国土交通省、普通車上限2000円、軽1000円の新料金割引【NEXCO・本四高速編】 6月開始、エコカー割引も導入。年度内は夜間・通勤割引きなど継続 |
国土交通省は4月9日、普通車上限2000円、軽自動車1000円の新たな高速道路の料金割引を発表した。この新たな料金割引は法案成立後6月中に実施され、来年度以降については必要な場合見直しが行われる。
本記事では、NEXCO東日本(東日本高速道路)、NEXCO中日本(中日本高速道路)、NEXCO西日本(西日本高速道路)、JB本四高速(本州四国連絡高速道路)の料金割引について、その詳細を記す。
新たな料金割引では、時間帯・曜日の区別なしに上限料金制が導入される。これまであった大都市圏と地方部の区別もなくなり、現金・ETC払いにかかわらず同じ上限料金を適用。上限料金は、NEXCO各社とJB本四高速で異なり下記のとおり。
■高速自動車国道など(NEXCO各社)
軽自動車 | 普通車 | 中型車 | 大型車 | 特大車 |
1000円 | 2000円 | 5000円 | 5000円 | 1万円 |
・平休日の全時間帯で原則現金とETCの区別なく運用
・上限料金は大都市を別料金としない
■JB本四高速
軽自動車 | 普通車 | 中型車 | 大型車 | 特大車 |
2000円 | 3000円 | 5000円 | 5000円 | 1万円 |
・フェリーなどに配慮
上記に加えてエコカー割引も導入され、普通車のエコカー免税対象車のうち、燃費が軽自動車と同程度(燃費値が10・15モードで20km/L以上)の車両であれば、軽自動車と同じ料金(NEXCO各社1000円、JB本四高速2000円)が上限料金も含め通常料金にも適用される。割引の方法は事前登録制。
この新たな料金割引に伴い、これまでの割引は継続するもの、廃止するもの、激変緩和処置として年度内(2011年3月まで)に限定して継続するものに分かれる。
・継続する割引
障害者割引、本四の島民関係割引、路線バス割引
・廃止する割引
休日のみを対象とする割引(ETC休日特別割引、休日バス割引)
適用率が低い割引(マイレージ割引)
無料化実験と重複する割引(沖縄自動車道3割引)
・激変緩和処置として年度内に限定して継続する割引
時間帯割引(夜間3割引【NEXCO各社、JB本四高速】、通勤3割引【NEXCO各社地方部、JB本四高速】)
大口・多頻度割引
一般道の課題を改善する割引(圏央道・阪和道連続利用割引、特別区間割引など)
高速ネットワークの渋滞緩和を図る割引(圏央道全線利用割引、第二京阪ネットワーク割引)
東京湾アクアライン社会実験
廃止される割引として、マイレージ割引が挙げられているが、すでに獲得したマイレージの利用などについての詳細は発表されていない。
この上限制の導入と無料化社会実験を考慮した場合、普通車での高速道路料金は下図のように変化する。
高速道路の料金例1(普通車) |
高速道路の料金例2(普通車) |
本州四国連絡道路の料金例(普通車) |
JB本四高速をまたいで利用する場合は、現在のETC休日特別割引から大幅な値上げとなるものの、それ以外の場合は最大でも価格差1000円にとどまる。とくに多くの利用が見込まれる大都市圏と地方部間の利用の場合、大都市圏での別料金が撤廃されることから、価格差はさらに縮まる。平日であれば、大幅な割引が行われることになる。
国交省の計算例において、東名高速道路 名古屋IC(インターチェンジ)~東北自動車道 仙台宮城IC間が2900円(高速道路2000円+首都高速900円)となっていることから、これまでのETC休日特別割引で行われてきた特定IC間や大都市近郊間をまたいだ場合の乗継特例は継続される模様。乗り継ぎ対象区間や乗り継ぎ時間についての発表は行われていない。
なお、それぞれの車種の上限額に達する目安は以下のとおり。
軽自動車・エコカー | 普通車 | 中型車 | 大型車 | 特大車 |
約40km | 約70km | 約170km | 約120km | 約150km |
(編集部:谷川 潔)
2010年 4月 9日