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【もてぎJoy耐 2017】Car Watch FITのピットワークを担当した「アウティスタ」に聞く

「現行型フィットは軽さとボディ剛性でスポーツカーを追いまわせる楽しいクルマ」とチーフメカニックの須賀渉氏

2017年7月1日 公式予選

2017年7月2日 決勝・7時間耐久レース

 ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)で7月1日~2日、“Joy耐”こと「2017 もてぎ Enjoy耐久レース」が開催され、Car Watchも「Team Car Watch with YOKOHAMA」として参戦。このJoy耐でピットワークを担当した「アウティスタ」のスタッフに、参戦車両である「Car Watch FIT」について聞いてみた。

「Car Watch FIT」について解説してくれたチーフメカニックの須賀渉氏

 質問に答えてくれたのは、レーシングチームでもあるアウティスタで今回のチーフメカニックを務める須賀渉氏。

 須賀氏によれば、今回のレース参戦車両であるCar Watch FITはワンメイクレース「FIT 1.5チャレンジカップ」の参戦車両がベースとなっており、7時間に渡る耐久レースに向けた各種調整が行なわれた車両になっているという。

 エンジンは完全に市販車と同じノーマル状態で、安全装備の指定部品であるロールケージを追加し、マフラーを無限の製品に交換。サスペンションではテイン製で、バネレートはフロントが14kg/mm、リアが16kg/mmを採用。「ハイアマチュア」と呼ばれるようなドライバーが中心となって参戦している本格的なレースであるFIT 1.5チャレンジカップに対応する車両になっている。

 須賀氏は「(現行型の)GKフィットはボディがしっかりしているので作りやすいですね。(FIT 1.5チャレンジカップは)ボディ補強を一切してはいけないレギュレーションですが、フロントやリアのタワーバーを装着しなくてもタイムが出せているので、そうとうにいいクルマだと思っています。また、エンジンはノーマル状態なので非力ではありますが、耐久性はあると思いますよ。すでに6000kmから7000kmをレースで走っていますが、まだオーバーホールしていません」と解説。

須賀氏は車両のセッティング変更などに加え、レース中のタイヤ交換やドライバー交代などでも活躍してくれた
こちらはアウティスタの代表取締役社長である九谷田敦氏。ピットワークの舵取りを務めた

 また、一般的にはファミリーユースのイメージが強いフィットだが、「単純にレースカーとしてだけではないですが、面白いクルマだと思います。見た目以上に速く走れて、例えばサーキットで行なわれる走行会に参加したときに、あの見た目なのに『S2000』や『EG6(5代目シビック)』といったスポーツカーたちを追いまわせるんです。コンパクトカーで軽いことに加えてボディがしっかりしているので、コーナーリングスピードが速いんですね。燃費もEG6よりよくて、速さはEG6や『EK(6代目シビック)』ほぼ同じぐらいというところです」と須賀氏は説明し、「ストレートは向こうの方が速いんですけど、コーナーリングやコーナーからの立ち上がり加速はフィットの方が速くて、知り合いにEG6のドライバーがいたりするんですが、ストレートとコーナーで追いついては離れが繰り返されるので、もうお互いにじゃまでしょうがないという感じです(笑)」というエピソードを語ってくれた。

 また、タイヤについては「FIT 1.5チャレンジカップでも同じ『ADVAN A050』を使っていますが、今回は耐久レースなのでコンパウンドは違って、決勝では『MH』を履かせています。ここ(ツインリンクもてぎ)だと、左フロントが厳しいですね」と教えてくれた。