ニュース
八郎潟で試走した東海大学の「ワールド・ソーラー・チャレンジ」参加車
3連覇へ向けて始動した東海大学はサイドコクピットの4輪車
(2013/8/27 14:00)
10月6日~13日にオーストラリアで開催される世界最大級のソーラーカーレース「ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ 2013」。新たに参加する工学院大学の「プラクティス」号は紹介済みだが、このレースで強豪と位置づけられるのが前回大会まで2連覇を達成している東海大学チーム。その東海大学チームの試走会が8月24日に秋田県大潟村の「大潟村ソーラースポーツライン」で実施された。
東海大学チームの車両は、これまで3輪車だったが、今年はレギュレーションで4輪となったため4輪車へとデザイン変更。東海大学チームを率いる工学部 電気電子工学科 教授 木村英樹氏によると、20年前ほどに4輪車の経験はあるものの、実質的に新たなチャレンジになるとのことだ。
同じレースに参加する工学院大学の「プラクティス」号がセンターコクピットを採用したのに対し、東海大学チームチームはサイドコクピットを採用。左前輪と後輪の間にドライバーが座る空間を設け、左前輪を足で挟み込むように座る。
太陽電池、駆動用バッテリーはいずれもパナソニック製。ボディーデザインは東海大学チームが行い、東レ製のカーボンを用い、東レ・カーボンマジック(旧 童夢カーボンマジック)がカーボンボディーの製作を行っている。サスペンションはオリジナルデザインの4輪ダブルウイッシュボーンで、タイヤはミシュラン製となる。
8月24日の試走では、手で転がして基本的な特性を見るなどしていた。コクピットと反対側に積載される予定の駆動用バッテリーが搭載されておらず、重量が偏った状態になっていたようだ。今後、本番へ向けて車両を熟成させていくのだろう。
木村教授によれば、このサイドコクピットスタイルを採ったのは空気抵抗低減もあるが、太陽電池への太陽の照射時間を多く取りたかったからとのこと。1日を通じて走る場合、センターコクピット形式では日陰ができる面積が多く、サイドコクピットとした。ワールドソーラーチャレンジは、オーストリア大陸を北から南へと走るレースのため、午前中は左側に、午後は右側に太陽がある。左側にコクピットを置いたのは、レース時間の長い午後にあわせたためで、右からの太陽光に対応している。
4輪化に伴い、デザインの多様性が顕著になったワールドソーラーチャレンジ。日本からの参加チームの戦いに注目していただきたい。