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JAL、快適装備を充実した「スカイスイート767」を12月1日から運航開始
ビジネスクラスはフルフラットに、エコノミーはより広く
(2013/11/29 13:17)
JAL(日本航空)は11月26日、快適装備を充実させた新機材「JAL SKY SUITE 767(スカイスイート767)」を公開した。12月1日の成田発バンクーバー行きの便から運航が開始される。
スカイスイート767は、JALが「ボーイング767-300ER」を改装し、居住性などを改善した機体に与えられた愛称。すでに同社は「スカイスイート777」として長距離路線向けのボーイング777を改修し、居住性を高めた機材を導入しているが、スカイスイート767はそれに続き、東南アジアをはじめカナダのバンクーバーやホノルルなど中距離路線でも同等のサービスを提供することを目的として開発された。
外観も変更されており、主翼の両翼端に「ウイングレット」と呼ばれる垂直方向に伸びる小さな翼を追加した。ウイングレットを追加すると空気抵抗が減るため燃費が向上すると言われており、実際にバンクーバーから成田へ運航した場合、約45tの全燃料のうちの5%である2.25tの燃料を節約できるという。ウイングレットの高さは約3.4mで重量は約178kg。主翼幅は約3.3m延長された。
フルフラットが可能となったビジネスクラス
スカイスイート767のウリとなる機内の居住性は大幅に改善された。スカイスイート767は、ビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス構成。ビジネスクラスはフルフラット化が可能な座席を採用し、個室をイメージさせるようなデザインとなっている。フルフラット時の長さは約2mで、JALのCMにも出演する長身の阿部寛さんでも余裕を持って横になることができるという。
JALでは777でも同様のコンセプトの座席を採用しており、英国の航空サービス評価会社であるスカイトラックスはスカイスイート777のビジネスクラスについて世界一と評価。767ではこの座席をベースに新規開発したものを採用している。
ビジネスクラスの座席数は従来の30席から24席に減少させてスペースを確保。従来は2席ずつの横6列だった座席配置が1-2-1席の横4列配置になり、全席が通路へアクセス可能になった。
機内エンターテイメント用の液晶モニタは15.4インチの大型のものを採用し、全席にUSBポートやAC110V電源なども完備している。
居住性を改善したエコノミークラス
エコノミークラスの居住性も改善されており、スカイスイート777でも採用されているシート「SKY WIDER」を導入。エコノミークラスでは従来から14席のシートを減らし、シートバックの厚みを薄くし、前席との間隔をこれまでよりも約10cm広くした。これにより窓側の乗客も従来より楽に通路へ出入りができる。座席数は175席で座席配列は2-3-2の横7列配置。
機内エンターテイメント用の液晶モニタは10.6インチ。全席にUSBポートを備え、複数の座席間で共用だがAC電源も備えている。
日本航空 代表取締役社長の植木義晴氏は記者会見で「すでに運航を開始してるスカイスイート777は全クラスで好評をいただいているが、767のような中距離路線でも居住性の改善を求める声が多く、課題となっていた。今回、スカイスイート767の導入によって居住性や機能、サービスを大きく向上させることができ、要望に応えることができた。今後も利用者の方々に新鮮な感動をお届けできるようにしていきたい」などと挨拶をした。
JALはボーイング767-300ERを、月に1機程度のスケジュールでスカイスイート767仕様に改修。12月1日のバンクーバー行きを皮切りに、2014年1月からはクアラルンプール、その後は東南アジアやホノルルなど中距離路線に順次投入していく予定。