試乗記

【国内メーカー最新電動モデルイッキ乗り】マツダ「CX-60」、ラインアップの頂点に立つPHEVの仕上がりはいかに?

3月に行なわれたメーカー合同EV取材会。国内メーカーのBEV/PHEVを主とした最新電動モデルが一同に会し、各モデルに試乗することができた。今回はその第六弾としてマツダ「CX-60 PHEV」編をお届けする

 マツダの推進する縦置きエンジンのラージプラットフォーム群の先兵を務めた「CX-60」。豊富なラインアップの中でも頂点に立つのが直列4気筒2.5リッターガソリン+マツダ独自のPHEVを組み合わせた「CX-60 PHEV」だ。

 トランスミッションは8速ATだがトルコンの代わりにクラッチを使ったシステムを使う。エンジンとモーターの出力を合わせたトータル出力は241kWでトルクは500Nmを出す。バッテリは17.8kWhの容量で前席と後席の間に搭載される。EV走行距離はWLTCモードで75kmと表記される。このPHEVシステムは一列に長い。トランスミッションが入るスペースによく収まったと感心するが、ここもマツダらしい挑戦だ。

 エクステリアデザインはマツダらしいこだわりがあり、それに応じたインテリアも色使いも含めて丁寧に作られており、華やかで上質感がありそれだけでも寛げる。

 野心的なラージプラットフォーム群の中でも50:50の前後重量配分を実現したPHEVだが、フラットな路面では流れるようなリズミカルで正確なハンドリングにうっとりする瞬間がある。そもそもドライビングポジションが正確で、ステアリングホイールにもこだわりがあり、ドライビングに集中できるクルマだ。

試乗車は「CX-60 PHEV Premium Modern」(649万5500円)。ボディサイズは4740×1890×1685mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2870mm。車両重量は2100kg

 初期型では荒れた路面でリアからの突き上げ感があったが、マイナーチェンジでキビキビした動きと引き換えにリアの動きが穏やかになった。初期の穏やかなハンドリングになったが「初心忘るべからず」の信念で今後も熟成されることを願う。

 パワートレーン系では270Nmの大トルクモーターのサポートと250NmのエンジンでCX-60をゆったり走らせるのに十分な余裕がある。通常の使い方では良いところを満喫でき、スマートなパワーのうねりを享受できる。

 ただ時おり聞こえるエンジンの補機類からのノイズや、アクセル操作の加減で出てくる変速時の軽いショックはもう少し減らしたいところ。

 大きなバッテリを持つPHEVは車内に1500WのACアウトレットを持つ。アウトドアでのレジャーや災害時の給電に役立ち、さらに発電もできるのがPHEVの良いところだ。

直列4気筒DOHC 2.5リッター「PY-VPH」エンジンは最高出力138kW(188PS)/6000rpm、最大トルク250Nm(25.5kgfm)/4000rpmを発生。これに129kW(175PS)/5500rpm、270Nm(27.5kgfm)/400rpmのMS型モーターを組み合わせる
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。

Photo:安田 剛