試乗記

ハーレーダビッドソン「ブレイクアウト」「ローライダーST」2025年モデルに試乗

ハーレーダビッドソンの2025年モデル「ローライダーST」(左)「ブレイクアウト」(右)

 ハーレーダビッドソン ジャパンは、「ブレイクアウト」「ローライダーST」2025年モデルの公道試乗会を7月28日~30日に開催した。両モデルは、日本国内での販売においてハーレー人気を二分する、ハーレーダビッドソンの基幹モデルという。それぞれの2024年モデルと比較しながら試乗することができたので、その印象をお伝えしたい。

 試乗会場は、東京都江東区にある東京ゲートブリッジを臨む「海の森水上競技場」を発着点に、周辺の一般道路を中心に試乗することができた。海の森水上競技場の周辺道路は、坂道発進が求められる一時停止ポイント、ヘアピンカーブのようなUターン路などもあり、バイクの基本操作を確認しながら約半日試乗した。

「ブレイクアウト」2025年モデル
「ブレイクアウト」2025年モデル
「ローライダーST」2025年モデル
「ローライダーST」2025年モデル

「ブレイクアウト」「ローライダーST」2025年モデルの主な特徴としては、パワートレーンではライダー自身が選択できるライドモード(ロード、レイン、スポーツ)が採用され、装備面では多機能デジタルディスプレイを内蔵したアナログスピードメーターやUSB-Cポートなどが採用されたこと。

2025年モデルには多機能デジタルディスプレイを内蔵したアナログスピードメーターが装着された

 バイクにまたがってまず目につくのは、新しく装備された多機能デジタルディスプレイを内蔵したアナログスピードメーター。ギヤシフトインジケーターの確認がしやすくなった印象で、「ロード」「レイン」「スポーツ」といったライドモードなどの主要な走行データも表示される。2024年モデルのメーターも、デジタルディスプレイの斬新なデザインで記者的には好印象を持っており、趣味性の高いバイクにおいては好みの問題かも。

2024年モデルはデジタルディスプレイ主体のメーターが採用されていた

 足つき性を確認すると、ブレイクアウトはシート高665mm(非積載時)、ローライダーSTはシート高715mm(非積載時)で、ともに足つき性はとてもよい。それぞれ300kgを超える車両重量でも、しっかり足がつくので「バランスを崩してしまうかも」といった不安は少ない。

 乗車スタイルは、ブレイクアウトは足を前に投げ出すスタイルとなり、身長169cmの記者的には、「もう少し足の長い大柄な人に合わせた設計なのかな?」と感じる。一方、ローライダーSTはシフトペダルやブレーキペダルとステップの配置位置がライダーに近い位置にあり、ローライダーSTのほうがしっくりくる印象。

ブレイクアウトのシート高は665mm(非積載時)
ブレイクアウトのブレーキペダルとステップの配置
ローライダーSTのシート高は715mm(非積載時)
ローライダーSTのブレーキペダルとステップの配置

 両モデルは、味付けの異なる排気量1923ccのMilwaukee-Eight 117エンジンを搭載。一新したモノショックリアサスペンションを備えたソフテイルシャシーを共通して採用している。

 スペックを確認すると、ブレイクアウトが馬力77kW(103HP)/5020rpm、エンジントルク168Nm/3000rpm、ローライダーSTが馬力85kW(114HP)/5020rpm、エンジントルク173Nm/4000rpmとなっている。また、ブレイクアウトでは新型ツーリングインテークと2in2エキゾーストシステム、ローライダーSTでは、ヘビーブリーザーインテークと再設計された2in1エキゾーストが装備された。

ブレイクアウトは馬力77kW(103HP)/5020rpm、エンジントルク168Nm/3000rpmを発生する「Milwaukee-Eight 117カスタム」エンジンを搭載
ローライダーSTは馬力85kW(114HP)/5020rpm、エンジントルク173Nm/4000rpmを発生する「Milwaukee-Eight 117ハイアウトプット」エンジンを搭載

 実際に走行して感じたパワートレーンの印象については、2024年モデルとの比較でいうと、直線を走っているときにアクセルをガバっと開けたときのエンジンやエキゾーストのサウンドが力強くなった印象だ。

 エンジンのパワフルさが印象に残る一方で、扱いやすさという点においては、一時停止からの発進加速、タイトなコーナーを走行するといった、慎重なスロットルワークが求められるシーンにおいて、「ドン!」と急な出力がされないよう操作ができる、低速領域での扱いやすさも確保されている。

 約半日、2台(新旧モデル合わせると4台)の大型クルーザーモデルを試乗してみたが、大型バイクをテキパキ、キビキビ動かすためには、しっかり走り込むことが必要なのだなと感じた次第。憧れのバイクを乗りこなし、だんだんと人馬一体の感覚を得られるようになっていくのが、こうしたバイクを所有する喜びの一つかもしれない。

 最後はハーレーダビッドソン ジャパンが展開した「ブレイクアウト? ローライダー ST? あなたはどっち派?キャンペーン」をなぞって話を締めくくると、見た目の印象は「ブレイクアウト」、記者の体型面で人馬一体のフィット感を感じたのは「ローライダー ST」だろうか。

ブレイクアウト?ローライダーST?あなたはどっち派?
編集部:椿山和雄