試乗レポート

ハーレーダビッドソン、新エンジン「Revolution Max 1250T」搭載のスポーツモデル「スポーツスターS」に試乗した

2021年10月19日 開催

 ハーレーダビッドソン ジャパンは、新エンジン「Revolution Max 1250T」を搭載するスポーツモデル「スポーツスターS」を日本デビューさせる。10月19日から報道関係者に向けた試乗会が開催されており、記者も参加することができたので、その様子をお伝えしたい。

 東京都心で開催された試乗会では、約100分にわたり試乗することができた。結論から先に述べておくと、ハーレーダビッドソンのバイクはほぼ初体験であったが、試乗を終えるころにはバイクが体の一部に感じられるほどの乗りやすさに感動した。

 はじめに記者の運転技量を説明しておくと、大型免許は取得したものの季節のいい時期にレンタルバイクでツーリングを楽しむ程度のペーパーライダーである。身体情報も示しておくと身長169cmで、股下77cm。ハーレーダビッドソンのバイクに乗るのはアドベンチャーモデル「パン アメリカ」の試乗に続いて2回目という、ハーレーダビッドソンのバイクはほぼ初体験。

 ハーレーダビッドソンでは、製品ラインアップを「スポーツ」「クルーザー」「グランド・アメリカン・ツーリング」「アドベンチャーツーリング」「トライク」と分類しており、そのスポーツの中にあるスポーツスターSは、アイコニックなデザインと本格的なエンジン音を特徴とし、峠道を縫うように走り、市街地を軽快に駆け抜けるためのモーターサイクルと位置付けられている。

スポーツスターS

 スポーツスターSのシート高は755mm(無負荷状態)と低く設定されており、足つきに関する不安はない。運転姿勢については、上半身はネイキッドバイクのように軽い前傾姿勢、下半身はステップが車両前方に配置されており足を前に出す運転スタイルとなっている。ペダルのポジションについては、記者の足が短いのだろう、クラッチやブレーキペダルをしっかりと操作するにはシートの前の方に座らないといけないので、全体的な印象としてはネイキッドバイクを運転しているかのような気分になる。

 車両重量については228kgとハーレーダビッドソンのモデルとしては軽量に仕上げられており、バイクに跨った印象としても軽快感がある。それでも、200kgを超える重量級モデルなので、バイクを降りてから駐車時などの取り回しでは、慎重になってしまう。

 さて、いよいよ公道に出て試乗タイム。試乗会場となった中目黒を起点に、代官山を抜け、首都高速を使ってレインボーブリッジまで走ってみた。低速トルクがあるおかげか、発進加速前後や道の細い市街地のごく低速域でのアクセル操作にそれほど神経質にならなくてもよく、扱いやすい印象を受けた。流れの早い主要道に出てみると、ギヤレシオの設定なのか、せわしなくシフトチェンジする必要もなく、アクセルの調整だけで交通の流れに合わせることができ楽ちんだ。

 首都高の速度レンジでの印象を言うと、今回の試乗の中で一番印象に残った部分で、首都高の速度域で延々とのんびりクルージングするのに最適なモデルであると思った。タイヤサイズがフロント160/70TR17 73V、リア180/70R16 77Vという見た目にも印象的な太いタイヤを装着し、高速域でとても安定感がある。

フロントのタイヤサイズ:160/70TR17 73V
リアのタイヤサイズ:180/70R16 77V

 操作性では、首都高の都心環状線にいくつかある複雑なコーナーにおいても、狙い通りにラインを取ることができ運転も楽しい。見た目の印象と違ってホイールベースは1520mmと、ハーレーのモデルとしてはクルーザータイプと比較して短めに設定されており、もう少しタイトなコーナーがある山道のワインディングに持ち込んでも楽しめるモデルなのではないかと想像することができる。

LEDヘッドライトが印象的
左グリップの操作系
液晶パネルを使用したメーターを採用
右グリップの操作系

 搭載されるエンジンの1252cc水冷60度Vツイン「Revolution Max 1250T」は、最高出力は非公表ながら、最大トルク125Nm/6000rpmを発生し、最大許容回転数は9500rpmを実現する。今春デビューしたアドベンチャーツーリング「パン アメリカ」シリーズとは基本設計は同じエンジンながら異なる味つけが施され、3000~6000回転の低・中回転域で最大10%トルクを向上、ピストンや吸気系の形状変更など、スポーツモデルに適した性能を発揮するよう調整されたという。実際に、エンジンを回していくと、“ハーレー”と聞いて一般的にイメージしていたエンジン音とは異なる、スポーティなサウンドを楽しめる。

1252cc水冷60度Vツイン「Revolution Max 1250T」
スポーツスターに搭載されている「エボリューション」エンジン

 スポーツスターSの価格は、ビビッドブラックモデルが185万8000円、モノトーンモデルが188万7700円。ハーレーダビッドソンのバイクをほぼ初体験という視点で言うと、とても乗りやすくロングツーリングに出かけたくなるモデルであると感じた。

 ハーレーダビッドソン ジャパンでは、このスポーツスターS 日本デビューを記念して、10月23日14時より同社公式Youtubeアカウントで「スポーツスターS 日本デビュー記念 生配信」を実施。また、10月23日、24日の両日、東京・中目黒に期間限定のポップアップカフェ「スポーツスターS カフェ」をオープンさせる。「スポーツスターS」日本モデル全3カラーの日本初の一般展示も行なわれるので、スポーツスターSが気になる人は現地で実車を確認してほしい。

1957年のXL スポーツスターの展示もある「スポーツスターS カフェ」
スポーツスターSが展示される

スポーツスターS カフェ

日時:10月23日10時~20時、10月24日10時~17時
会場:東京都目黒区中目黒1-9-3 ROJU中目黒内(東京メトロ中目黒駅より徒歩6分)

編集部:椿山和雄