車に厳しいこの季節だから、ドライブ前に安全点検 スペアタイヤの空気圧、発炎筒の使用期限、冷却水の交換時期は大丈夫? |
メルセデスベンツE320を使ってドライブ前の点検項目をチェック |
いよいよお盆シーズン到来。さらに地方部高速道路の上限1000円化の適用も拡大され、車に乗って高速道路で遠出をしようと考えている人も多いだろう。しかし高速道路の利用率が増えるにつれて目立つのが故障や事故、そして渋滞だ。
ゴールデンウィークですでに体験済みの人もいるだろうが、GWより気温の高いこの時期は、車にとっても厳しい季節。車内ではエアコンを全開にして、さらに渋滞でラジエターは冷えず、おまけに気温も高ければ、普段は問題のない車だってトラブルを起こす確率はグッと高まる。炎天下の高速道路上で立ち往生して、さらにロードサービスも渋滞にはまるとなれば1~2時間待ちは覚悟が必要。しかもその間、車のエアコンも使えないわけで、これではせっかく楽しいはずのお盆休みも台無しだ。
そんな目に遭わないためにも、お出かけ前に自分の愛車を点検&メンテナンスしておきたい。そこで編集部員の愛車であるメルセデス・ベンツE320を使って、お出かけ前のチェック項目と、いざというときのための装備の確認項目を取り上げてみた。「オレは大丈夫」というあなた、スペアタイヤの空気圧を確認したことはありますか? 車載工具やジャッキを用意していても、スペアタイヤの空気が抜けていればすべては水の泡。ぜひ一度確認してみて欲しい。
■エンジンルーム編
できれば普段からチェックしておきたいのがエンジンルーム。分からないなりにも普段から見ておくことで、「いつもと違う」ことに気がつくことができるからだ。チェック項目の多いエンジンルームだが、特にこの時期気にしたいのは、やはり冷却水。冷却水の寿命は一般的に2年と言われているので、車検ごとに換えているのなら交換の必要はないだろう。
ただし水量が減っていないかは確認しておきたい。E320はリザーバータンクとラジエターキャップが一体式となっていたが、一般的にリザーバータンクとは別に、ラジエター本体にラジエターキャップが付いているので、こちらも開けて水量が減っていないか確認しよう。ただし、開けるときは水温が下がっていることを確認すること。でないと、熱湯が吹き出しやけどをしてしまう。また、ラジエターキャップも消耗品だ。見た目では判断が付かないが、古くなると掛かる圧が下がるとともに、冷却水の沸点が下がってオーバーヒートしやすくなる。こちらも冷却水の交換と同じタイミングで交換するのがベストだ。
■タイヤ、ブレーキ編
車と路面を唯一つないでいるのがタイヤだ。どんなに高性能なエンジンも安全なブレーキも、タイヤがグリップしなければすべては水泡に帰す。だからこそタイヤの点検や管理はきちんと行っていただきたい。まず気にすべきはトレッドの溝の有無だが、ぱっと見で溝が残っていても、一番内側だけが削れているということはよくあるので、トレッドの内側まできちんと確認したい。また、溝が影響するのは排水性だけで、溝があるからグリップするわけではない。古くなればゴムが劣化しグリップ力が下がる。5年も経ったら溝があっても新品に交換しよう。
■安全装備の確認
車には通常、タイヤがパンクしたぐらいなら、自力で対応できるだけの道具が標準で装備されている。例えばスペアタイヤやジャッキ、ホイールレンチ、あるいはパンク修理キットなどだ。しかし自分の車のどこにジャッキがしまわれているのか把握していない人は意外と多い。また、いざ使おうと思ったら、ジャッキのハンドルだけなかったり、ホイールレンチだけなくした、なんてこともある。あと車好きの人に多いのが、ホイールナットに盗難防止のロックナットを使っているのに、そのキー(ソケット)が自宅においてあるといったケース。これではいくらスペアタイヤが積んであっても交換することができない。そこで、安全装備もこの機会に点検しておきたい。このときぜひ確認してもらいたいのが、スペアタイヤの空気圧だ。納車直後や車検直後でもなければ、ほぼ確実に減っているのでぜひ補充しておこう。また、高速道路を走るなら、三角表示板は必須。動けなくなったときに表示していないと違反になる。
■その他、視認性や快適性確保のためのチェック項目
ほかにもチェックしておきたい項目はいろいろある。例えば灯火類のチェックは当然として、この時期の夕立に備えてワイパーの確認。リアワイパーも同様。
エアコンの効きが悪いようであれば、エアコンガスの補充も考えよう。ただし最近の車はそれほどガスが抜けることはないので、もし減っているならなにかトラブルを抱えている可能性もある。
長距離の移動となるとガソリンも1日で量が減ってしまうので、出発前にできれば満タンにしておくのがオススメだ。
■量販店やディーラーでもチェックしてくれる
なお、自分で確認する自信がないという人は、ディーラーや今回取材協力していただいたスーパーオートバックス東京ベイ東雲などでも無料で点検を行っているので、頼んでみるのもよいだろう。東雲の場合、タイヤ、バッテリー、ATF、エンジンオイル、冷却水、ブレーキフルード、ウォッシャー液、エアフィルター、ベルト類、灯火類、ワイパーゴム、パワーステアリングフルードの12項目を無料で点検してくれる。また、お盆明けにはなるが、8月22日、23日には専用のブースも設けて、無料安全点検イベントも開催される。
今回の取材にご協力いただいたスーパーオートバックス東京ベイ東雲(東京都江東区東雲2-7-20)でも無料安全点検を行っている | 無料安全点検のチェックシート。ブレーキパッド点検などは含まれないが、有料で対応してくれる |
【お詫びと訂正】記事初出時、発煙筒と表記しておりましたが、正しくは発炎筒でした。ご迷惑をおかけした皆様にお詫びを申し上げるとともに、訂正させていただきます。
(瀬戸 学)
2009年 8月 7日