長期レビュー

カメラマン高橋学のはたらくスバル「レヴォーグ」

第2回:スタッドレスタイヤ装着しました、の巻

純正ホイールそのままで冬支度を済ませた我がレヴォーグ。今回はスタッドレスタイヤ装着記をお届けします

 Car Watch読者のみなさまこんにちは。10月に始まった連載ですが今回がやっと2回目。何やらバタバタ仕事に追われているうちに走行距離は早くも1万kmを超え季節もすっかり冬になってしまいました。という訳で我がレヴォーグも冬支度。スタッドレスタイヤに履き替えました。雪の少ない東京ですが昨シーズンは12月中旬に初雪が記録されていますし、今年に入ってからも北国の人には大したことはないかもしれないけど関東人には大事の積雪に見舞われ都市機能が大混乱した事を覚えている人も少なくないと思います。そうなんです、もうそういう時の備えをしておかなければならない季節なのです。

さて、何を履こうか

 まずはこれ。スタッドレスタイヤの場合、通常のタイヤ(以下便宜上”夏タイヤ”と呼ばせていただきます)ほど種類が多くなく、今回はイメージで選びました。そう、レヴォーグといえばスバル→SUPER GT BRZ GT300→ミシュラン。で、ミシュランX-ICE XI3。これで決まりです。

 仕事でそのデビューレースからずっと撮り続けているのでその分思い入れも強い青いBRZ GT300を支えている頼もしいヤツです(チャンピオン獲れなかったけど……)。免許を取ってから長い間クルマに乗ってきましたが夏タイヤでミシュランにガッカリさせられたことが今まで一度もない、という経験も背中を押しました。よく耳にする「ドライ路面の高速道路でもしっかり走るゾ!」という噂が本当なら東京在住の筆者にはピッタリですしね。

スバルBRZ GT300はGT300クラス唯一のミシュラン装着車なのであります
レースの度に刷り込まれるロゴとミシュランマン
2012年から採用され、すでに17ものレースをともに戦ってきたパートナーです

スバルディーラーで買えるミシュランX-ICE XI3

 筆者の場合、クルマは主に仕事の足、いわゆる「営業車」として使っているのでメンテナンスは割とマメに購入ディーラーに出しています。もちろんレヴォーグも例外ではありません。何故購入ディーラーか?というと、クルマの整備履歴を一元化するためです。前回整備した時のフロントブレーキの残量は何ミリ?その時の走行距離は?そんな履歴をすべて他人任せにしてしまいたい無精者の最終手段がディーラー活用なのです。

 普段からふと思い立ったとき「前回オイル交換したのはいつでしたっけ~?」なんて電話で確認してたりします。だから全ての整備を同じディーラー、もしくは情報を共有する同じ系列のディーラーで任せているのです。で、スタッドレス。ミシュランってあんまりディーラーで売ってるイメージないなぁ、とか、量販店で何か適当なホイールとのセットで買っちゃおうかなぁ、って考えながらクルマを購入した「東京スバルCAR DO三鷹店」に“一応”相談。というか雑談。答えは簡単でした。実はスバルの純正タイヤラインアップにちゃんとミシュランX-ICE XI3はありました。しかも純正ホイールとのセットも用意されているではないですか。でもディーラーだと価格が高いかなぁ……という漠然とした不安もあったのですが、レヴォーグの17インチホイールとセットで1台分が22万円以下(東京スバルの場合、取り付け工賃別)。品質的には折り紙付きの純正ホイールとセットでこの価格なのですから余計な心配でした。

 個人的には季節ごとに同じホイールでタイヤの着脱を繰り返すのがなんとなくイヤなのと、外観はまだノーマルのままで乗っていたい、というこれまた個人的な趣味により今回は新車とまったく同じホイールがついたセットに決めディーラーに交換をお願いしました。

 これで、またディーラーに履歴が残る訳です、交換日もその時の走行距離も。ついでにタイヤ・ホイールを半年や1年の間、保管してくれるサービス(有料)でデカい夏タイヤを狭い我が家に持ち込まずに済んだことも朗報。また春になったら夏タイヤに交換して今度はスタッドレスを預けようと思います。

ドヤ顔で登場したメカニックさんとミシュランX-ICE XI3
純正アルミホイールとのセットです
ディーラーだとこのテのケアも万全だから安心です
まずはホイールキャップを外して……
タイヤをはずして……
スタッドレスタイヤを装着し正確に締めて
空気圧をチェック
空気圧は夏タイヤ同様指定どおり
検査員さんが再度締め付けトルクをチェック、ってココがディーラーらしさ
はい、装着完了
納車時に見た風景が思い出されます
最後にキャップを付ければでき上がり(キャップは新車時のものを流用しました)
担当メカニックさんのサインの次に検査員のサイン、社内検査欄にもサインと、2重3重のチェックで安心。そしてこの作業記録がディーラーに保存されるのが個人的には大きなポイント
よく見ればミシュランのPOPもカウンターにありましたが見逃していました
ミシュランX-ICE、ちゃんとありました。カタログもちゃんとありました。価格に関してもディーラーは割高っていう感覚はもう相当古いですね

ファーストインプレッション

 それではファーストインプレッション!! と、言っても東京にはまだ雪が降ってませんし、今のところ雪国に行く予定もないので、ただのロードインプレッション、っていうか何となくの感想。おおむね評判どおりです。終わり……じゃマズイので(一応連載だし)書いておきます。もう結構な距離乗りましたし。

 ざっくり言ってしまうと一般道、高速道路、ともに何の不安もありませんでした。もっとも僕の場合オッサン走りというか、流れにのってユルユル走るだけで速度もあまり速くないので、当たり前なのかもしれませんがとにかくスタッドレスを意識することなく普通に走ります。あとスタッドレスの弱点と言われているウエット路面ですが、結構大雨でも丁寧に走れば大丈夫です。もちろん急発進とか急ブレーキなど「急」のつく動作は禁物だと思います。ただしそんなリポートをお届けできるような体験はしたくありませんし、わざとするつもりもないので悪しからず。とにかく安全第一です。なにせ営業車ですから。

 変わったことと言えばハンドル切り始めのフィーリングです。昔のスタッドレスにありがちだったナヨナヨした腰砕け感じゃなくてスッと軽い感じ。夏タイヤでよくあるラクラク系のタイヤっぽい感じ。

 それって実は今まであまり好きなタイプのタイヤではなかったのですが、これはイイ。重厚感とか高級感とはちょっと違う(と筆者は感じている)レヴォーグのどことなく軽いフィーリングに案外似合うような気がします。その辺はかなり気に入っています。もしかしたらレヴォーグって夏タイヤもこの手のタイヤが似合うのかも。次期夏タイヤはこういったタイプを選ぼうかな、とか雪も降る前から思っちゃってます。

早く雪道を走り回ってみたいけど……

 東京に雪が降れば昨シーズン同様また都市機能がストップするのは目に見えているので決して歓迎はしませんが、これで万が一の備えは完了です。ちなみにディーラーのメカニックさんによるとスタッドレスタイヤは装着した直後から即100%その性能が発揮されるわけではないとのことです。そういえば以前仕事でお会いしたミシュランのスタッフの方によると、新品タイヤ装着時にはタイヤの慣らし走行を、乗用車の場合80km/h以下で100km以上行ってくださいね、って言っていたような……。

 ま、我がはたらくレヴォーグは装着後あっという間に500km以上走行してしまったので慣らし走行も済んでいます。雪が降ってから慌てて店に飛び込んでもなかなか難しいので、昨年ぐらいのタイミングで雪が降るなら急いで買わなきゃ、って時期です。率直に言って東京人は雪が降ったらクルマに乗らない。公共交通すら止まった時は外出しない。がベストだと思っているのですが、誰もがそれで済ませる訳にはいかないんですよね。筆者自身出先で降られて途方に暮れちゃったこともありますしね。

 そうなる前にスバルユーザーは一度ディーラーに出向いて純正タイヤカタログに目を通してみてはいかがでしょう。何故だか分からないけど言わなきゃ出てこないところも多そうなので、しっかりリクエストしてみましょう、「純正タイヤカタログ!」って。

 ベテランスバルユーザーにとってはそんなことは常識なのかもしれませんが、長年つき合ったディーラーを離れ新しいメーカーのクルマと新しいディーラーとの付き合いをはじめた新参スバルユーザーには知らないことが多すぎて日々右往左往しております。

そういえば2013年4月21日、スポーツランドSUGO(宮城県)で季節外れの大雪に見舞われ、スタッドレスタイヤ未装着だった筆者は大変な思いをしました。ホント危なかった。それを考えればこれから5カ月くらいはスタッドレスのお世話になった方がいいかもしれません

 何はともあれ読者のみなさま、お互いにしっかり冬支度をして冬を乗り切りましょう。そしてスノードライブを楽しみましょう。

 新参者のスバルユーザーは「フロントオーバーハングが長そうだが下側が張り出したこのバンパー形状で大丈夫なのか?」とか「このボンネットのデカい穴に雪は詰まらないのか?」とか、いらぬ心配をしながらも、どこか雪国へ旅行でも行こうかと画策しております。

ミシュランのスタッドレスタイヤを無事装着。スノードライブを楽しんだらまたご報告させていただきます

高橋 学

1966年 北海道生まれ。下積み時代は毎日毎日スタジオにこもり商品撮影のカメラアシスタントとして過ごすも、独立後はなぜか太陽の下で軽自動車からレーシングカーまでさまざまな自動車の撮影三昧。下町の裏路地からサーキット、はたまたジャングルまでいろいろなシーンで活躍する自動車の魅力的な姿を沢山の皆様にお届けできればうれしいです。 日本レース写真家協会(JRPA)会員