CES 2017

独アウディ、世界初の“レベル3”自動運転を実現する「新型A8」を数カ月以内に発表

NVIDIAの車載用プロセッサが使われるモジュール「zFAS」を採用

2017年1月4日(現地時間)発表

CES 2017の会場で、来場者が「Q7」のコンセプトカー(自動運転車)に試乗できるイベントを用意

 NVIDIAと独アウディは1月4日(現地時間)、米ラスベガスで開催されている「CES 2017」の会場において、2020年の路上走行実現に向けて最先端のAI搭載自動車の共同開発を進めると発表した。

 このなかで、今後数カ月以内に独アウディが新型「A8」をロールアウトする予定であることを発表。新型A8は、NVIDIAの車載用プロセッサが使われるモジュール「zFAS」を採用した「Traffic Jam Pilotシステム」を搭載し、世界初の“レベル3”自動運転車であることを明かした。

 CES 2017の基調講演に登壇したNVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏は、アウディのアメリカ法人であるAudi of Americaのスコット・キーオ社長をステージに迎え、運転の複雑さを解消するためにアウディ車の今後のモデルでディープラーニングが採用される予定であると述べるとともに、「NVIDIAは、ディープラーニング型AIによる交通改革を率先して進めています。アウディが当社のAI搭載自動車向けDRIVEコンピューティングプラットフォームを採用することで、次世代の自動運転車の普及が加速されるはずです。これにより、運転の安全性が高まり、新たなモビリティサービスが誕生する未来へと近づくことができるでしょう」とコメント。

 また、スコット・キーオ社長は「アウディのドライバーはパフォーマンスとテクノロジの頂点を知っています。路上走行の安全性向上に向けた両社の共同研究において、アウディとNVIDIAのパートナーシップをディープラーニングや人工知能へと拡大することで、より高度な自動運転車の路上走行を早期に実現したいと考えています」と述べている。

 なお、CES 2017の会場では「Q7」のコンセプトカー(自動運転車)を用意。来場者は運転席が無人の後部座席に試乗でき、車線が引かれていない箇所や、迂回が必要な工事区間などさまざまなシチュエーションで自動運転を体験できるようになっている。