トヨタモデリスタ、「カローラアクシオ/フィールダー“Sports M”」レポート
コストと品質を確保した、「カローラGTに代わる」ライトチューンモデル

カローラフィールダー“Sports M”
10月28日発売
222万4000円~266万4000円(カローラアクシオ“Sports M”)
225万4000円~236万9000円(カローラフィールダー“Sports M”)



  「カローラアクシオ“Sports M”」および、「カローラフィールダー“Sports M”」は、トヨタ自動車のセダン「カローラアクシオ」およびワゴン「カローラフィールダー」をベースとしたトヨタモデリスタインターナショナルによるカスタマイズカーだ。両製品のマイナーチェンジが10月28日に実施され、あわせて発売された。

  ベースとなるグレードは、アクシオが1.8リッターの「LUXEL」および「LUXEL“αエディション”」、フィールダーが1.8リッターの「1.8S」および「1.8S“AEROTOURER”」。両製品とも、専用ECUの適用、対応燃料をハイオクに変更、フロントパイプとテールパイプによる専用スポーツマフラーを架装した排気系の見直しなどで最高出力が100kW(136PS)/6000rpmから106kW(144PS)/6000rpmに、最大トルクが175Nm(17.8kgm)/4400rpmから186Nm(19.0kgm)/4800rpmに向上している。

  このほか、専用スポーツサスペンションを架装し、アクシオでは約20mm、フィールダーでは約10~20mmローダウンされている。CVT「Super CVT-i」に関してもチューニングを行い、変速パターンの改良やマニュアルモード時のレスポンスの向上を図り、軽快にスポーツドライビングを楽しめるライトチューンモデルとなっている。エアロパーツやアルミホイール、内装パネルなどエクステリアやインテリアへの架装は標準で行っておらず、すべてオプションで提供している。

  価格は、アクシオのLUXELベースが222万4000円、LUXEL“αエディション”ベースが266万4000円、フィールダーの1.8Sベースが225万4000円、1.8S“AEROTOURER”ベースが236万9000円となる。

カローラフィールダー“Sports M”(1.8S“AEROTOURER”ベース)

カローラフィールダー“Sports M”のエクステリア。エアロパーツでは、リアスポイラーがベース車装備品であるほか、フロントアンダーリップスポイラー、サイドロアスカート、リアスカートはオプション。ボンネットのオリジナルデカールのみ非売品だ
ホイールは、オプションのクリムソン製17インチアルミホイール「Racing SPARCO D-SPEC Stage-1」を装備エンブレムは、ベース車であるカローラフィールダーのロゴのほか、Sports Mのロゴを追加エンジンルーム。ハードウェア面での変更は行われておらす、タワーバーもベース車装備品
インテリア。オプションのインテリアパネルセットを装備しており、インパネ、センターコンソール、ドアスイッチパネルが黒木目調。ラゲッジルームなどの機能はベース車のままだ

カローラアクシオ“Sports M”(LUXELベース)

カローラアクシオ“Sports M”のエクステリア。カローラフィールダー“Sports M”と同様に、リアスポイラーはベース車装備品で、フロントスポイラー、サイドスカート、リヤスカート、17インチアルミホイールはオプション
エンブレムもSports Mのエンブレムを追加こちらも非売品のオリジナルデカールエンジンルームはベース車と同じ
カローラアクシオ“Sports M”のインテリア。オプションのメタル調インテリアパネルセットを装備している

(左から)株式会社トヨタモデリスタインターナショナル商品部商品グループマネージャーの尾崎勝敏氏、トヨタ自動車株式会社フリート営業・特装部の奥山茂氏
  今回、Sports Mの開発を担当したトヨタモデリスタインターナショナル商品部商品グループマネージャーの尾崎勝敏氏と、トヨタ自動車フリート営業・特装部の奥山茂氏に、Sports Mの開発コンセプトなどをおうかがいした。

  尾崎氏によれば、先代のフィールダーやかつて販売されていたハッチバック「カローラランクス」からSports Mの販売をしており、一定の人気があるのとこと。2006年10月に実施されたアクシオ/フィールダーのフルモデルチェンジを期にSports Mの商品魅力をさらに向上させたい、との意向から企画していたと言う。企画から開発、販売には約2年の期間を要しているが、この点については、パワートレインのチューニングを実施したのは今回が初めてだったこともあり、どのように改良を施せばどういった車になるのか探るのに時間がかかったからだとしている。

  また、奥山氏によればトヨタの販売店側からは、かつて販売していたカローラのスポーツモデルとなる「カローラGT」や「レビン/トレノ」に相当する製品の要望が多いとのこと。しかし、標準車にラインナップすることがなかなかできないのが現状で、モデリスタにこれらに変わる製品の開発をお願いした意図もあるとしており、尾崎氏も「カローラGTに代わるもの」という想いで企画したと言う。

  全体的なチューニングの方向性は「軽快なドライブを楽しめる車」のとことで、ハードウェア面では、マフラーの換装による排気系統の改良や、サスペンションのセッティングを施した。特にマフラーフロントパイプとテールパイプの口径を数ミリ拡大したことが、出力向上に大きく寄与していると言う。

Sports Mに装備された専用スポーツサスペンション。トヨタモデリスタのチューニングカーであることから、コーポレートカラーのグリーンで着色されている
  エンジンとトランスミッションに関してはハードウェア面での改良は行っておらず、セッティング変更のみを実施。特にCVTのセッティング変更については、レッドゾーン手前までエンジン回転数を上げることもできるとのこと。また、ある一定の回転数までエンジンを回転させてからシフトアップするよう、7速AT車の様なフィーリングに仕上げている。なお、アクシオ/フィールダーのセッティングの違いは、ボディタイプに応じたサスペンションセッティングを施しているのみで、このほかは同一内容となる。

  また、Sports Mではエアロパーツやアルミホイールがオプションとなっている。この点については、Sports Mと同日にスタイル重視のカスタマイズカー「Simplea」を発売しているためとしている。このほか、ユーザーが購入後にカスタマイズすると費用がかさんでしまうチューニングを、ベース車から26万円高という比較的低コストで提供したかったことや、車の本質を楽しんでもらいエクステリアはユーザーが自由に楽しめるようにしたかったためともしている。

  特にコスト面に関しては、Sports Mの生産から架装までを通常モデルと同様にトヨタの製造ライン上で行っているとのことで、コスト削減に貢献できているほか、通常モデルと同等の品質を確保することができたとしている。なお、尾崎氏によれば、サスペンションのチューニングはオプションの17インチアルミホイールを装着した状態で操縦安定性が最も優れているとのことで、“オススメ”だと言う。

URL
株式会社トヨタモデリスタインターナショナル
http://www.modellista.co.jp/
ニュースリリース
http://www.modellista.co.jp/press/2008/1028_corolla/index.html
製品情報(カローラ アクシオ“Sports M”)
http://www.modellista.co.jp/product/corollaaxio/sportsm/index.html
製品情報(カローラ フィールダー“Sports M”)
http://www.modellista.co.jp/product/corollafielder/sportsm/index.html
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【2008年10月28日】トヨタ、「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」を一部改良
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20081028_38003.html

(編集部:大久保有規彦)
2008年12月25日