日産、2011年度は過去最高の販売台数を記録し増収増益
2012年度は営業利益7000億円、純利益4000億円を見通す

2011年度の決算を発表する日産自動車 社長兼最高経営責任者(CEO) カルロス・ゴーン氏

2012年5月11日発表



 日差自動車は5月11日、2011年度(2012年3月期)の決算を発表した。2011年度のグローバル決算は、過去最高の販売台数484万5000台を記録。全世界の需要が2010年度の7260万台から2011年度に7570万台へ4.2%増加する中、同社は2010年度の418万5000台から15.8%増加した。

 2011年度の売上高は9兆4090億円(前期比6359億円増)、営業利益は5458億円(83億円増)、経常利益は5351億円(27億円減)、純利益は3414億円(222億円増)となった。

 カルロス・ゴーン社長は、「不可抗力に満ちた不安定な経営環境のもと、日産はこの1年、あらゆる分野で飛躍的な進歩を遂げた」と言い、昨年6月に発表した2016年度までの包括事業計画「日産パワー88」の実現に向けて、6週間ごとに1車種、新型車を発売していく。

 2011年度は、「ティーダ」「ラフェスタ ハイウェイスター」「NV400」「インフィニティ JX」を投入。「リーフ」は世界でもっとも売れた電気自動車(EV)となり、2万3000台(累計3万台)を販売。中国では新工場での生産開始、メキシコやブラジルでは工場建設計画の発表など、グローバルでの生産体制を確立していく。

2011年度の主要財務指標日産パワー88の目標。世界シェア8%、利益率8%を目指す2011年度の新規投入車種
リーフは世界で最も売れたEVとなった工場の建設発表などダットサンブランドの車種を、インド、インドネシア、ロシアへ投入予定
小型商用車の分野でも世界一を目指すロシアのアフトワズが加わったことにより、世界第3位の企業グループとなった2011年度の販売実績
日本での販売実績。シェアが0.8%増加中国での販売実績北米での販売実績
欧州での販売実績新興国などでの販売実績
財務実績詳細営業利益の増減分析

2012年度は10車種を投入し、営業利益7000億円へ
 2011年度は過去最高の販売台数となった同社だが、2012年度(2013年3月期)は世界で10車種を新規投入し、さらなる販売台数増を見通す。日本市場においては、「NV350 キャラバン」や新型コンパクトカー、新型トラック、北米においては「アルティマ」「パスファインダー」、中国においては「インフィニティ M」「ヴェヌーシア」など。

 これらにより、2012年度は販売台数は535万台(前期比50万500台増)を達成し、売上高10兆3000億円(8910億円増、9.5%増)、営業利益7000億円(1542億円増、28.2%増)、経常利益6800億円(1449億円増、27.1%増)、純利益4000億円(1586億円増、17.2%増)を見通す。

 主な増益要因として為替によるものが400億円、原材料などのコスト減が1800億円、販売台数増が1750億円。減益要因としては、販売費が1250億円、販売金融が170億円、成長のための費用その他が988億円となっている。

2012年度の販売見通しグローバル成長モデルとして3車種投入全世界は10車種を新規投入
世界初の技術を含め、15の新技術を予定している中国ではヴェヌーシアD50を投入
ロシアではアルメーラを投入インフィニティは、世界で50万台の販売を目指し、香港にグローバル本社をオープン

 ブランド価値を上げていくために、世界統一のキャンペーンも開始。アラウンドビューモニターが描かれた日産のメッセージを世界各国の国際空港に掲示する。また、販売店舗数も8万6000店舗から9万3000店舗へと750店舗増加。これは、日産パワー88期間中でも最大の増加数になると言う。

 ゴーン社長は、「持続可能なリーダーシップを作り上げる」と言い、ロシア、メキシコ、ブラジルでのナンバーワンブランドを確立することで、世界シェア8%、営業利益率8%を目指す日産パワー88の完遂を目指す。

2011年度のトップブランド100にランクインしたと言う世界各国の国際空港で、グローバル・ブランド・キャンペーンを展開する販売店舗も9万3000店に増やす
2012年度業績見通し営業利益増減分析2012年度の配当計画

(編集部:谷川 潔)
2012年 5月 11日