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写真で見る フィアット「ドブロ」
2023年7月28日 07:00
フィアット(Stellantisジャパン)「ドブロ」は、短いボンネットとトールタイプのキャビンを組み合わせたミニバン。初代モデルは商用車「フィオリーノ」の後継モデルとして2001年にデビュー。商用車とともに乗用モデルもラインアップし、より幅広いユーザーの獲得を目指した。2010年には2代目にバトンタッチ。そして、今年導入される3代目モデルから、ついに日本市場にも導入されることになった。なお、同じステランティスグループのプジョー「リフター」、シトロエン「ベルランゴ」など、兄弟車も日本市場に導入されている。
ドブロのボディタイプは2種類が用意される。ベースモデルとなるドブロは4405×1850×1850mm(全長×全幅×全高)のボディを持ち、ホイールベースは2785mm。2列シート仕様で5人乗りと、標準的なミドルクラスのミニバンといったイメージになる。一方、2975mmのホイールベースを持つ「ドブロ マキシ」もラインアップしており、こちらは4770×1850×1870mm(全長×全幅×全高)と、日本車ならラージサイズに分類される堂々たるボディを持つ。シートも3列仕様になり7人乗車が可能と、多人数乗車を必要とするファミリー層にもピッタリなスペックだ。最小回転半径はホイールベースの関係で前者が5.6m、後者は5.8mとなる。
商用車をルーツに持つだけに積載力は文句なしに高いレベル。ドブロ、ドブロ マキシともに共通となっている2列目シートは3席が独立して前倒し可能となっており、その際は荷室から続くフラットなフロアを確保することができる。加えてドブロ マキシの場合は、特徴でもある3列目は取り外し可能な構造となっている。乗車人数や荷物のサイズによってさまざまなシートアレンジが行なえるわけだ。荷室容量はドブロの場合でフル乗車時が約597L、2人乗車時は約2126L。ドブロ マキシは3列目を取り外した5人乗車時で約850L、2人乗車時は約2693Lもの空間を確保することが可能になっている。
外観は先に発売された兄弟車と基本的には変わらない。ただ、フロントマスクを中心に差別化が図られており、兄弟車が乗用車風味を強く感じさせるのに対し、こちらはきらびやかな印象を抑えてシンプルなルックスに仕上げられている。バンパーやサイドパネルも未塗装樹脂仕上げとなるものの、ルーフレールやスポイラー、アルミホイールが標準装備とあってか商用車的なムードはあまり感じさせない。どちらかといえば「道具(ツール)」的なイメージだろうか。
パワートレーンはボディにかかわらず共通で、エンジンは1.5リッターの直列4気筒DOHCディーゼルターボを搭載。スペックは最高出力96kW(130PS)/3750rpm、最大トルク300Nm/1750rpm。このクラスとしては段数の多い電子制御8速ATと組み合わされるとともに、車両重量がドブロは1560kg、ドブロ マキシが1660kgと比較的軽量ということもあって、市街地から高速までストレスなく走ることが可能だ。サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームを採用している。駆動方式は残念ながら2WD(FF)のみの設定となっており、WLTCモード燃費はドブロ、ドブロ マキシともに18.1km/L。
先進安全装備はカメラとソナーを併用するイマドキの乗用車らしいスペック。車両や障害物を検知しドライバーが回避操作を行なわない場合に自動的にブレーキを作動させ衝突被害を軽減する「アクティブセーフティブレーキ(歩行者検知機能付)」をはじめ、高速道路走行時などにドライバーの負担を軽減する「アダプティブクルーズコントロール」「レーンキーピングアシスト」などを標準装備している。
車両価格はドブロが399万円、ドブロ マキシが429万円。ボディカラーは「ジェラート ホワイト」のほか、オプションとして「マエストロ グレー」「メディテラネオ ブルー」が用意される。