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【ボッシュ モビリティ エクスペリエンス 2017】自動運転向けにNVIDIAと開発するボッシュ「AIオンボードコンピュータ」を2020年代初頭までに量産化

「乗用車の事故をゼロにすることを目指す」

2017年7月6日(現地時間) 発表

ボッシュ シニアバイスプレジデント ドライバーアシスタンス部門 シュテファン・シュタース氏

 ボッシュ(ロバート・ボッシュ)は7月6日(現地時間)、将来のビジョンを示す「ボッシュ モビリティエクスペリエンス 2017」をドイツ ボックスベルクにある同社最大のテストコース「ボックスベルク プルービンググランド」において開催した。

 ボッシュ シニアバイスプレジデント ドライバーアシスタンス部門 シュテファン・シュタース氏は、半導体メーカーであるNVIDIAと協業して開発するボッシュの「AIオンボードコンピュータ」を、遅くとも2020年代初頭までに量産化する見通しを示した。

 ステージに登壇したシュタース氏は「私たちは乗用車の事故をゼロにすることを目指しています」と語り、そのためには自動運転が不可欠と強調。自動運転車の頭脳となるオンボードコンピュータの構築にあたって、NVIDIAと協業することを紹介。NVIDIAはマシンラーニングの手法で生成された車両の動きを制御するアルゴリズムを格納するチップを供給することを説明した。

 また、シュタース氏は自動運転車の実現に向けた3つのステップを示した。第1ステップとしては、人工知能が道路交通で実用に耐えるようになるためには何百万もの画像を選別し、乗用車、トラック、歩行者、自転車、樹木など、物体を確実に識別する必要性を示した。

 第2ステップとしては、AIシステムが誰かが前方に現れる確率を計算し、適切なタイミングでブレーキをかけるなど、AIシステムが意思決定できるようになることが必要であると説いた。

 第3のステップについては、市街地を走行するために車両は常に正確な現在位置を知る必要があり、ボッシュではTomTom、中国のAutoNavi、百度(Baidu)、NavInfoとともに高精度マップの作成に取り組んでいることを説明した。

 同社では、これまでのセンサー技術を超えて人工知能の分野に専門知識を広げるため、今後5年間にAIセンター(BCAI: Bosch Center for Artificial Intelligence)へ3億ユーロを投資。インド、米国、ドイツに拠点を置き、約100人のエキスパートがAIの研究開発に従事する予定であることを明かした。

 シュタース氏は、自動運転車を実現するためのカギを握るのがボッシュのAIオンボードコンピュータであると強調。「このコンピュータは、都市の道路の安全性を大きく向上させるでしょう」と述べた。