アウディ、「A3 スポーツバック」マイナーチェンジ
動力性能と環境性能を同時に改善

A3 スポーツバックとアウディ ジャパンのドミニク・ベッシュ社長
9月25日発売
299万円~

  アウディ ジャパンは、「A3 スポーツバック」をマイナーチェンジし、9月25日から発売した。価格は「1.4TFSI」が299万円、「1.8TFSI」が357万円、「2.0TFSIクワトロ」が439万円。

  合わせて、10月11~19日にA3 スポーツバックのデビューフェアが全国のアウディ正規ディーラーで開催される。また、2名に6カ月間、A3 スポーツバックを貸与する「New Audi A3 Sportback 6 Months Monitor Campaign」も行われる。応募は同社Webサイトのフォームから可能で、締切は10月13日。

精悍さを増したスタイリング

A3 スポーツバック 2.0TFSI クワトロ

  A3 スポーツバックは、高級感のあるコンパクトカー「プレミアムコンパクトクラス」と位置付けられる同社のエントリーモデルで、初代は1996年に登場した。今回マイナーチェンジしたのは、2004年9月に登場した2代目。

  外観は4ドア+リアハッチの2ボックスで、全高1430mmのやや低めのフォルムと、ボンネット前端からボディ下端に及ぶ大型のシングルフレームグリルを継承するが、グリル両脇にプレスラインを追加することでVラインを強調。ヘッドライトクラスター内に新設したウィング形状のLEDポジションライトと合わせ、より精悍さを増した。ウィンカーはドアミラー内に移動した。

  またリアのランプクラスターはアウディ全車共通の形状を継承しつつ、光ファイバー技術を利用した環状のポジションライトを追加。リアバンパーなどの形状も変更されている。 


ウィンカーはドアミラーに内蔵インテリアは従来モデルとほぼ同じ
後席トランクルーム全車、マニュアルモード付きのデュアルクラッチトランスミッションを搭載
ウィング形状のLEDポジションランプアウディは車種ごとにポジションランプの形状が異なるリアのポジションランプ

1.4リッターターボと7速デュアルクラッチを採用

マイナーチェンジでグレードを整理

  マイナーチェンジにより、V型6気筒エンジンを搭載するの3.2クワトロが廃止され、「1.4TFSI」「1.8TFSI」「2.0TFSI クワトロ」の直噴直列4気筒ターボエンジン搭載車のみの、3グレード構成となった。

  全グレードともサイズは4290×1765×1430mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2575mm、トレッドは1535/1505mm(フロント/リア)。重量は1.4TFSIが1380kg、1.8TFSIが1460kg、2.0TFSIクワトロが1540kg。


マイナーチェンジのポイントはパワートレーンの改良とデザイン全車TFSIエンジンを搭載。直噴+ターボで小排気量化し、環境性能と動力性能を両立させる

  「1.4TFSI」は、マイナーチェンジ前の1.6Attractionに相当するFFモデル。新しく採用した直列4気筒DOHC 16バルブ1389ccインタークーラー付きターボエンジンと、デュアルクラッチトランスミッションの7速Sトロニックにより、最大出力が22%増の125psに、最大トルクが35%増の200Nmになった。排気量が減少したにも関わらず、2リッターエンジンなみの最大トルクを1500~4000rpmの広い常用回転域で発生するようになった。

   一方で10・15モード燃費は12.2km/lから15.8km/lに30%向上し、CO2排出量は193.3g/kmから149.3g/kmに減少。動力性能と環境性能を同時に向上させ、輸入車コンパクトセグメントではトップの環境性能を実現したとしている。

1.4TFSI(オープンスカイルーフ装着車)1.4リッターの直噴ターボエンジン
1.4TFSIは1.6FSIエンジンよりも高性能かつ環境負荷が低い1.4TFSIは、競合輸入車よりもトルクが大きく、国産2リッターエンジンよりも低回転域でトルクを出せるSトロニックは燃費と加速を改善する

   「1.8TFSI」は直列4気筒DOHC 16バルブ1798ccインタークーラー付きターボエンジンと7速Sトロニックを搭載するFFモデル。最大出力160ps、最大トルク250Nmは従来の1.8TFSIと同様だが、エンジン内のフリクション低減や7速Sトロニックにより、10・15モード燃費が9%向上の14.2km/lに、CO2排出量が8%減の166.1g/kmと、環境性能を向上させている。

1.8TFSIは改良され、環境性能が向上1.8TFSIは国産2.5リッター車と比較

2.0TFSIクワトロのエンジン

   「2.0TFSI クワトロ」は、直列4気筒DOHC 16バルブ1984ccインタークーラー付きターボエンジンと6速Sトロニックを搭載するフルタイム4WDモデル。7速Sトロニックは最大250Nmのエンジンまで対応しているのに対し、6速Sトロニックは350Nmに対応する。 最大出力/トルクは従来の2.0TFSIと同じ200ps/280Nm。FFから4WDに変更されたものの、燃費は12.0km/l、CO2排出量は196.6g/kmと、いずれも従来比3%の悪化にとどめている。


2.0TFSIクワトロ4WDになっても環境性能の悪化はわずか
1.8TFSIと2.0TFSIクワトロにはスポーツサスペンションなどが含まれるS-lineパッケージを装着可能S-lineパッケージの大型ルーフスポイラーS-lineパッケージの5スポークホイールと17インチタイヤ

アウディは新車攻勢で好調

ベッシュ社長(右)と青木部長

   同社は25日、東京 表参道の同社ショールーム「アウディフォーラム東京」で、報道関係者向けの発表会を開催した。

  同社のドミニク・ベッシュ社長らが新A3 スポーツバックについて説明した。 ベッシュ社長は、日本の輸入車市場が落ち込むなかで、アウディは多数のニューモデルを投入したことで、台数、シェアともに伸長したとアピール。A3 スポーツバックを「“Less is More”という言葉を完璧に表すモデル」と紹介し、動力性能、環境性能ともに競合車を上回るA3 スポーツバックで、プレミアムコンパクトクラスでのシェアの3%拡大を目指すとした。

  また同社商品企画部の青木徹部長は、新A3 スポーツバックの商品コンセプトを「スタイリッシュeコンパクト」と説明。「e」は環境、エコロジー、経済性、効率性を表しており、A3スポーツバックが環境性能にすぐれたモデルであることをアピールした。

日本の乗用車市場は横ばい、輸入車市場は2ケタ減で「危機的状況」(ベッシュ社長)そのようななか、アウディは台数、シェアともに伸長2008年は新車攻勢で伸びた
A3 スポーツバックの競合車動力性能、環境性能ともに競合車を上回る
プレミアムコンパクトでのシェア拡大を目指すA3のコンセプトは「スタイリッシュeコンパクト」A3の歴史
アウディの創業者であるアウグスト・ホルヒ。スローガンは「技術による先進」アウディフォーラム東京アウディフォーラム東京では2台のヒストリックカーを展示中。手前がDKW Slaby-Beringer、奥がNSU TT Gruppe 2。DKWもNSUも、アウディの前身「アウトウニオン」をともに構成した会社

URL
アウディ ジャパン株式会社
http://www.audi.co.jp/
ニュースリリース
http://www.audi.co.jp/audi/jp/jp2/Information/news/News_in_2008/PR_08_093.html
製品情報
http://www.audi.co.jp/audi/jp/jp2/new_cars/a3.html
New Audi A3 Sportback 6 Months Monitor Campaign
http://www.audi.co.jp/audi/jp/jp2/Special_Offer/present_campaign/a3_sportback_long.html

アウディフォーラム東京
http://www.audi.co.jp/audi/jp/jp2/audi_brand/Audi_Forum.html
DKW Slaby-BeringerとNSU TTS Gruppe 2
http://www.audi.co.jp/audi/jp/jp2/Information/news/News_in_2008/PR_08_065.html

(編集部:田中真一郎)
2008年9月25日