分ではあるが、やはりパワー的には不満が残る。それがSAIの場合、2.4リッターのエンジン+モーターで、しっかりカバーされているのだ。
モーターによる問答無用のパワーはハイブリッド車らしいが、ハンドリングと見た目は普通のセダン。普通乗用車の皮を被ったハイブリッドという感覚だ。インテリアも上位車種に近く、新型プリウスと比較して高級感がある。「新型プリウスはちょっと」と思っていた人にはいい選択肢だろうし、逆にSAIを見て新型プリウスに決めるという人も出てくるだろう。
ちなみにSAIで一番感動したのは、実は搭載されていたカーナビの操作系だった。グレードにより異なるが、センターコンソールに「リモートタッチ」と呼ばれる操作スイッチを持つものがある。形状はダイヤルのようだが、ジョイスティックと同じような働きで、カーナビ上のカーソルを移動させることができるのだ。
そしてこのリモートタッチ、なんとフォースフィードバック機能を持っているのである。要するに画面上のカーソルが、クリックできるボタンの上に来ると、それがリモートタッチに反映されるのである。ちょうどボタンの場所で、操作にグッと抵抗が生じるような感覚だ。ゲーム機器のショック伝達機能に似たものと思ってもらえばいい。
東京トヨタ井草店の営業、太田さんも絶賛の機能であり、しばし2人で「ああでもない、ここでもない」と操作しまくった。子供じゃないんだから、いや、こども店長がいるぐらいなんだから、こども顧客がいてもいいだろうとか、そんな話はしていないけどね。
一方で「シフトレバーは悲しい」などと思いつつ、やっぱり自分には新型プリウスが一番なのだとか再認識してSAIの試乗を終えた。SAIもハイブリッド車として実にいい選択肢である。これからハイブリッドという人は是非、新型プリウスと比較してみてほしい。あ、もちろん他社のハイブリッド車と比較するのもありだと思う。
(高橋敏也)
2010年 2月 23日