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山、自転車、波、釣りなど6つのジャンルをアピールしたダイハツ「ウェイク」発表会

登山誌や自転車誌、プロアングラーが開発初期から関与

2014年11月10日開催

雑誌「山と渓谷」とコラボレーションした“ヤマ軽ウェイク”の前に立つダイハツ工業 取締役社長 三井正則氏(左)、山と渓谷 編集長 吉野氏(右)

 ダイハツ工業は11月10日、同日発売した新型軽自動車「ウェイク」の発表会を都内ホテルにおいて開催した。ウェイクは、東京モーターショーに出展した超スペース系コンセプトカー「DECA DECA(デカデカ)」の市販モデル。9月29日には技術説明会を開催しており、本日の発表会ではその広い室内空間をどう利用していくかという利用スタイルの披露となった。本記事では発表会の模様をお届けし、グレード構成や価格については、別記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141110_675201.html)を参照していただきたい。

 発表会場には、登山誌「山と渓谷」とコラボレーションした車中泊訴求ウェイクや、自転車誌「バイシクルクラブ」とコラボした自転車積載訴求ウェイク、プロアングラーとコラボしたフィッシング訴求ウェイクなどを展示。レジャーに最適というウェイクを見てもらおうという意図が強く出ていた。

軽最大の室内空間「ウルトラスペース」を持つという新型軽自動車「ウェイク」
メーターパネルはセンターレイアウト
シートを倒すとフラットな空間が現れる
シフトはインパネシフト。これにより足下が広く取られている
展示車はターボエンジンを搭載していた。自然吸気とターボの販売比率は半々を予測しているとのこと
山と渓谷とのコラボレーションモデル。車中泊を訴求
バイシクルクラブとのコラボレーションモデル。ロードバイクと関連機材一式を搭載
爆釣軽と名付けられたプロアングラーとのコラボレーションモデル。車内には多数のロッドが並ぶ
波伝説と名付けられたプロサーファーとのコラボレーションモデル。室内での着替えなどを訴求

 ダイハツ工業 取締役社長 三井正則氏は、ウェイクを日常からレジャーまで多用途に使える軽自動車と紹介。キャンプや釣りなど、6つのジャンルの専門家に開発段階から協力してもらったことを明かした。

 軽自動車最大の室内空間を持つというウェイクの技術検証は、1年ほど前に終わっていたという。その技術的側面とは、軽最大の室内空間「ウルトラスペース」、座って分かる見晴らしのよさ「ファインビジョン」、高さを感じさせない安心・安全の基本性能「ファン&リラックスドライブコンセプト」、圧倒的な荷室の使い勝手のよさ「ミラクルラゲージ」になる。

 ダイハツはウェイクの発売にあたって作り込みを重視し、1年ほど前から「山と渓谷」編集長 吉野徳生氏、「バイシクルクラブ」編集長 鈴木喜生氏、スキー・スノーボードカメラマン ニール・ハートマン氏、プロアングラー 秋丸美帆さん、同 児島玲子さん、波情報サイト「波伝説」リポーター&プロサーファー 嵯峨明日香さんらに、ウェイクの原寸大模型を公開。そこで使い勝手を検証してもらったという。

レジャーのプロが登壇。それぞれがウェイクに感じたことを披露
ウェイクの開発者であるダイハツ工業 製品企画部 チーフエンジニア 中島雅之氏。レジャーのプロによる“ダメ出しの会”なども取りまとめた

 その結果、30項目ほどの改善点が出ることとなり、微妙にフラットにならなかったシートがフルフラットになったほか、濡れた遊び道具を安心して積めるようリアシートの背面をビニールレザー化するなどの改善を実施。釣り人の視点からは夜中や明け方に荷物を取り出すことが多いことからバックドアにランプを追加、スキーヤー・スノーボーダーの視点からはウインターギアを乾かしやすいよう天井へのネットを追加するなど、使う人の視点から使い勝手の改善を図ったクルマになる。

 ダイハツ工業 技術本部 副本部長 上田亨氏は、「ウェイクは企画段階から45のシーンを想定して作られたクルマ」とし、その上でレジャーのプロフェッショナルの知見によって磨かれたほか、それらプロフェッショナルとウェイクの使い方解説書の共同制作や、Webでの使い方ガイドの制作を実施。クルマの具体的な遊び方を提案していく。

 さらに、その先にはレジャージャンル特化型の特別仕様車開発も予定しており、より本格的にレジャーに使えるクルマを目指して商品を育成していくとした。

ダイハツ工業 技術本部 副本部長 上田亨氏
ウェイクはユーザー調査をしっかり反映して企画したもの
ウェイクのポジショニング
特長
軽自動車最大の室内空間
重心高に配慮して設計されている
燃費について
荷室「ミラクルラゲージ」について
ラゲージの下にアンダートランクを持つ
大人4名乗車時でも、さらなる積載スペースを備える
フックも21個所あるという
エクステリアのコンセプト「WAKUWAKU BOX」
企画段階から45のシーンを想定
買い物や子供の送迎も想定されている
6ジャンルのプロの視点から発売前にチェックした
原寸大模型をもとに、評価会が開かれた
主な改良点
達人と連携を図っていく
地域のレジャーイベントにも積極的にかかわっていく
将来はさらにレジャーに特化した特別仕様車の発売も予定
グレード構成
利用イメージ

 ダイハツにはスペース系の軽自動車として「タント」が存在する。この発表会においてもタントとウェイクの違いについて質問が出たが、上田氏はタントを“子育て世代のクルマ”と説明。タントが存在するからこそ、ウェイクは強くレジャーを志向したクルマとして登場したと言える。

(編集部:谷川 潔)