トピック
500kg以上の重りをリムに落下!? マルカサービスのアルミホイール強度耐久試験現場に潜入してみた
安全・安心を追求するために設けられた独自の試験基準「MIDスペック」とは
- 提供:
- マルカサービス株式会社
2021年4月5日 00:00
独自の品質管理体制を備えるマルカサービス
世界各国の工業力が高まっている現在、いいものは世界中にあるが高品質と言えばやはり日本製である。そしてその日本製というと日本国内で製造する、いわゆるメイドインジャパンのイメージも強いが、いまは生産拠点を海外に置きつつ、品質に関わる部分を日本で管理する形態を取るところも多くなっているので、日本製品は「らしさ」を維持したまま生産体制のグローバル化が進んでいる状況だ。
さて、ここで紹介する日本のアルミホイールメーカー「マルカサービス」も海外に生産拠点を置く企業だ。
そもそも日本で販売されているアルミホイールのほとんどは海外工場で製造されているので、マルカサービスの体制は業界的には一般的なものなのだが、大きく違う点もある。それがマルカサービスが展開している「Maruka Intelligent Design(略称MID)」ブランドにおける品質管理の体制だ。
マルカサービスでは海外の生産拠点で作る製品であっても「デザイン」「設計」そして「品質管理」に関わる項目を日本で行なう。そして安全基準試験を現地での実施に加えて、日本へ納入されたあと日本国内の施設に設置している機材を使用して再試験を行なうという体制を敷くことで、オール日本生産の製品と比べて、まったく引けを取らない安全と安心が確実に確保できるホイールの生産を行なえるようにしているのだ。
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JWLより検査条件を厳しくした「MIDスペック」とは
アルミホイールには自動車用軽合金製ディスクホイールの技術基準の「JWL(JAPAN LIGHT ALLOY WHEELの略)」という規格がある。これは国土交通省が定めたもので、JAWAなどの業界団体ではこの規格に合致するものを公道走行をするクルマに向けた市販用と定めていて、規格に適合するホイールには「JWL」の刻印が入る。そしてこのJWLの試験はホイールを製造するメーカーが、規定の試験内容に沿って自社にて行なうものとなっている。
さらに試験結果が本当に基準にあったものかどうかを確認するため、第三者機関である「自動車用軽合金製ホイール試験協議会」による品質検査もあり、こちらの検査に合格したホイールには「VIA」の刻印が追加される。
このように日本で販売されるアルミホイールには2段構えの安全基準体制があるのだが、現在はボディが大きく重くなっていたり、パワーやトルクの大きいエンジンや大型モーターを搭載するEVなどクルマがどんどん変わってきたりしている時代なので、安全性には「余力」が欲しいところ。そこで前記したように、マルカサービスでは国土交通省が定めているJWLの試験内容に対してより厳しい条件を課した自社基準「MIDスペック」を設定し、製品はすべてこの基準をクリアするよう製造しているという。
今回はMIDホイールの技術基準を検査している試験場にて、実際に使用している試験機材を見ることができた。これらの機材はホイールメーカー内でも立ち入りの制限が厳しいところにあるので、ホイールメーカー取材であってもなかなか見られないもの。それだけにこの機会にどんなものが使われているのか、じっくりとご覧いただきたい。
500kg以上の重りをリムへ落とす「衝撃試験」
検査項目は3つあるのでまずは衝撃試験から紹介しよう。この試験は走行中に段差、縁石などの突起物や質量のある落下物などに乗り上げたり、接触したりした際の衝撃に対してホイールが耐えるかどうかを確認するもので、方法は水平の状態から13度の角度を付けてセットされたホイールに重りを落とすというもの。
JWLの試験では、斜めにセットされたホイールの頂点側に9インチの高さから重りを自由落下させて破損状況を調べるが、「MIDスペック」では同様のセット法で10インチの高さから落とすようにしている。
なお、リム部には必ず空気を入れるためのバルブを付ける穴が開いているが、強度的に見るとここは穴のない箇所とは条件が違う。そこで、バルブ部に頂点を合わせた試験と、バルブ穴のない部分を頂点に合わせた試験の2回を行なっている。ちなみに、試験機に掛けられていたのはMIDの「RMP-820F」で、セットされている重りはなんと594kg!という重量。
コーナリング時の曲げモーメントへの耐久性を測る「回転曲げ疲労試験」
こちらは、ホイールに対して横方向から加わる負荷を想定した疲労試験を行なうもの。実際の走行状態で言えば、コーナリング時にホイールが受けている曲げモーメントに対しての耐久性をチェックしている。
回転曲げ疲労試験機には試験ホイールがセットされていなかったが、画像の機材を見るとベースの部分にタイヤチェンジャーにあるようなツメが付いているが分かるだろう。これでリムをガッチリと固定して、上から伸びている車軸の代わりになるシャフトの先端にあるフランジとホイールを結合。そしてシャフトの角度を付けつつ回転させることでホイールに曲げモーメントを加えるというもの。
JWLの試験ではこの回転曲げ疲労試験は10万回転で行なうように定めているが「MIDスペック」ではJWLと比較して2割アップとなる12万回転で試験を行なっている。
大型ローラーを使用して耐久性を確認する「半径方向負荷耐久試験」
半径方向負荷耐久試験でも新品のホイールで試験を実施するが、この試験では履かせるタイヤサイズの指定が他の試験と異なるので、試験機にかける前は半径方向負荷耐久試験用サイズのタイヤへの交換作業が必要となる。
試験の方法は回転する大型のローラーを路面と見立てて、そこにクルマの荷重を想定した力でタイヤを組んだ試験ホイールを押しつけてローラーと一緒に回転させるというもの。
JWLではこの試験を50万回転で行なっているが、「MIDスペック」ではその基準をさらに上まわる60万回転で行なっているため、ホイールにとってはかなり厳しいものになっている。でも、こうした試験を行なっているからこそ「安心、安全」を謳えるのである。
このような厳しい試験をクリアしてマルカサービスのホイールは製造される。MIDブランドのホイールは全国の有名ショップなどで販売されており、今回撮影させていただいた「タイヤ館 大船」では、販売コーナーの一角がすべてマルカサービスのホイールとなっていた。このように、全国にMIDディスプレイショップが認定され、MIDブランドのホイールを間近に見ることもできる。全国にあるMIDディスプレイショップは公式サイトでも案内されているので、気になった方がいればぜひお近くの店舗に足を運んでいただきたい。