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フィアット「ドブロ」

 フィアット(Stellantisジャパン)「ドブロ」は、短いボンネットとトールタイプのキャビンを組み合わせたミニバン。初代モデルは商用車「フィオリーノ」の後継モデルとして2001年にデビュー。商用車とともに乗用モデルもラインアップし、より幅広いユーザーの獲得を目指した。2010年には2代目にバトンタッチ。そして、今年導入される3代目モデルから、ついに日本市場にも導入されることになった。なお、同じステランティスグループのプジョー「リフター」、シトロエン「ベルランゴ」など、兄弟車も日本市場に導入されている。

撮影車両のボディカラーはジェラート ホワイト

 ドブロのボディタイプは2種類が用意される。ベースモデルとなるドブロは4405×1850×1850mm(全長×全幅×全高)のボディを持ち、ホイールベースは2785mm。2列シート仕様で5人乗りと、標準的なミドルクラスのミニバンといったイメージになる。一方、2975mmのホイールベースを持つ「ドブロ マキシ」もラインアップしており、こちらは4770×1850×1870mm(全長×全幅×全高)と、日本車ならラージサイズに分類される堂々たるボディを持つ。シートも3列仕様になり7人乗車が可能と、多人数乗車を必要とするファミリー層にもピッタリなスペックだ。最小回転半径はホイールベースの関係で前者が5.6m、後者は5.8mとなる。

ドブロ。ボディサイズは4405×1850×1800mm(全長×全幅×全高)
ドブロ マキシ。ボディサイズは4770×1850×1870mm(全長×全幅×全高)。スライドドアのレールに注目するとサイズの違いが分かりやすい

 商用車をルーツに持つだけに積載力は文句なしに高いレベル。ドブロ、ドブロ マキシともに共通となっている2列目シートは3席が独立して前倒し可能となっており、その際は荷室から続くフラットなフロアを確保することができる。加えてドブロ マキシの場合は、特徴でもある3列目は取り外し可能な構造となっている。乗車人数や荷物のサイズによってさまざまなシートアレンジが行なえるわけだ。荷室容量はドブロの場合でフル乗車時が約597L、2人乗車時は約2126L。ドブロ マキシは3列目を取り外した5人乗車時で約850L、2人乗車時は約2693Lもの空間を確保することが可能になっている。

 外観は先に発売された兄弟車と基本的には変わらない。ただ、フロントマスクを中心に差別化が図られており、兄弟車が乗用車風味を強く感じさせるのに対し、こちらはきらびやかな印象を抑えてシンプルなルックスに仕上げられている。バンパーやサイドパネルも未塗装樹脂仕上げとなるものの、ルーフレールやスポイラー、アルミホイールが標準装備とあってか商用車的なムードはあまり感じさせない。どちらかといえば「道具(ツール)」的なイメージだろうか。

 パワートレーンはボディにかかわらず共通で、エンジンは1.5リッターの直列4気筒DOHCディーゼルターボを搭載。スペックは最高出力96kW(130PS)/3750rpm、最大トルク300Nm/1750rpm。このクラスとしては段数の多い電子制御8速ATと組み合わされるとともに、車両重量がドブロは1560kg、ドブロ マキシが1660kgと比較的軽量ということもあって、市街地から高速までストレスなく走ることが可能だ。サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームを採用している。駆動方式は残念ながら2WD(FF)のみの設定となっており、WLTCモード燃費はドブロ、ドブロ マキシともに18.1km/L。

 先進安全装備はカメラとソナーを併用するイマドキの乗用車らしいスペック。車両や障害物を検知しドライバーが回避操作を行なわない場合に自動的にブレーキを作動させ衝突被害を軽減する「アクティブセーフティブレーキ(歩行者検知機能付)」をはじめ、高速道路走行時などにドライバーの負担を軽減する「アダプティブクルーズコントロール」「レーンキーピングアシスト」などを標準装備している。

 車両価格はドブロが399万円、ドブロ マキシが429万円。ボディカラーは「ジェラート ホワイト」のほか、オプションとして「マエストロ グレー」「メディテラネオ ブルー」が用意される。

ドブロ

上部をグリルレスとしたフロントマスク。無塗装樹脂のバンパー領域も大きめ
リアは兄弟車とほぼ同じイメージ。テールゲート上部にはスポイラーを装備
ルーフレールは標準装備となる
跳ね上げ式のテールゲート
ウィンドウ部分だけを開けることも可能
ポジションランプ点灯時
ヘッドライトはハロゲンタイプ
ハイビーム時は内側も点灯
ウインカー点灯時
フォグランプも標準装備
リアコンビランプ。リアフォグも標準
ブレーキを踏むと上部が光る
ウインカー点灯時
バックランプ点灯時
1.5リッターの直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジンを搭載
タイヤはミシュラン「プライマシー 4」でサイズは205/60R16。アルミホイールも標準装備
燃料タンク容量は50L。アドブルーも併用する
シンプルなインパネまわり。高級感とは無縁といった印象ながら見晴らしがよく解放感がある
レザーステアリングが標準。パドルシフトのほかスポーク部にはクルーズコントロールやオーディオの操作スイッチが備わる
ダイヤル式のシフトが備わるシンプルな操作部。サイドブレーキは電気式になる。欧州車によくあるデミタスカップサイズのホルダーも備わる
ペダルまわり
メーターパネルもシンプルで機能優先なイメージ
中央にはインフォメーションディスプレイ
表示の切り替えることでさまざまな情報の表示が可能
ACCの設定はレバーで行なうタイプ
8インチのタッチスクリーンを備えたディスプレイオーディオと6スピーカーが標準。Apple CarPlayやAndroid Autoに対応する
標準装備のオートエアコンは左右独立温度調整式
ヘッドライトレベライザーはマニュアルタイプ
フロントシート頭上にハイセンターコンソールを装備
ルームランプとマップランプ。中央はシートベルトリマインダー
運転席側のサンバイザー裏には照明付きのバニティミラーが備わる
グローブボックス。ETC車載機はオプション
おしゃれな車検証入れ
ステアリング前方にはフタ付の収納
ディスプレイ裏にも小物を置けるトレイ状のスペースがある
スライド式のフタが付いたセンターコンソール
前方にはDC12Vソケットがある
アームレスト付きのフロントシート
運転席ドアのアームレストにはパワーウィンドウやドアミラーのスイッチがある
3席独立して調整可能な2列目シート
フロントシート背面には折りたたみ式のテーブルを装備
センターコンソール後端にリアシート用のエアコン吹き出し口を装備。風量を変えることもできる
スライドドアのウィンドウも開閉可能
フレキシブルラゲッジトレイはドブロだけの装備
凸凹が少なくスクエアで広いラゲッジスペース。ウィンドウより下の部分だけで約597Lもの荷室容量がある
2列目シートのアレンジでさまざまな使い方が可能。倒した際にはラゲッジ部とほぼフラットになるのも使いやすい
ラゲッジのウィンドウ部分にもカップホルダー。その横にはDC12Vソケットも

ドブロ マキシ

ドブロ マキシ
撮影車両のボディカラーはメディテラネオ ブルー
バンパーは無塗装だが、安っぽさはあまり感じさせない
タイヤはブランド、サイズともドブロと同様。こちらもアルミホイールが標準
テールゲートに車名のバッヂが付く
インパネまわり
フロントシート
2列目シート
ドブロ マキシ専用となる3列目シート
3列目シートを取り外した時に使えるトノカバーを装備。3列目使用時はこの位置に収納
3列目使用時にもラゲッジスペースが残る
3列目シートを取り外した状態。荷室容量は約850L
2列目シートを前倒しした状態。荷室容量は約2693L