試乗レポート

ハーレーダビッドソンの新世代スポーツスター「ナイトスター」に試乗

2022年4月13日 予約販売開始

ビビッドブラック:188万8700円

ガンシップグレー、レッドラインレッド:191万9500円

ハーレーダビッドソンの新型モデル「ナイトスター」に試乗した

 ハーレーダビッドソン ジャパンが国内予約販売を開始した新型モデル「ナイトスター(NIGHTSTER)」に試乗する機会を得たので、その印象をお伝えしていきたい。

 ナイトスターは、排気量975ccの水冷60度Vツイン「Revolution Max 975T」エンジンを搭載して、誕生65年の歴史を有するハーレーの代表カテゴリの1つ「スポーツスター」の新章を告げるニューモデルとして登場する。

 ナイトスターは全長2250mmで、ホイールベースは1545mm、低いシート高705mm(無負荷状態)を採用することなどにより、スポーツスター伝統のスタイルが再現されていることが大きな特徴となる。先に登場した「スポーツスターS」では、フロントのファットタイヤが印象的であったが、ナイトスターのタイヤサイズは、フロントタイヤに100/90-19 57H、リアタイヤに150/80B16 77Hが採用されているのもその特徴の1つ。

スポーツスター伝統のスタイルが採用された「ナイトスター」

 ハーレー未体験だった記者は、これまでに水冷モデルの「パンアメリカ」「スポーツスターS」と試乗してきたが、ナイトスターは抜群の足つきのよさを感じる。実際にまたがってみた印象は、シート高が低くて非常に安心感を覚えるとともに、シートの幅方向も細くえぐられているので、見た目の印象と違ってなにかコンパクトなバイクに乗っているかのような感じを覚える。

シートの幅方向が細くえぐられている
クラッチレバーやチェンジペダルは重厚さを感じる操作感

 乗車姿勢については“スポーツスター伝統のスタイル”というのは初体験であったが、すんなり受け入れられすぐにリラックスして運転できるようになった。クラッチやシフトペダルの操作感覚については、“大型バイクを運転しているんだ”という緊張感がある適度な重さを感じた。

左側にウインカースイッチが配置される
シフトインジケーターやウインカーの視認性がよいメーターを採用
右側にモード切り替えなどのスイッチが配置される

 ナイトスターに搭載される排気量975ccの水冷Vツイン「Revolution Max 975T」エンジンは、最大許容回転数7500rpm、最大トルク95Nm、圧縮比は12:1と公表されている。車両重量は221kgと重量級モデルではあるが、足つき性がよいので立ちごけの不安は感じない。ただし、しっかりと速度を落としてから足をつかないとバランスを崩してしまうので、そこは気をつけないといけない。

排気量975ccの水冷Vツイン「Revolution Max 975T」エンジン

 今回の試乗会では、新宿を起点に試乗タイムは約120分となっていた。試乗コースは自由なので、明治神宮外苑や皇居周辺を周回するお散歩気分なツーリングを楽しんでみた。

 その中で印象に残ったのは、都心の一般道なので信号停止でストップアンドゴーを繰り返すような場面でも、1〜2速で走れる速度レンジが長く取られているので、ギヤチェンジにあくせくすることなくゆったりと走れること。また、まわりのクルマに合わせて普通に流すだけでも、エンジンとマフラー音からなる心地いい鼓動を感じることができ、その鼓動を味わいたかったのだろうか、なんとなく皇居周辺などは2周もしてしまった。

 そして、皇居周辺から新宿方向へ移動しながら、“こんな都心にアップダウンのあるワインディングがあるんだ”などと半分道に迷いながらの新発見もしながら、都心の道路においてもなにか優雅な気分になれるアメリカンバイクの魅力に気が付くツーリングを楽しむことができた。

 ナイトスターの価格はビビッドブラックが188万8700円、ガンシップグレー、レッドラインレッドが191万9500円。今回の試乗では高速道路を走行することはなかったが、ロングツーリングをこなす旅の相棒となることは容易に想像できるとともに、スーパーマーケットへのお買い物にもハーレーで行きたくなるような日常性を感じさせるバイクだなと思った。

編集部:椿山和雄