トピック

岡本幸一郎のグッドイヤーの新ミニバン専用タイヤ「EfficientGrip RVF02」がもたらす価値とは?

ドライバーは楽しく、同乗者は快適なRVF02を高速道路やワインディングで試した

グッドイヤーの新ミニバン専用タイヤ「EfficentGrip RVF02」を「セレナ」「シエンタ」で試してみた

ミニバン専用タイヤを選ぶ価値を探る

 車内空間が広く使い勝手に優れるミニバンの人気は依然として高く、新車販売の3割強を占めている。そこに向けて、グッドイヤーから新しいミニバン専用タイヤ「EfficentGrip RVF02(以下「RVF02」)」が発売されたので、MクラスとSクラスミニバンのベストセラーである「セレナ」と「シエンタ」に装着して高速道路やワインディングを走り、専用タイヤを選ぶ価値を探ってみた。

 便利に使える半面、重心が高くてフラつきやすく、横風の影響を受けやすいなど、ミニバンは走りにおいて不利な面が多々ある。そんなミニバンの特性に合わせた性能を与えつつ、より静粛性やロングライフ性能を向上させ、快適な走りが長く続くようにしたのがRVF02のポイントだ。

 Mクラスミニバンの代表的存在であるセレナは、トレッドが狭いわりに重心高が高いため、見るからに挙動が乱れやすそう。かたやSクラスミニバンのシエンタはコンパクトワゴンのプラスアルファのようなクルマ。それぞれRVF02を履かせるとどうなるのか、興味深いところだ。

今回試したのは3月1日に発売されたミニバン専用タイヤ「EfficientGrip RVF02」。車高の高さに由来する横揺れの軽減と車内の静粛性を高め、快適性の向上を図っているのが特徴。155/65R13~245/35R20の全40サイズをラインアップし、ラベリング制度での転がり抵抗性能は全サイズでAA、ウェットグリップ性能はサイズによってbまたはc
大きさが異なる5つのショルダーブロックの配列を最適化し、ピッチ数を増やしてランダムに配置することで路面からのピッチ音(叩き音)を分散。パターンノイズは従来の「EAGLE RV-F」比で14%低減した。また、ガタつきのあった接地形状が滑らかになるよう最適化したことで路面からの衝撃が緩和され、静粛性が向上。ロードノイズはEAGLE RV-F比で9%低減している。なお、RVF02のサイド部では製品名を小さくレイアウトし、GOODYEARロゴを大きくレイアウトする新デザインを採用

ドライバーは楽しく、同乗者は快適

 まず、両車ともドライブした第一印象としては、かなりしっかりとしていることを直感した。ステアリングにドッシリとした手応えがあり、グリップ感も高く、ガチッと骨太な感覚があって、Gがかかってもロールが小さい。しかもセレナに履かせたのは15インチなのに、16インチかと思ったくらいの剛性感があった。それぐらいしっかりしているのに、コンフォート性も高いというニュアンスだ。

 一方のシエンタは、もともとの車両重量が軽い上に重心も低く、乗った感じもミニバンぽくないところにこのタイヤを付けると、セレナでも感じたしっかり感に加えて、キビキビと小気味のよいスポーツタイヤのような感覚となる。

 ちょっと攻めた走りを試しても、両車とも舵がよく効いてねばり腰のグリップを示すのは、接地性が高く剛性がしっかりしているからにほかならない。スッと曲がり、その舵角を維持できて修正をあまり要しない。ツイスティなコーナーが連なる場所でも揺り戻しが小さく、素早く収束するので無駄な動きがない。思ったよりも小舵角で曲がれるように感じられたのは、前後バランスがそのようにチューニングされているからだろう。

 いずれも共通して感じたのは、ハンドリングが素直で応答遅れも小さいのだが、中立からの動き出しがマイルドなことだ。それはおそらく、動きにカドを作らないよう配慮してのことと思う。もっと俊敏にヨーを立ち上げることもできただろうが、それでは運転者は楽しくても同乗者が不快な思いをするかもしれない。そうならないことを重視して、このような味付けにされているに違いない。

 また、取材日の天候は快晴に恵まれたものの、日陰にはまだ路面の濡れた箇所が多々あったにもかかわらず、外側に膨らむことなく思い描いたラインを維持して走れたあたりからは、ウェットグリップが高そうな雰囲気もうかがえた。

 セレナでは多人数乗車想定でどうなるのかも試してみたところ、物理の法則のとおりサスペンションが沈む分、コツコツが増えたり操舵に対する反応がやや遅くなったりするのは当然として、1人乗車のときと同じようにしっかりした感覚があるのは変わらず。十分に剛性が確保されていて腰砕けになることもなく、揺り返しも起こりにくくて素早く収まるので、ドライバーはあまりストレスを感じずにすむ。

セレナの試乗では重量級編集担当者2名+タイヤ&ホイールセットなどを搭載し、1名乗車時から+約300kg増加した状態でも比較。多人数乗車時を想定してどのような動きを見せるのかも試してみた

 次いで2列目に乗ってみたところ、1列目でも感じた印象のよさはそのまま。車速抑制のために設けられたパンプや段差を乗り越えたときの衝撃も小さく、横方向の動きも穏やかで、乗り心地は申し分なし。よく1列目がよくても2列目に乗ると期待外れなこともあるのだが、ぜんぜんそんなことはなかった。キャッチコピーの「しあわせ家族の、足元に。」への期待には十分すぎるほど応えている。

「2列目でもRVF02の価値を体感できる」と筆者

全方位バランスに優れるミニバン専用タイヤ

シエンタではエコタイヤ「EG02」との乗り比べも

 シエンタでは、同じグッドイヤーのエコタイヤ「EG02」と少しだけ乗り比べることもできた。トレッドを見るとIN側は似ているが、OUT側のブロックが圧倒的に大きいことが分かる。さらにはショルダーの形状もぜんぜん違って、同じ185サイズには見えないほど。接地形状はぜんぜん違うはずで、これがドライブフィールの違いに直結していたようだ。

 RVF02はしなやかな中にも幅広でサイドの薄いタイヤのようなガチッとした感覚があり、絶対的なグリップも別物で、スキール音が鳴り出す次元が違う。高速でWレーンチェンジしたときのロールや揺り返しもぜんぜん違う。また、セレナを単独でドライブしたときもそう感じたが、ロードノイズ、パターンノイズとも抑えられていて圧倒的に静かだ。

しっかりしたグリップ力が感じられることに加え、静粛性にも優れるRVF02はミニバンオーナー一見の価値あり

 むろん、EG02もエコタイヤとしてのバランスはとれていて、動きが自然で乗り心地もよく、段差を通過したときのインパクトノイズも小さいという強みはある。それを基準にすると、シエンタにはRVF02はよい意味でオーバークオリティといえなくもないほどだが、そのオーバークオリティ感を1人で乗るときには走る楽しさとして味わうことができることだし、シエンタゆえ多人数を乗せて走ることを考えると、装着する意義は十分ある。

 同乗者を大切にしたいファミリー層にはもちろん、ドライバーにとってもクルマがフラつかないよう無駄に気を使わずにすみ、しっかりしているので運転を楽しめてしまうという点でも、RVF02を履くメリットは大きいように思えた。いろいろな要素を兼ね備えた、全方位バランスに優れるミニバン専用タイヤとして実に万能な存在に違いない。