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写真で見る ホンダ「ZR-V」特別仕様車「クロスツーリング」「ブラックスタイル」

2026年3月26日 発売
新たに設定された特別仕様車。左がe:HEV Z 特別仕様車ブラックスタイル。右がe:HEV Z 特別仕様車クロスツーリング

 本田技研工業は3月26日、SUVモデル「ZR-V」の商品改良および特別仕様車の追加を行ない発売した。本稿は発売に先がけて開催された事前説明・撮影会で公開された特別仕様車を撮影した画像を紹介しつつ、ZR-Vの新たな魅力を紹介していこう。

 今回の商品改良では、ガソリンモデルがラインアップから外れて、ハイブリッドモデルのe:HEV(イーエイチイーブイ)のみとなった。その理由はZR-Vの販売状況としてガソリンモデルを選択するユーザーが少数であったことと、今後の電動化の流れを鑑みてとのことだ。

 標準車として設定している「e:HEV X」は装備充実のスタンダードタイプとなり、在来モデルから内外装、機能やデザインの変更はないが、新たにGoogle搭載9インチHonda CONNECTディスプレイオプション(ナビスペシャルパッケージ)が設定された。

 次に上級グレードとなるe:HEV Z。こちらは上質の室内空間と多彩な先進装備を搭載したモデルとなり、装備や機能に変更が加えられている。外装では18インチアルミホイール(ベルリナブラック+切削クリア)装備。内装ではマルーンのインテリアカラーにライトグレーのステッチが入った本革シートとなる。機能面ではGoogle搭載9インチHonda CONNECTディスプレイ+ETC2.0車載器、そしてUSBジャック&チャージャー(Type-C/パワーデリバリー対応タイプ)が前後席に装備される。そのほかにもBOSEプレミアムサウンドシステムや本革巻きステアリングホイール(スムースレザー)も装備している。

 そして新たに追加されたのが「e:HEV Z 特別仕様車 CROSS TOURING(以下、クロスツーリング)」と「e:HEV Z 特別仕様車 BLACK STYLE(以下、ブラックスタイル)」である。

 これらに共通するグランドコンセプトは「凛々しく艶やかなクルマを自在に操る自信と余裕が、あなたらしさを鮮やかに解き放つ」という内容からの「異彩開放」。ユーザーがZR-Vでもっと走りたくなるような気持ちになってほしいとの思いを込めたという。

手前が都会的なクールさを強調したブラックスタイル。ボディカラーがブラックということからの名称ではなく、加飾パーツやアルミホイールのカラー、そして内装色が上質なブラック仕上げになっていることからのネーミング。奥がクロスツーリング。ZR-Vの上質さはそのままでアクティブなイメージを持つ仕上がりになっている

e:HEV Z クロスツーリング/エクステリア

 クロスツーリングには、プロテクターふうのデザインが追加されたバンパーにより、従来のZR-Vにはないアクティブなイメージを持つ車両となっているが、もうひとつ注目してほしいのがフロントグリル。ZR-Vは特徴的なバーチカルデザインのフロントグリルを採用していて、これが都会的なイメージを醸し出していたが、特別仕様車ではこれをハニカム形状へと変更している。

 ボディカラーは撮影車の「デザートベージュ・パール」のほかに「クリスタルブラック・パール」「プラチナホワイト・パール」「メテオロイドグレー・メタリック」「シーベッドブルー・パール」の計5色となる。このうち、メテオロイドグレー・メタリック、シーベッドブルー・パール、デザートベージュ・パールは、ZR-Vでは初の設定となっている。

e:HEV Z 特別仕様車クロスツーリング。ボディカラーはデザートベージュ・パール(ZR-Vでは新色)
e:HEV Z 特別仕様車クロスツーリング。ボディサイド下部にはホンダアクセス製の純正アクセサリー「ボディサイドモール」が追加されている

 ホンダによると、SUV市場は継続して成長が続いていて、その中でもZR-Vは順調に販売台数を積み重ねているという。そして購入したユーザー層を見てみると、これが20歳代~50歳代と幅広く、生活のスタイルも独身、プレファミリー、ファミリー、子離れ層と多岐にわたるものとなっていた。そして、それぞれの年齢層や生活環境によって、ZR-Vに求める価値が少しずつ違っている。

 そんな状況に対してZR-Vの特徴でもあるバーチカルデザインのグリルは好みが別れるとこであった。そこで特別仕様車では、これまでと違うイメージを提供するために、マットグレーメタリックに塗られたハニカムデザインのグリルを採用したのだ。

 ちなみにこのデザインは、ZR-Vの北米仕様車に設定されているものであるが、センサーなどの取り付け位置を日本仕様に合わせるため型を作っている。そのため北米仕様と同一デザインであっても、現地のものをそのまま流用しているわけではない。一見すると手軽なイメージチェンジのように思えるが、実は手の込んだものなのだ。その他、プロテクター感があるデザインのフロントバンパーとリアバンパーも北米仕様がベースとなっている。

クロスツーリング(右)とブラックスタイル(左)。特別仕様車はともにハニカムグリルを採用しているが、バンパー形状は違っている。並べるとその違いも分かる
1つのセルを大きめにした特徴のあるハニカムデザイン。よく見るとセル壁の部分の細かい造形が凝ったものになっている。また、セルを貫くような斜めの柱のような造形を追加することで、セルの目が大きいながら適度な密度感を出している
バンパーサイドのプロテクター形状。これもただプロテクターふうのパーツを追加するだけだと見た目の重さが出てしまうところだが、シャープな造形を盛り込むことで、スッキリとした印象に仕上げている。プロジェクター形状の上部端に設けた矢じりふうの形状や、全体的にエッジ部分を意図的に強調している
専用フロントバンパーガーニッシュ/専用フロントバンパーロアガーニッシュを装備。ロアガーニッシュはシルバー加飾仕上げ
アルミホイールは18インチ。マット、ブラック塗装となる。タイヤサイズは前後とも225/55R18
艶消しブラックのフェンダーアーチモールも装着。これも北米仕様車からの採用パーツとなる。オーバーフェンダーではなく、標準車に装着している塗装済みアーチモールとの付け替えになっている
サイド下部には専用サイドロアガーニッシュが標準装着。その上にある黒いプレートは、純正アクセサリーの「ボディサイドモール」。カラーはブラック。フロント・リア用左右4枚セットで価格は3万8500円
リアバンパーもフロントに合わせたデザイン

e:HEV Zクロスツーリング/インテリア

 e:HEV Zクロスツーリングの内装色は、明るい系の「グレージュ」となり、シートは形状や機能に変更はないが、素材をグレージュの本革として、ステッチにオレンジ色を差し色として使っているのが特徴。グレージュとオレンジはともに明るめの色であるが、グレージュ単色より印象の違う明るさが入ることで、ワントーンのときより引き締まった明るさとなっている。また、クルマのシートという機能性が重要なパーツに対して、立体感を持たせることでサポート性のよさなども感じさせる効果もある。

 ステアリングは黒い本革でシートに合わせてオレンジ色のステッチを採用。適度な柔らかさを感じる握り心地であり、滑りにくさもある。これらの作りによりインテリアは上質ながら明るさが追加された空間となった。

 また、e:HEV ZがベースなのでGoogle搭載9インチHonda CONNECTディスプレイ+ETC2.0車載器を搭載。さらにUSBジャック&チャージャーは前席、後席ともにType-C/パワーデリバリー対応タイプとなっている。

クロスツーリングの前席。内装色はグレージュ、明るい色である。シートは本革でオレンジ色のステッチが入る
助手席側
シートをアップにするとステッチの様子が分かる。明るい革に明るい差し色を使うことで、イメージを壊さず、単色のときに起こりがちなペタっとなる印象を防いでいる
後席。シートの機能は在来車と変わりがない
足下の様子。前席は標準的な位置に合わせてあるが、十分な広さを確保している
インパネまわり。ダッシュボードやセンターコンソールは内装色のソフトパッド仕上げ。樹脂ではなく、ソフトな素材を使うことで見た目や触感に上質さが感じられる
ステアリングまわり。本革巻きで握り心地がいい
マットな仕上げの本革にオレンジ色のステッチが入ることでスポーティなイメージ
Google搭載9インチHonda CONNECTディスプレイを搭載。常に最新のGoogleアプリ/サービスに自動的にアップデートされる。セキュリティパッチ更新は年4回行なわれる。Google マップ、Google play、Googleアシスタントが使用できる
USBジャック&チャージャーはType-C/パワーデリバリー対応タイプ。後席にも装備される

e:HEV Zブラックスタイル/エクステリア

 e:HEV Zベースの特別仕様車ブラックスタイルは、2023年10月にも設定されていて、2024年夏にも発売されていた。そして今回のモデルは3度目の登場となる。

 ブラックスタイルにも2WD(FF)、4WDともに設定されていて、新たな装備はハニカムパターンのフロントグリル。デザインはクロスツーリングと同じだが、ブラックスタイルは塗装がベルリナブラックとなるので、造形の複雑さが少し整理されてスッキリした印象にも仕上がっている。このハニカムデザインのグリルは、バーチカルデザインのグリルよりも、デザイン的な主張が抑えられているものだが、ブラックスタイルのグリルはさらに抑え目になっている。その他、外観ではシャークフィンアンテナ&テールゲートスポイラーが装着されている。

 アルミホイールは18インチで、デザインは10本スポークタイプ。仕上げは表面が切削クリアでスポークのサイドおよびリムがベルリナブラックとなっている。

 撮影車のボディカラーは、ZR-V初採用の「メテオロイドグレー・メタリック」で、グレーといってもくすんだイメージはなく、むしろ光のあたり具合で色の印象が変わるもので、まわりの風景がくっきりと映り込むことで面の張りやキャラクターラインなど、ボディ造形がよく分かる色。ほかに設定されているボディカラーは、「トワイライトミストブラック・パール(ZR-V初)」「クリスタルブラック・パール」「プラチナホワイト・パール」「プレミアムクリスタルガーネット・メタリック」の全5色となっている。

ブラックスタイル。ボディカラーはZR-Vでは初設定となる「メテオロイドグレー・メタリック」。光の当たり方でイメージが変わる
ブラックスタイルのリアビュー。ルーフにはシャークフィンアンテナとテールゲートスポイラーが装備される
ハニカムパターンのフロントグリル。ベルリナブラック塗装なので、クロスツーリングよりもスッキリした印象となる
別の角度から見ると、バーチカルグリルのときより目線がグリルに集中しないので、一見したときのフロントまわり全体の造形がつかみやすくなった
ドアミラーはクリスタルブラック・パール塗装。ドアのアウターハンドルも同じく、クリスタルブラック・パール塗装
標準車と同じ仕上げのフェンダーチモール。艶ありの塗装なので本来のZR-Vらしい都会派のイメージ
18インチアルミホイール(フロント)
18インチアルミホイール(リア)
アルミホイールは切削クリアで中面がベルリナブラック仕上げ
撮影車のエンブレムは、純正アクセサリーの「ブラックエンブレム」が装着されていた。ブラックエンブレムはHマーク×2枚と車名エンブレムのセットで価格は1万7600円。ほかに「e:HEV」のブラックエンブレムもあり、価格は5500円

e:HEV Zブラックスタイル/インテリア

 インテリアは新たにコンピシート(プライムスムース×ウルトラスエード)のシートを採用。これは体が触れる面をスエードにすることで、全面が滑りやすい本革よりもホールド性が向上している。そのためカーブが多いルートでのドライブではこちらのシートの方が疲れにくいかもしれない。また、スエード独特の質感と本革の質感が同居することで、独特の上質さを感じさせるものとなった。

 さらにブラックスタイルは、ピラーとルーフライニングを含めてブラック仕様になるので、インテリア全体がよりシックな印象になる。明るめな内装色のクロスツーリングとは対照的なものになっている。

ブラックスタイルのインパネまわり
ステアリング周辺。こちらは標準車から変更はない
Google搭載9インチHonda CONNECTディスプレイ。USBジャック&チャージャーは前席、後席ともにType-C/パワーデリバリー対応タイプ
前席。ダッシュパネルは内装色に合わせたソフトパッドが貼られる
シート生地はプライススムース×ウルトラスエードのコンビとなる
後席。USBジャック&チャージャー Type-C/パワーデリバリー対応タイプは前席の間のコンソールに装備される
ピラーとルーフライニングはブラック。ここは歴代ブラックスタイルの特徴

エンジンや駆動系について

 今回のモデルから、ガソリンエンジン仕様がラインアップから外され、すべてe:HEVとなった。エンジンは従来と同じ直列4気筒2.0リッター直噴エンジンと2モーターハイブリッドシステムとの組み合わせ。エンジン側の最高出力は104kW(141PS)/6000rpm。最大トルクは182Nm/4500rpm。モーター側の最高出力は135kW(184PS)/5000-6000rpm。最大トルクは315Nm/0-2000rpmとなっている。

 ZR-Vのe:HEVは「EVモード」「ハイブリッドモード」「エンジンモード」の3つの走行モードがあり、これらを自動で切り替えてモーターとエンジンをうまく使い分けるシステムとなっている。

 駆動方式も従来と同じ2WD(FF)と4WDで、4WDはリアルタイムAWDで4輪駆動を基本に走行状態に応じて先手を打つように前後の動力配分を決め、細かく最適に調整するものとなっている。その結果、雪道など滑りやすい。路面では安定感や安心感が向上。ドライの路面に変わったときは軽快かつ安定した走りを実現する。さらに走行状態から4WDである必要が少ないと判断した場合は、リアへの駆動を減らして、走行性能と燃費性能を両立させるというものだ。

ユーザー層を分析し、求められている部分の強化を行なった結果e:HEVオンリーになったZR-V。特別仕様車の設定やボディカラーのラインアップの拡充、それに新デザインのグリルの採用など改良が行なわれた