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写真で見る スズキ「ラパン LC」
2022年8月16日 10:00
数ある国産車の中でもキャラクター性を強く前面に押し出しているのが、スズキ「アルト ラパン」だ。フランス語で「ウサギ(Lapin)」を意味する名前を持ち、ボディ随所にそのモチーフをプラスしており、明確に女性ユーザーをターゲットにした1台となる。
3代目となる現行モデルは2015年にデビュー。ハイト/スーパーハイト系のクルマが席巻する軽自動車市場にあって、1525mmと低く抑えられた全高と、箱形のボディに丸いディテールを組み合わせた「まる しかくい」プロポーションは異彩を放つ存在だ。半面、“刺さる”ユーザーには唯一無二の選択肢となることもあって、移り変わりの激しい同クラスの中でもロングライフなモデルとなっている。そこで、この6月に2019年以来2度目となる仕様変更を実施。標準車に安全装備の充実などが行なわれたほか、今回紹介する「アルト ラパン LC」がバリエーションモデルとして追加されることになった。
この“LC”の名前で思い出されるのが、2005年の東京モーターショーに出展されていた「スズキ LC(Life Creator)」。2ドア、2シーター、セダンボディとカテゴリーこそ異なるものの、丸みを帯びたかわいらしい外観を持つこのモデルこそ、アルト ラパン LCのルーツといえる。
外観ではフロントが血筋をもっとも感じられる部分。新たに設けられたグリルには馬具の“ハミ”をイメージさせるメッキガーニッシュが装着されるほか、丸いヘッドライトはメッキガーニッシュにより大きさを強調、アンダーグリルもワイドかつスリムなデザインとしている。バックドアにも専用のオーナメントを装着することで差別化が図られている。
内装は標準車と変わらず「わたしの部屋」がコンセプトとなるが、シートなどにレザーやレザー調素材を採り入れたほか、アイボリーを基調に濃さの異なるブラウンを配置することで、よりパーソナルなイメージが高められている。
パワートレーンは1タイプのみで、駆動方式は2WD(FF)とフルタイム4WDを設定。エンジンは直列3気筒DOHC 0.66リッターの「R06A」ユニットで、スペックは最高出力38kW(52PS)/6500rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/4000rpm。トランスミッションは標準車の一部に設定されていた5速AGSの設定がなくなりCVTのみとなった。減速時のエネルギーをコンパクトなリチウムイオンバッテリーに充電し、走行時のエンジンによる発電を抑えることでガソリン消費を抑えるスズキ独自の省燃費技術「エネチャージ」を全車に搭載。WLTCモード燃費は26.2km/L(2WD車)を実現している。
今回の仕様変更により標準車を含めて安全装備に変更が加えられており、衝突被害軽減ブレーキがステレオカメラを利用した「デュアルカメラブレーキサポート」となったほか、LEDヘッドライトも全車に標準化。オプションで用意される「全方位モニター用カメラパッケージ」では、「すれ違い支援機能」「左右確認サポート機能」「3Dビュー表示機能」が追加されている。
ラインアップはアルト ラパンの標準、上級グレードにあたる「L」「X」の2タイプで、価格は順に140万9100円(4WD車は151万3600円)、154万5500円(同164万6700円)。ボディカラーはモノトーンが「テラコッタピンクメタリック」など6種類。Xグレードにはルーフカラーが「アーバンブラウン」または「ソフトベージュ」となる2トーンがそれぞれ3タイプ、計6種類が用意される。