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ステップワゴン Modulo Xをツインリンクもてぎで体感した「Feel Modulo X 2016」レポート(後編・クローズドコース)

マイカーとステップワゴン Modulo Xをクローズドコースで乗り比べ

2016年12月10日 開催

 ホンダアクセスは、10月21日に発売された「ステップワゴン Modulo X」の魅力をユーザーに体感してもらうための説明・試乗会「Feel Modulo X 2016」を、12月10日に栃木県茂木町にあるツインリンクもてぎにて開催した。

 この催しは事前にCar Watchで告知、参加募集を行なった。ステップワゴン自体がファミリー層を意識したクルマであることから、今回は1人ではなく家族で参加することが条件となっていた。

 応募総数は85件と非常に盛況だったところからも、ステップワゴン Modulo Xに興味を持つ人が多いことが分かる。そして抽選の結果、8組のご家族が当選。当日は1組が欠席となったため7組での開催となった。

 まずはステップワゴン Modulo Xについて。詳細や試乗レポートはCar Watchの記事にて紹介しているが、試乗の前にツインリンクもてぎ内にあるホテルツインリンクにて参加者へ車両に関する説明会も行なわれたので、その模様を通じて改めてステップワゴン Modulo Xについて紹介していく。

株式会社ホンダアクセス 広報の石井裕氏。よくできたベース車に対して、面白みを追加したステップワゴン Modulo Xをぜひ楽しんでほしいという挨拶があった

 Feel Modulo X 2016はホンダアクセス 広報の石井裕氏の挨拶から始まった。石井氏はまず、国産車と輸入車に対するイメージの違いを参加車に問いかけた。そして「国産車はとても優等生ですが、真面目であるぶん面白みという部分は抑えているという印象です。それに対してModulo Xはちょっと違うというか、走り、デザイン、高級感などにこだわり、ベース車に対してさらなる魅力を追加しています。そこについてはこのあと弊社のスタッフから詳しい説明を行ないます。そしてその後、実車で走りを体感して頂きます。聞いて乗って感じることはいろいろあると思いますので、この会ではステップワゴン Modulo Xに対する皆さまの率直なご感想を聞かせて頂ければと思っています」とコメントをした。

ステップワゴン Modulo X 開発責任者の小椋栄治氏

 ステップワゴン Modulo Xの説明を行なうのは開発責任者の小椋栄治氏だ。「このクルマは2016年の東京オートサロンでステップワゴン Moduloコンセプトとして展示を行ないました。そのときもお客様から発売についての質問を多く頂いていました。でも、その頃は発売も含めてどうなるか決まっていない状況でしたが、皆さまに注目をして頂いたことで発売されることが決まり、さらに今日という機会を設けることができました。発売に向けての後押しをして下さった皆さまには本当に感謝しています」という感謝の言葉のあと、車両の説明が行なわれた。

 まずは「Modulo Xとはなにか?」についてから。「Modulo Xはホンダのクルマを知り尽くしたエンジニアが、巧の技を用いて上質に熟成させている純正コンプリートカーのことです。これまではModuloが培ってきたノウハウを投入した純正アクセサリーパーツをお届けするということでしたが、装着に掛かる工賃であるとか、外した部品の処理などのユーザー負担が発生します。そこでより効率よくカスタマイズを行なうためModuloパーツを組み込み済みの純正コンプリートカーを作り出しました。第1弾は2013年1月に発売したN-BOX Modulo X、第2弾がN-ONE Modulo X、そして第3弾としてステップワゴン Modulo Xを製作致しました」というように、クルマの魅力を高めるだけでなく、カスタマイズを楽しみたいと思うユーザーの負担を軽減する意味も含んでいることが語られた。

 なお、ステップワゴン Modulo Xはホンダとの協力体制も今までより深いものとし、チームホンダとして開発を行なったとのこと。それだけに従来のModulo Xと販売法が異なり、ラインアップとして車両カタログに掲載されているクルマとなっている。

Modulo Xについての説明。トータルバランスのよさを求めただけでなく、パーツ装着に掛かる費用や外したパーツの扱いまで含めて効率化できる

 続けてコンセプトについて。「もともとステップワゴンはターボエンジン搭載による走りのよさと、ミニバン初となるホンダセンシング搭載、さらにはわくわくゲートと言われる特徴的なリアゲートなど、非常に完成度の高いクルマになっています。そんなステップワゴンを走りとデザインの両面からModuloの味つけでさらに磨き上げたのがステップワゴン Modulo Xです」「ドーンとひと目でModulo Xだと分かるフロントデザインに、2列目、3列目といったシートに座ったときでも乗り心地がよいと感じることができ、ロングツーリングでも疲れない上質感といったところを大事にしていきたいと思いながら作りました」とのこと。

 そのコンセプトに対して行なってきたこととして「特徴的なことでは空力性能があります。ミニバンは前面が大きく空力的には非常に不利な条件です。そこでローダウンを行なったうえで大口径のグリルを持ったフロントバンパーや空気の流れを考慮したエンジンアンダーカバーを装備しました。これらによりフロントから風を積極的に取り込んで車体の下側へ流す作りにしています。さらにはエアロバンパー下部に付いているエアロフィンとリアバンパーのディフューザーで車体下部を流れる風の整流。乗用域から高速域までをカバーする空気に流れを利用した直進安定性能を生み出しました」と語り、続けて「試験についてはいくつかのテストコースにて直進安定性の向上や、例えばトンネルから出たときの風に振られるようなことを含む外乱感受性を検証と改善、さらには乗り心地のよさについても検証しました」と解説した。試乗時のチェックポイントとして「乗る人の頭のブレが非常に抑えられているといったところも意識してもらえれば」とのことだった。

ステップワゴン Modulo X開発におけるコンセプト。ポイントになるのが空力ということだった
走行性能を高めるため、サスペンションにはとくに凝っている。直進安定性に加え、路面が荒れていても衝撃をスムーズにいなし、路面追従性がいいストローク感も持ち、それでいてコーナリングも強い乗り味とする設定だ

 続いてデザインについての説明があった。「エクステリアパーツに関してはデザインのためのデザインではなく、デザイナー、設計者、サスペンション開発者がテストコースに集まり、先に説明したとおり走りの質を高めることを目的に作りあげたものです。ルックスに関しては車名にもあるXをモチーフにしたラインを取り入れています」とのこと。このほかの車体と特徴については写真で見てほしい。

 小椋氏からは「ミニバンに走りのよさは必要ないのではないかと言われることもありますが、安定した走りというものがすべての安心を生み、ドライバーの疲れの軽減にもなります。そしてその疲れの軽減が安全運転に繋がるものだと考えています。安全を作る走り、そういうものを目指してやってまいりました。いまの交通事故のいちばんの原因は漫然運転とのことです。そして疲れからくる集中力の低下が漫然運転に繋がると思うので、疲れにくいクルマを作ることはセンシング技術と同様に追求すべき点だと考えてます」ということだった。

エアロはデザイナーだけで考えたものではなく、クルマの設計者、サスペンション開発者がテストコースに集まって協議しながら作ったという。アルミホイールはModuloスポーツ系のホイールに使われるコンセプトである「ソード(剣)」をイメージしたデザイン。17インチとなっている

 インテリアについては大人のスポーティをイメージした。とくにドライバーが触れる部分について専用の本革仕様にするなどのこだわりを盛り込んでいる。また、ドライブレコーダー、ETC2.0、9インチプレミアムナビなど、人気のオプションパーツも最初から組み込んだ仕様になっていた。ここも購入時のユーザー負担を減らす理由を持つ部分だ。カラーバリエーションは、ステップワゴン スパーダでも人気の高い「ホワイトオーキッドパール」「プレミアムスパークルブラック・パール」「プレミアムスパイスパープル・パール」の3色を設定している。

ステップワゴンスパーダとの違いを表したもの。引き出しで説明されているのがステップワゴン Modulo X専用に用意されたアイテムだ。ボディカラーはスパーダで人気の3色を設定

 続いて登場したのは商品企画、担当である三重野祐介氏。「私はお客様からどういった声を頂けているかを調べて、そのご意見を次の開発に生かすためにまとめる立場にいます。本日は取材も多く入っているので、ステップワゴン Modulo Xについていいことを言わなければ、と考えてしまうかもしれませんが、無理にいいことを言う必要はありません。体感して頂いて思ったことを遠慮なく言って頂きたいと思っています。いいものはいい、わるいものはわるいという意見を頂けたら、私はそれを次に生かせるようにしていきます。ですので、評価しなければと身構えすぎて楽しむ暇がなかったとならず、いつもどおり乗って頂けたらなと思います」と、試乗時間が近づいてきて緊張があったかもしれない参加者の気持ちをほぐすコメントを語った。

ステップワゴン Modulo X 商品企画、担当である三重野祐介氏。三重野氏はユーザーの声を開発現場に届ける仕事している。それだけに「いいことだけでなく、気に入らない点もどんどん聞かせて頂きたい」と言っていた
いよいよ第2アクティブセーフティトレーニングパークでの試乗がはじまる。コース脇には4台のステップワゴン Modulo Xが用意された

 Feel Modulo X 2016の参加者は、このあと少し早めの昼食をホテルツインリンク内にあるレストラン「マルシェラン」にて取ったあと、いよいよ試乗開始。今回の試乗はツインリンクもてぎ内にある「第2アクティブセーフティトレーニングパーク」というクローズドコースでの試乗に加え、ツインリンクもてぎ周辺の一般道を走行するメニューも組み込まれている。そのため参加者はAとBの2グループに分かれ、Aグループが第2アクティブセーフティトレーニングパークを走行時は、Bグループが一般道での試乗。その後、入れ替えという方法が取られた。この記事ではツインリンクもてぎ内の第2アクティブセーフティトレーニングパークでの試乗について紹介する。

 第2アクティブセーフティパークでの試乗コースは1周1.3kmで設定。各種カーブのほか、ストレート部分をパイロンで規制し、レーンチェンジを模した切り込みが行なえるようなレイアウトになっている。クローズドコースなので制限速度の決まりはないが、安全のため60km/hあたりを上限としていた。

 まず、完熟走行の意味を込めてホンダアクセスのスタッフがドライブするステップワゴン Modulo Xに同乗し2周する。その後、1度待機所に戻り、座る位置を変えるなりしてもう2周同乗試乗を行なう。

 次にツインリンクもてぎまで乗ってきた自分のクルマでコースイン。ステップワゴン Modulo Xが先導してコースを2周し、自分のクルマで今回のコースを走ったときのフィーリングを体感。それからいよいよ自分でステップワゴン Modulo Xのステアリングを握り試乗となる。

 ちなみに今回の試乗メニューはすべて同行の家族の同乗はOK。家族みんなでステップワゴン Modulo Xを体感してもらうという試みだ。第2アクティブセーフティトレーニングパークはレーシングコースではないが、サーキット内のクローズドコースで同乗走行ができる機会は滅多にないものなので、ここでの試乗自体、貴重な体験と言えるだろう。

クローズドコースでの試乗は第2アクティブセーフティトレーニングパークで行なった。ここはコースレイアウトがいろいろ組めるが、今回は1周1.3kmに設定。コースを2周するが、1周はストレートの1部にはパイロンでレーンを作成し、レーンチェンジが体感できるようになっているルートを通るので、それぞれの周回で違う挙動が試せるようになっている
試乗の始発点には待機所としてテントが張られていた。試乗を前にホンダアクセスの石井氏より試乗方法などがアナウンスされた。自分で走る前にはスタッフがドライブするステップワゴン Modulo Xに同乗してコース見学と運転席以外のシートでの試乗を体験。これは2周回ったあといったん停車し、乗車位置を変えてもう2周回るという設定。試乗が始まると運転席しか体験できないお父さんチームにとってはこの試乗法も好評だった

 それでは、ここからはFeel Modulo X 2016に参加したファミリーのコメントを紹介していこう。参加した皆さんは普段は自動車の評価など行なっていないし、試乗時間もコース2周で約4分というところだけに感じ取ることは大変だったと思うが、それぞれしっかりと自分なりの印象を持っていた。ステップワゴン Modulo Xの購入を検討されている方はぜひ参考にして頂きたい。

スバル フォレスターに乗る萩原さんご夫婦

 スバル(富士重工業)フォレスターに乗る萩原さんは「ミニバンって思ったよりいいなという印象でした。自分のなかではミニバンはシート高が高いので、カーブでロールした際に頭の位置が大きく傾き、それに伴って視線もずいぶん動くことが怖いなと思っていましたが、ステップワゴン Modulo Xはそんなに振られないので安心して運転できると感じました。今乗っているのはフォレスターで、SUVのなかでも背が低く安定感の高さがあるクルマですが、それと比べてもほぼ同じ感覚で運転できたことはすごいなと思いました」とのこと。

萩原さんご夫婦(所有車:スバル フォレスター)

 ちなみに萩原さんは、現在のフォレスターの前はインプレッサ WRXとこれまた運動性が高いクルマに乗っていただけに、クルマの動きについては厳しい目を持っているようだった。

 では、助手席に乗っていた奥さまの感想はどうだったかというと「カーブで振られなくて滑らかに走っていくことは隣でも感じられました。あと内装についてですが、今のクルマと比べても内装を楽しむという要素がもっとあってもよいかなと思いました」と女性らしいコメントが語られた。そして運転をした萩原さんは最後に「ここまで安定感があるのなら、今までミニバンに乗らなかった理由は当てはまらないと感じました」と語った。

神奈川県 萩原さんファミリー
日産 セレナに乗る小野さん。奥さまとふたりのお子さんのご家族で参加

 日産自動車 セレナに乗る小野さんは「足まわりはもっとゴツゴツするかと思ってましたが、スムーズで安定感が高く、全然ロールしないのがよかったです。せっかくの機会なのでダメ出しするところも見つけようと思ったのですが、そういうところは見つかりませんでした。エンジンのレスポンスもいいし、コーナリングだけでなくブレーキの効き具合もすごくよかったです。同乗した家族からはクルマ酔いをしにくいと思う、という言葉も出ています。説明で長距離を乗っても疲れにくいとありましたが、そんな感じです。ミニバンというより乗用車、それも高級車という印象でした」とのこと。

小野さんご一家(所有車:日産 セレナ)

 奥さまからは「ハンドルを切ってもブレ感があまりなかったので安心して乗っていられます。あと、加速のとき、今のクルマだとワッという加速を感じるのですが、そこがすごくスムーズで乗りやすいなと思いました」。そして「ミラーの位置や窓からの見晴らしもよいのでそこも運転しやすいと感じました」とのこと。

 2列目シートについてはご主人からも「足下が広いのとコーナーで身体が横にずれにくいので、長距離乗っても疲れにくいのでは」というコメントが出た。普段から2列目シートに乗る娘さんからは「なかが広いし、いつものクルマだと揺れやすくて疲れることもありましたけど、これはそんなこともないので遠いところに行っても大丈夫かなと思いました」という意見で、息子さんも「乗っていてもあまり疲れなかった」とのことだった。このように基本的には好印象なクルマだったが、奥さまからは「ただ、値段を聞くとビックリしちゃいますね」と家計を預かる主婦としての厳しい意見も出た。

千葉県 小野さんファミリー
前のモデルのステップワゴンに乗る日高さん。ご夫婦で参加

 前モデルのステップワゴンに乗る日高さんは「私は旧型のステップワゴンに乗っているので、ステップワゴン Modulo Xは走りがいいと言ってもミニバンなので、それほどの期待はしていなかったのが本音です。ところが期待以上の走りで家族からも好評でした」「カーブでは、今のクルマではスピードが高いと外へ外へと行く感覚がしますが、これはまだまだ曲がるぞという感覚です。これは運転していても後ろに乗っていても感じたことです」とのこと。

日高さんご夫婦(所有車:ホンダ ステップワゴン)

 日高さんのお宅では奥さまもクルマの運転をする機会が多いとのこと。その奥さまからは「最初に乗せて頂いたときに感じたことは、ハンドルを切ったときの感じとか“ちょっといいかも”と感じました」という。また、パイロン区間の動きも「スポーティな感じなのでパイロンのところも入りやすいし出やすいという印象です」と普段から運転に慣れている方らしいコメントも出た。

 最後に後席に同乗していた娘さんの意見を聞いてみると「揺れるところがあまりなくて乗りやすかったです。シートもちょっと硬くて座りやすかった」ということだった。現在乗っているステップワゴンは購入して4年ということでリアルに買い替えも検討しているとのことだが、奥さまとお嬢様からは標準のステップワゴンよりステップワゴン Modulo Xのスタイルがいいと言われているので、ステップワゴンにするときは必然的にステップワゴン Modulo Xしかないということだった。

千葉県 日高さんファミリー
オデッセイに乗る須能さん。奥さまとふたりのお子さんのご家族で参加

 オデッセイに乗る須能さんは「加速感もターボが付いているのでいいなという感じです。乗り心地は予想だともっとガツガツしたものかと思ってましたが、今乗っているオデッセイよりちょっと硬いくらいでガツガツ感はありませんでした。ここで乗った感触はよかったので、一般道ではどうなるのか興味がありますね」と言う。たしかに第2アクティブセーフティトレーニングパークは路面状況がいいので、凹凸がある一般道よりは乗り心地をよく感じやすい。そこに気がついていた須能さんの一般道のインプレには興味がある。では、カーブでの印象はどうかというと「ロールからすぐに復帰しますし、ハンドルを曲げて戻してという動作も素直です。オデッセイだとハンドルを戻すとき力が必要な感じですが、こちらはそこも素直でした。ミニバンだからもっと振られると思っていたのにそういう感じはなかった」ということだった。

須能さんご一家(所有車:ホンダ オデッセイ)

 次に奥さまへのインタビュー。「乗り心地はよくて、スラロームで振られているときの安定感も感じました。今回乗ったのは2列目と3列目ですが、3列目シートの立て付けもよく、安定して座れるところでした。普段はフリードに乗っていますが、フリードとは3列目のシートの乗り味が全然違いました。また、2列目は足下も広く、これなら子供達もゆったり座れるのではないかという印象です。3列目も狭い感じはなかったです」と、短い時間のなかでいろいろと感じ取っていた。須能さんのお子さん達は「わくわくゲート」が気に入ったようで、そこからの出入りを楽しんでいた。

茨城県 須能さんファミリー
マツダのプレマシーに乗る野瀬さん。奥さまとふたりのお子さんのご家族で参加

 マツダのプレマシーに乗る野瀬さんは「動きはいいです。レーンチェンジのときもクルマの動きがピタピタと止まってくれるのが好印象でした。ブレーキを強めに掛けたときは実際にはダイブしているのでしょうが、乗っていると前のめりになっている感覚はあまりなかったですね」と言う。パワー感は2.0リッターエンジンのプレマシーのほうがある感じがするということだが、車内はステップワゴン Modulo Xのほうが静かだという。お子さんからも「静か!」と発言が出たくらい。ただ、それは常用回転域でのことで、高回転まで引っ張ったときは「ちょっとノイジーに感じました」と言う。でも、うるさいということではなく、普通が静かなので余計にそう感じるレベルです」とのこと。車内の音に関しても興味を持つ人は多いと思うので、これは非常に参考になる意見だろう。

野瀬さんご一家(所有車:マツダ プレマシー)

 同乗した奥さまからは「助手席と後ろのシートに乗ったのですが、カーブなどクルマが揺れるところが安定している印象を受けました。タイヤが地面にしっかり付いている感じがしました」というコメントだが、タイヤの接地感まで表現するあたりは相当マニアックなことだけに「ん?」と思ったが、あとから話を聞くと奥さまもかなりクルマ好きとのこと。また、息子さんからも走りについて発言があり「曲がるときの安定感がありました。プレマシーだとカーブを速く曲がると身体がグーッと持っていかれますが、このクルマだとそこまでいかずに止まるという感じでした」と、ロールの少なさを実感していた。プレマシーも走りのよいクルマということで乗っているだけに、野瀬さんご一家はクルマを見る目が肥えているという印象だ。

東京都 野瀬さんファミリー
スバル レガシィ B4に乗る松本さん。奥さまと参加

 スバル レガシィ B4のほかにもロードスター、デミオ、インスパイア、そして軽自動車も所有する松本さん。相当なクルマ好きと見受けられるが、そういう人がステップワゴン Modulo Xのようなミニバンに乗るとどういう印象なのか興味はあるが、それについては「ステップワゴン Modulo Xは背が高いわりにロールしないですね。ステアリングを切ったとおりに曲がってくれる感じ。普通のワンボックス車だとステアリングを切ったときはタイヤだけ先にいって、自分はあとから付いていくような感覚があったりしますがそれが全然なくて、狙ったところをスムーズに走れるトレース感がある走りです。それだけに、今回のようなコースではもっと速度を出せるなと思いました。あと、実際はどうか知りませんが、車重が軽いクルマに乗っている感覚です。それにこのコースはもちろん、一般道でも突き上げは感じなく乗り心地はいいです」。さらに「エンジンに関しても“今どきのターボ”という感じで、全域でいいというフィーリングです」とかなり読みの深いインプレを語ってくれた。

松本さんご夫婦(所有車:スバル レガシィ B4)

 奥さまも「すごくスムーズな感じで乗り心地はよかったですね。曲がってもあまりGを感じない乗り味でした。今回は後ろのシートにも乗りましたが、ほかのクルマだとカーブでついどこかに掴まりたくなることもあるのですが、このクルマはそれもなかったですね。加速もそんなにわるくない感じでしたし(ここでご主人からターボだったと聞く)え、ターボだったんですか? そんな感じはしませんでしたね」とスムーズな乗り味についての感想が語られた。

東京都 松本さんファミリー
三菱自動車工業 デリカ D:5に乗る松本さん。2人のお子様と参加

 三菱自動車工業 デリカ D:5の前はパジェロなど4WDばかり乗ってきたというもう1組の松本さん。本来はそのタイプのクルマがお好みとのことだったが、奥さまから車高が高すぎることについて不満が出ているという。乗り降りもそうだし、お子さんの送り迎えのときに自転車を積むことがあるということだが、車高の高いクルマへの積み降ろしは女性の力ではたしかに重労働となる。そんなときにステップワゴンのわくわくゲートを知り、これなら自転車がラクに載せられるということからステップワゴン Modulo Xに乗ってみたかったというのが応募の理由だという。

松本さんご一家(所有車:三菱自動車 デリカ D:5)

 では、乗ってみてどうだったかというと「デリカとは性格がかなり違うクルマなので直接比較はできませんが、やはり走りはとてもよかったですね。ロールが少ないのももちろんですが、加速もよくギヤのつながりもとてもいい印象でした。ブレーキも安心感があるフィーリングです」と言う。「それに安定感のよさは、子供にとってクルマ酔いしにくくなることなので、そこもいいですね」とのこと。ただ「走りの印象は予想以上でしたが、車内の音は予想より大きめで、ここはもうちょっと静かに仕上げてくれたらよかったかなと思います」といった要望も語っていた。

栃木県 松本さんファミリー
多くの参加者に評判だったのが2列目シートの足下の広さ。それに3列目のシートも肉厚が薄めに見えるわりに座り心地はいいという意見もあった。そしてなにより、お子さんにウケていたのがわくわくゲート。ミニバンはご近所の方など乗せることもあると思うが、ステップワゴン Modulo Xは子供にも人気のクルマになるだろう
いくらModulo Xとはいえ、ミニバンということで走りはそれなりだろうと思っていた方も多かったようだが、その予想は覆ったようだ。今回はレーンチェンジを体験できるコース設定だったが、そこでの安定感はほとんどの方は高評価。ドライバーだけでなく同乗者からも揺れが少ない、揺れてもすぐ戻るという感想が聞かれた
試乗会のときの風景
非常に楽しそうに走っていた第2アクティブセーフティトレーニングパークでの試乗。短い試乗時間ながらしっかりとステップワゴン Modulo Xを評価していた

 第2アクティブセーフティトレーニングパークはコースも広く安全性も高いので、初めて乗るクルマでも安心して走れたようで、設定速度まで皆さんしっかりと出してフィーリングをチェックしていた。それだけに、短い試乗時間にも関わらずたくさんの意見と感想を聞かせてもらった。並行して行なわれた一般道での試乗は、第2アクティブセーフティトレーニングパークより長い時間の試乗になり、路面の条件もわるいと思うので参加者からはどんな意見が出たのか、前編となる記事ステップワゴン Modulo Xをファミリーで1日体感した「Feel Modulo X 2016」レポート(前編・一般道試乗)もご覧いただきたい。

協力:株式会社ホンダアクセス

深田昌之

Photo:安田 剛

Photo:堤晋一

Photo:政木 桂

Movie:石岡宣慶