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写真で見る ランドローバー「レンジローバー スポーツ SV EDITION ONE」

レンジローバー スポーツ SV EDITION ONE

 ランドローバー「レンジローバー スポーツ SV(RANGE ROVER SPORT SV)」は、同社が培ってきたラグジュアリーSUVの領域に、ハイパフォーマンスなパワーユニットやエアロダイナミクスなどを組み合わせることで高いパフォーマンスをプラスしたモデルだ。

 レンジローバーはメルセデス・ベンツ「Gクラス(ゲレンデヴァーゲン)」、トヨタ「ランドクルーザー」と並ぶクロスカントリータイプの4WDとして高い人気を誇っていたが、2000年代に入ると市場が徐々にオンロードSUV志向へと傾いていくことに対応。2005年に「レンジローバー スポーツ」をデビューさせた。2013年には2代目がデビュー。2020年にレンジローバーが5代目にバトンタッチしたのを受け、レンジローバー スポーツも3代目となる新型へと代替わりすることになった。この新型は「もっともパワフルかつダイナミックなモデルで、最高のパフォーマンスとダイナミズム、比類なき走破性、洗練性、無駄を排したリダクティブ(還元的な)デザインを兼ね備えている」としている。

 2023年5月に追加となったのがシリーズのフラグシップとなるレンジローバー スポーツ SV。こちらは「スポーティなキャラクター、ダイナミックな能力、圧倒的な存在感を新たなレベルへと引き上げる」モデルとなる。

レンジローバー スポーツ SV EDITION ONE

 レンジローバー スポーツ SVは2024年モデルから日本国内に導入される。初年度は今回紹介する特別仕様車「EDITION ONE」のみわずか75台の導入となるが、こちらはすでに完売となっている。なお、新型はまだ日本国内向けが量産開始となっていないため、今回紹介するのはプロトタイプ。スペックなどの数値は海外仕様のものとなっている。

 レンジローバー スポーツの標準モデルと比べると外観にも手が加えられている。フロントマスクは下部の形状を見直してインテーク面積を拡大するほか、いわゆるサイドスカート部も形状を変更、マフラーもテールパイプが独立した4本出しタイプに変更されている。

 インテリアではヘッドレスト一体型SVパフォーマンスシートやSVロゴ入りのステアリングホイールを採用するほか、カーボンファイバーフィニッシャーを採用するなど差別化が図られている。

 パワートレーンはV型8気筒 4.4リッターのツインスクロールターボチャージドガソリンエンジン(MHEV)を搭載。スペックはレンジローバーファミリー中もっともパワフルな最高出力467kW(635PS)/6000-7000rpm、最大トルク750Nm/1800-5855rpm。8速ATとの組み合わせにより、2485kgと決して軽くはないボディを3.8秒で100km/hまで加速させるほか、最高速290km/hまで到達させる。

 サスペンションは世界初となる「6Dダイナミクスサスペンションシステム」を採用。これは油圧連動式ダンパー、高さ調整式のエアスプリング、ピッチコントロールを組み合わせたセミアクティブタイプで、ドライブモードに応じて車高を調整。加えて、アンチロールバーを使わずにボディのピッチやロールを低減し、走行性能はもちろん快適性の向上にも寄与している。また、AWD、ステアリング、トルクベクタリングなど、そのほかのパフォーマンス部分においてもSV専用のチューニングが施されている。

 タイヤはミシュラン「パイロット スポーツ オールシーズン 4」で、サイズはフロントが285/40R23、リアが305/35R23。撮影車両はオプション設定されるカーボン製ホイールが装着されており、従来の同サイズ鋳造ホイールと比べて1本あたり約9kg、4本で35.6kgもの軽量化を実現し、パフォーマンスアップはもちろんハンドリングや乗り心地の向上も図られている。ブレーキは「ハイパフォーマンスブレーキシステム」が標準となっており、標準では鋳鉄製のディスクローターを採用するが、オプションで鋳鉄製とカーボンセラミック製も選択可能。フロントブレーキはどちらのディスクを選んでも専用のブレンボ製8ピストン「Octyma」ブレーキキャリパーが組み合わされ、カラーはイエロー、レッド、カーボンブロンズ、ブラックから選択可能となる。

 こうしてスペックを見ていくとオンロードに特化したモデルのようにも思えるが、最低地上高は210mmに設定されるとともにオフロードモードではアプローチアングル28.9度、デパーチャーアングル27.5度、ランプブレークオーバーアングル25.5度の対地障害角が確保されている。

 価格は2474万円。撮影車両はマットフィニッシュのカーボンブロンズカラー、ブラックのコントラストルーフ、SVカーボンファイバーエクステリアパック、カーボン製ホイール、カーボンセラミックブレーキなど310万8000円分のオプションが装着されており、総額は2784万8000円となっている。

ボディサイズは4970×2047(ミラー収納時)×1814(全長×全幅×全高)mm、ホイールベース2998mm。フロントオーバーハングは897mm、リアオーバーハングは1075mm
フロントグリル周囲もカーボンをあしらう
ボンネット先端のロゴまでカーボンファイバー製
リアのロゴもカーボン。リアワイパーはスポイラー収納タイプ
フェンダーにもカーボンがあしらわれる
こちらもカーボン
テールゲートにSVを示すバッヂが付く
ルーフ上にはシャークフィンアンテナが並ぶ
燃料タンクは90L
デジタルLEDヘッドライトを装着
点灯状態
V型8気筒 4.4リッターツインスクロールターボチャージドガソリンエンジン(MHEV)を搭載。スペックは最高出力467kW(635PS)/6000-7000rpm、最大トルク750Nm/1800-5855rpm。先代モデルに搭載されていたV型8気筒 5.8リッタースーパーチャージドガソリンエンジンより最高出力で60PS、最大トルクで50Nmアップしている
テールパイプにもカーボンのフィニッシャーが付く
タイヤはミシュランのパイロット スポーツ オールシーズン 4。サイズはフロントが285/40R23、リアが305/35R23
フロントカーボンディスクはフロントφ440mm、標準の鋳鉄ディスクだとφ420mm。リアは共通でφ390mm
インテリアはホワイトとブラックのコンビネーション
ステアリングにはSVのロゴ。パドルシフトはクリアタイプ
シンプルなシフトまわり。インテリアにもカーボンの加飾が随所に
フル液晶のメーターパネル
ペダルまわり
フロントシート頭上にはパノラミックルーフの操作スイッチなど。ルーフトリムはスエードクロス
インパネ中央には13.1インチの大型タッチスクリーン。車載インフォテインメントシステムの「Pivi Pro (コネクテッド)」を搭載し、車両やエアコン設定が可能なほかAndroid AutoやApple Car Playに対応する
エアコンは2ゾーンタイプ。リアはセンターコンソール後端に操作パネルを用意
エアコン操作パネル下部にはUSB端子も
フロントシートはヘッドレスト一体型SVパフォーマンスシート。量産車として世界初となる多次元オーディオ体験を提供する「ボディ&ソウルシート(BASS)」が導入されている
SVロゴはほのかに光る
EDITION ONE専用のプレート。こちらもイルミネーション付き
運転席ドア
ドアミラーやパワーウィンドウのスイッチが並ぶ
リアシート
広いラゲッジスペース。レンジローバーらしくサイドまで植毛されている
リアシートは4:2:4の分割可倒式
リアシートを倒せばさらに広いスペースが確保可能