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写真で見る ルノー「ルーテシア」(第5世代)

2020年11月6日 発売

236万9000円~276万9000円

第5世代となった新型「ルーテシア」

 2019年3月の「第89回 ジュネーブ国際モーターショー」で公開された第5世代の新型「ルーテシア」が、いよいよ日本でも11月6日に発売となる。現在、事前予約を受け付けしている。ルーテシアは1990年に登場し、初代から第4世代まで累計で1500万台を販売。先代モデルはフランスのBセグメントにおいて6年連続販売台数1位。また、欧州のカーオブザイヤーを2度獲得し、欧州ではコンパクトカーの代表格と呼ばれる1台。ルノーの中ではフラグシップと呼ぶにふさわしい存在だという。

 グレードは「ゼン(受注生産)」「インテンス」「インテンス テックパック」の3種が設定され、それぞれ装備が異なる。価格はゼンが236万9000円、インテンスが256万9000円、インテンス テックパックが276万9000円。

撮影車はインテンス テックパック

先代モデルを深化させた外観

 外観はフロントグリルの力強さ、ボンネットのエッジの張り出しなどがしっかりしたダイナミックさを出しながら、先代のような流線形も残しつつモダン化されたデザイン。ルノーのコーポレートデザイン担当上級副社長のローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏は「先進的でエレガント。デザインに込めたのは、現代のフランスである」と発表している。

タイヤサイズは前後205/45R17(ゼンのみ195/55R16)。ブラックドアミラーはインテンス テックパックのみの設定。シャークアンテナはディーラーオプション設定。受注生産のゼンには、フロントフォグランプ、コーナリングランプ、プライバシーガラス(リアサイド・リアガラス)、窓枠のサイドウインドウモールクロームフィニッシャー、マフラー出口のクロームエキゾーストフィニッシャーは非装備となる
ヘッドライト点灯パターン
テールランプ点灯パターン

 ボディカラーのバリエーションは全6色。「LOVE」のデザインテーマを連想させるルージュ フラムメタリック、新色のオランジュ バレンシアメタリック、同じく新色となるブルー セラドンメタリック、ブラン グラシエ、ブルー アイロンメタリック、ノワール エトワールメタリックが設定されている。

ルージュ フラムメタリック(レッド)
オランジュ バレンシアメタリック(オレンジ)
ブルー セラドンメタリック(アクアブルー)
ブラン グラシエ(ホワイト)
ブルー アイロンメタリック
ノワール エトワールメタリック(ブラック)

 なお、受注生産のゼンは、ルージュ フラムメタリック、ブルー セラドンメタリック、ブラン グラシエの3色のみの設定となる。

新開発CMF-Bプラットフォームを採用

 この第5世代はルノー・日産・三菱のアライアンスにより新開発された新型CMF-Bプラットフォームを採用。開発はルノー主導で行なわれ、日産と三菱自動車の要求が盛り込まれている。また、BセグメントからCセグメントにまで使え、2WD、4WD、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、フルEV(電気自動車)、ICE(内燃機関)と、幅広いパワートレーンに対応する柔軟性を持ち、同じタイミングで新型となったコンパクトSUV「キャプチャー」もこのプラットフォームを採用している。

新開発されたCMF-Bプラットフォーム

 このプラットフォームは開発後、初の実車投入で、ボディサイズは4075×1725×1470mm(全長×全幅×全高)。先代より20mm短く、幅は25mm狭く、ホイールベースは2600mmから2585mmと15mm短くなった一方で、全高は35mm拡張され、先代モデルより広い室内空間を確保している。

 その昔Bセグメントのクルマは、CやDセグメントといった大きなクルマを持ったうえでのセカンドカー的な存在だったが、初代から先代モデルまで、徐々にボディサイズが拡大していき、4代目でBセグメントの新たな基準となるボディサイズとなり、今ではこの1台ですべてをまかなうユーザーが増えてきたという。

 また、CADデータのレベルが上がっていることで、デザインによってもフレーム剛性を高めることが可能となり、金属加工技術の向上も加わって使用する原材料を減らすことに成功。これにより同装備の先代モデルよりも約50kg軽量化しつつ、高い剛性を実現したという。衝突安全基準である「EURO NCAP」においては、最上位の5つ星を獲得した。

ボディサイズは4075×1725×1470mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2585mm
赤い線は先代モデルのボディライン
アンダーフロアはほぼフルフラットになっていて、好燃費や静粛性に貢献している
EURO NCAPで5つ星を獲得

日本初導入の1.3リッターターボエンジン

 パワートレーンは、日本初導入となる直列4気筒1.3リッターターボエンジン(最高出力131PS/5000rpm、最大トルク240Nm/1600rpm)。エンジンブロック本体(腰下)は日産製を使っていて、第4世代のマイナーチェンジ後モデルの直列4気筒1.2リッターターボエンジン(最高出力118PS/5000rpm、最大トルク205Nm/2000rpm)からの排気量増は若干だが、パワーもトルクも大きく向上した。このエンジンブロックは第4世代のメガーヌから採用していて、性能のよさが認められルーテシアにも搭載されたという。

 スポーツタイプのエンジンではないものの、トルク特性だけで見ればCセグメントでも上位に匹敵するレベルで、低回転領域から高いトルクを発生し、どの領域でもスムーズに気持ちよく走れるエンジンに仕上げたという。そこにメガーヌGTにも搭載していたゲトラグ式電子制御7速AT(7EDC)が組み合わされ、ステアリングのギヤ比も先代モデルの15.2から14.4に変更されたこともあり、市街地からワインディングまで気持ちよく走行できるとのこと。さらにパドルシフトも装備していることで快適なドライブを実現する。燃費はWLTCモードで17km/Lとなっている。

1.3リッター直噴ターボエンジン
パドルシフトを長引きすること「D」の文字が「M」となり、パドルによるシフトチェンジを優先するマニュアルモードも使用可能

 また、ルノーでは先進の運転・駐車支援システムを搭載した「イージードライブ」を提唱し、高速道路走行で便利な「ストップ&ゴー付きアダプティブクルーズコントロール」や「レーンセンタリングアシスト」「ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト」を採用。ヘッドライトを自動で切り替えてくれる「オートハイ/ロービーム」、駐車時に周囲の状況確認をサポートしてくれる「360度カメラ」「パーキングセンサー」を搭載する。

 安全運転支援では、歩行者や自転車を検知して自動でブレーキをかける「アクティブエマージェンシーブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)」、後方の見えない部分のクルマを検知する「ブラインドスポットワーニング」、車線を逸脱しそうになるとステアリングに微振動を与えて警告を行なう「レーンデパーチャワーニング」、前車との車間距離を見張る「セーフティディスタンスワーニング」などを搭載している。

前後のエンブレムの中心部分と、左右のサイドミラーにカメラを内蔵
360度カメラで周囲も確認しやすい

室内では高い快適性と高品質を両立

 先代の雰囲気を残しつつ「深化」した外装とは逆に、内装は人間工学に基づきダイヤルの回した感じやスイッチ1個にまで徹底的にこだわりつつ、ソフトタッチ素材など高い快適性と高品質を両立。

 内装は、ゼンが「ブラックダッシュボード」、インテンスとインテンス テックパックはボディカラーに応じて「ブラック」「ライトグレー」「ライトグレー レッドインサート」の3種類から選択可能。

写真はライトグレー レッドインサート
運転に関わる操作要素は運転席に向くように設計されている
ソフトタッチの採用部分も大きく増やしたという(オレンジ部分)
ステアリング左側スポークには、主にアダプティブクルーズコントロールの操作スイッチ、レーンキープアシストの操作ボタン
メーターは視認性を高めるためステアリングの円の中にしっかりと収まるように設計されている
ステアリングの右側には音声操作やメーター内の表示内容の切り替え、操作ボタン
シフトレバーの奥にはシガーソケットと外部機器を接続できるAux-inポート、USBポート×2が設置される。インテンステックパックのみ置くだけ充電機能も搭載(iPhone5以降に対応)
ペダルはアクセル、ブレーキともにゴム製
ステアリングの右側奥にはワイパーの操作レバーとは別にオーディオの操作レバーを装備する
エンジンスターターボタンはステアリングの左側に配置されている
運転席と助手席の間にはドリンクホルダーと小物入れを装備
ステアリングの左側にはステアリングヒーターと安全機能のスイッチが配置される
カードキーを採用していて、持っているだけで1m以内に近づくと自動的に開錠、1m以上離れると自動的に施錠される。また、運転中用の専用置き場所も用意されている
カードキーの裏には操作ボタンも装備
助手席側サンバイザー
ルームミラーは自動防眩式ルームミラーを採用(ゼンのみ防眩式ルームミラー)
運転席側サンバイザー
運転席の頭上にある黒い四角は音声操作のマイク
グローブボックス
グローブボックスとは別に奥行があり車検証や取扱説明書が入るスペースも完備
ソフトタッチの部分が増えた内装
運転席ドアのスイッチ
前席は先代モデルよりも厚手の座面で座り心地が向上。また、薄手のバックシート(背もたれ)とヘッドレストを初採用し、斜め後方の視界も向上。後席は大人でも十分な膝前スペースを確保
後部席は6:4のセパレートタイプ
先代より61L増えて391Lの収容量を持つラゲッジスペース
ラゲッジスペースは2段底タイプ
開口部も広くしたことで荷物の積み下ろしもラクになっている

 また、Boseが開発した新スピーカーシステム「Fresh Air Speaker」を採用。先代モデルではラゲッジスペース下にあったサブウーファーが小型化され、左リアのボディ内に収まったことでラゲッジスペースの拡張にひと役買っている。この小型サブウーファーと低域を再生する4つのウーファー、高域を再生する4つのトゥイーターの全9スピーカーを搭載し、立体的な音響効果を実現する。

スピーカー配置図
ラゲッジスペースにある小型サブウーファー

マルチメディアEASY LINKとルノー・マルチセンス搭載

 スマホを接続すれば、Apple CarPlayやAndoroid Autoを介して7インチのタッチスクリーンにスマホが連携される。スマホ内のアプリにアクセスできるほか、ナビゲーション、音楽再生、電話機能も利用可能。SriやGoogleアシスタントを使った音声入力も可能で直感的かつスムーズに操作できる。

 また、運転モードやインテリア照明のカラーを変更できる「ルノー・マルチセンス」も搭載。タッチスクリーンの操作で、運転モード(My Sence/Sport/Eco)を変更することでエンジン出力特性や電子制御の7速ATの変速特性、ステアリングフィールを変更できるほか、室内やメーターの照明色を変更できる。

My Senceモード
Sportモード
Ecoモード
タコメーター表示
スピードメーター表示1
スピードメーター表示2
メーター表示設定画面
電動パワーステアリング設定画面(アシストする力が変わる)
「ムード」を選択すると、インテリアの照明色を変更できる「ライティング」と、メーターの表示スタイルを変更する「クラスター」が表示される
ライティングは全部で8色から選択可能
オレンジ
イエロー
ライトブルー
パープル
レッド
グリーン
ブルー
ホワイト

 ほかにも、燃費を基準に運転を採点してくれる機能や、燃費をよくするためのアドバイスもたくさん表示する機能も搭載。日々の運転内容も保存でき、ゲーム感覚でエコ運転を楽しめる機能も盛り込まれている。

スコアやスコア履歴を確認できる
今後を予測したアドバイス
加速についてのアドバイス。急加速をすると注意が促される
燃費がよくなるコツなどをいろいろと教えてくれる
家から職場などよく利用するルートを登録しておき採点してもらうことも可能
運転アシスト機能の設定もまとめて行なえる
メイン画面は自分好みにカスタマイズが可能で、使いたい機能を好きなように並び替えることができる
ユーザープロフィールも5人まで登録でき、好みの設定を保存しておける

 運転席の7インチデジタルインストルメントパネルには、左右と中央下部分に情報表示部分が設けられていて、右側部分はラジオや音楽再生、通話など、左側部分には燃費、パワー&トルク、エコドライブ、平均燃費といった車両情報、中央下部分には、タイヤの空気圧など車両に関する警告や注意を促すメッセージなどが表示される。