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写真で見る スズキ「ラパン LC」

ラパン LC

 数ある国産車の中でもキャラクター性を強く前面に押し出しているのが、スズキ「アルト ラパン」だ。フランス語で「ウサギ(Lapin)」を意味する名前を持ち、ボディ随所にそのモチーフをプラスしており、明確に女性ユーザーをターゲットにした1台となる。

 3代目となる現行モデルは2015年にデビュー。ハイト/スーパーハイト系のクルマが席巻する軽自動車市場にあって、1525mmと低く抑えられた全高と、箱形のボディに丸いディテールを組み合わせた「まる しかくい」プロポーションは異彩を放つ存在だ。半面、“刺さる”ユーザーには唯一無二の選択肢となることもあって、移り変わりの激しい同クラスの中でもロングライフなモデルとなっている。そこで、この6月に2019年以来2度目となる仕様変更を実施。標準車に安全装備の充実などが行なわれたほか、今回紹介する「アルト ラパン LC」がバリエーションモデルとして追加されることになった。

バリエーションモデルとして追加されたアルト ラパン LC。かわいらしさにレトロ風味がプラスされている。撮影車両はX、ボディカラーはテラコッタピンクメタリック アーバンブラウン2トーンルーフ

 この“LC”の名前で思い出されるのが、2005年の東京モーターショーに出展されていた「スズキ LC(Life Creator)」。2ドア、2シーター、セダンボディとカテゴリーこそ異なるものの、丸みを帯びたかわいらしい外観を持つこのモデルこそ、アルト ラパン LCのルーツといえる。

2005年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー。左下がLCだ

 外観ではフロントが血筋をもっとも感じられる部分。新たに設けられたグリルには馬具の“ハミ”をイメージさせるメッキガーニッシュが装着されるほか、丸いヘッドライトはメッキガーニッシュにより大きさを強調、アンダーグリルもワイドかつスリムなデザインとしている。バックドアにも専用のオーナメントを装着することで差別化が図られている。

 内装は標準車と変わらず「わたしの部屋」がコンセプトとなるが、シートなどにレザーやレザー調素材を採り入れたほか、アイボリーを基調に濃さの異なるブラウンを配置することで、よりパーソナルなイメージが高められている。

 パワートレーンは1タイプのみで、駆動方式は2WD(FF)とフルタイム4WDを設定。エンジンは直列3気筒DOHC 0.66リッターの「R06A」ユニットで、スペックは最高出力38kW(52PS)/6500rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/4000rpm。トランスミッションは標準車の一部に設定されていた5速AGSの設定がなくなりCVTのみとなった。減速時のエネルギーをコンパクトなリチウムイオンバッテリーに充電し、走行時のエンジンによる発電を抑えることでガソリン消費を抑えるスズキ独自の省燃費技術「エネチャージ」を全車に搭載。WLTCモード燃費は26.2km/L(2WD車)を実現している。

 今回の仕様変更により標準車を含めて安全装備に変更が加えられており、衝突被害軽減ブレーキがステレオカメラを利用した「デュアルカメラブレーキサポート」となったほか、LEDヘッドライトも全車に標準化。オプションで用意される「全方位モニター用カメラパッケージ」では、「すれ違い支援機能」「左右確認サポート機能」「3Dビュー表示機能」が追加されている。

 ラインアップはアルト ラパンの標準、上級グレードにあたる「L」「X」の2タイプで、価格は順に140万9100円(4WD車は151万3600円)、154万5500円(同164万6700円)。ボディカラーはモノトーンが「テラコッタピンクメタリック」など6種類。Xグレードにはルーフカラーが「アーバンブラウン」または「ソフトベージュ」となる2トーンがそれぞれ3タイプ、計6種類が用意される。

特徴的なフロントマスク。メッキベゼルの追加により丸いヘッドライトがより大きく見える
LCらしさを表現するメッキガーニッシュ
先進安全装備の核となるセンサーはレーザーレーダーからステレオカメラを使った「デュアルカメラブレーキサポート」にチェンジ。夜間歩行者の検知にも対応する
XグレードにはLEDサイドターンランプ付ドアミラーが標準装備。Lグレードはフェンダーにターンランプが付く
Xグレードのドアハンドルはメッキタイプ。Lグレードはボディ同色
バックドアにはLCエンブレム付のメッキガーニッシュを装着
アルトシリーズの一員であることを示すデカール
“隠れラパン”と呼ばれるウサギのモチーフが随所に
LEDヘッドライトは全車標準
リアコンビランプはストップランプのみLEDを採用。バックランプはナンバー下に配置
エンジンは0.66リッター直列3気筒DOHCユニットを搭載。最高出力38kW(52PS)/6500rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/4000rpmを発生する
無鉛レギュラーガソリン仕様でタンク容量は27L
減速を利用して充電し、エンジンによる発電を抑えることで燃料消費を抑えるエネチャージを標準装着。専用のリチウムイオンバッテリーが助手席下に置かれている
Xグレードは中央にキャップが付いたアルミホイールが標準。タイヤサイズは共通で155/65R14。撮影車両はダンロップ「エナセーブ EC300+」を装着
Xグレードの内装は「シックインパネ」と名付けられたベージュとダークブラウンの組み合わせ。中央には木目調のパネルを配置する
ダークブラウンとアイボリーを組み合わせた本革巻ステアリングが標準。中央にはワインレッドのキャップが付く。チルト機能も装備
メーターは大型の1眼式。下部にはインフォメーションディスプレイ、上部には色で運転状況を教えてくれるステータスインフォメーションランプを装備
コロコロ動く、スズキ「ラパン LC」のインフォメーションディスプレイ。状況や季節などによってさまざまに表示が変化。ドライバーを楽しませてくれる
シフト周囲にメッキガーニッシュを装備。Xグレードはボタンがメッキになる
ペダルまわり。パーキングブレーキは足踏み式
キーレスプッシュスタートシステムが標準
ステアリングコラム右側には安全装備系を中心としたスイッチが並ぶ
オーディオレス仕様が標準。Xグレードは6スピーカー、Lグレードは2スピーカーを装備。撮影車両はオプションの8インチメモリーナビを装着
フルオートエアコンが標準。Xグレードは「ナノイーX」付
バックミラー周辺。ステレオカメラ付だが存在が目立たないほどコンパクト
サンバイザー裏には運転席、助手席ともにバニティミラーを装備。Xグレードには照明も付く
ルーフトリムはキルト模様が施される
キーシリンダー部分を利用したDC12Vソケット
Xグレードは運転席、助手席ともシートヒーターが標準。Lグレードは運転席のみだが4WD車は助手席も標準。USB電源ソケットは標準装備になる
下部にはポケットタイプの収納
オプションのフロアマットにもウサギが描かれる
助手席前に車名のバッヂが付く
助手席前にはドリンクホルダーとティッシュケースが入る収納を用意
下部にはグローブボックスも用意
バックなどを下げることができるフック。未使用時はフック部分を反転できる
フロントシートはベンチタイプ。シート表皮はファブリックとレザー調素材のコンビネーションで上品な印象
運転席ドアトリム
アームレストにはパワーウィンドウなどのスイッチが並ぶ。ドアハンドルはXグレードがメッキ、Lグレードはアイボリーになる
中央には収納付のアームレストを装備
リアシートも同様のカラーと素材で統一
リアのドアトリム
パワーウィンドウスイッチ
助手席の背面はフック付
分割可倒式のリアシートにより収納スペースのアレンジが可能
ラゲッジのフロア下はパンク修理キットなどが収まるスペース