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2016年のWEC第3戦 ル・マン24時間レースフォトギャラリー

2016年6月18日~19日(現地時間)開催

 最後に大どんでん返しのあった今年の「FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦 ル・マン24時間レース」。

 誰もがトヨタの優勝を疑わなかった。勝ったポルシェにしても同じ想いだったに違いない。それは優勝したポルシェ 919ハイブリッド(2号車)がピット前を通過したにもかかわらず、そこにはクラス優勝を喜ぶフォードのスタッフが陣取り、ポルシェのチームスタッフの姿が見られなかったことからも分かる。

 2015年に圧倒的なスピードを見せつけたポルシェに対し、トヨタ、アウディは蓄電システムをリチウムイオンバッテリーに変更してきた。バッテリーの開発が進み、もっとも効率のいいものがポルシェによって証明されたのが昨年のレースだった。これにより、すべてのメーカーが同じバッテリーシステムを採用することとなったわけだが、アウディは1スティントで12周以上を走り切ることはできなかった。これに対し、ポルシェは昨年同様に13周、トヨタにいたっては14周を走った。

 トヨタはポルシェやアウディと同じタイムで走っても、最後はピットストップ2回分のアドバンテージを持っていたことになる。このアドバンテージを終盤まで維持していたが、何の前触れもなくエンジンが不調となりレースを失ってしまった。トヨタ TS050 ハイブリッド(5号車)は完走すら認められない残念な結果となった。

 今年のトヨタはなんとしても優勝しなければならなかった。なぜなら燃費のよさをはっきりと見せつけてしまったからだ。燃費のよさという隠し球を持って臨んだ今年のル・マン。勝負には敗れたものの、マシン開発という意味では圧勝といってよいマシンに仕上がっていた。トラブルさえ出なければ、改めてレースの厳しさを知った今回のル・マン24時間レースだった。

 本稿では、そんな今回のル・マン24時間レースを写真で振り返りたい。

Photo:中野英幸