SCEJ、レッドブル・レーシング共同開発車「X1プロトタイプ」の全貌公開
PS3用ソフト「GT5」に収録

X1プロトタイプと、レッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテル

2010年末商戦期発売



 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)は10月28日、プレイステーション3用ソフトウェア「グランツーリスモ5(GT5)」に収録する、レッドブル・レーシングとの共同開発車「X1プロトタイプ」の仕様を公開した。

X1プロトタイプの走行シーン

 X1プロトタイプの収録は、9月に開催された東京ゲームショウ 2010で、GT5のプロデューサー 山内一典氏から発表されたもの。GT5の開発元であるポリフォニー・デジタルがX1プロトタイプのコンセプト作りとデザインを行い、F1でおなじみのレッドブルレーシングがパートナーとなっている。テクニカルアドバイザーは、空力の鬼才とも言われるエイドリアン・ニューイ。「ニューイの無邪気な夢や、発想がX1というクルマに詰まっている」と言う。

 仕様が公開されたX1プロトタイプは、V型6気筒直噴ツインターボを搭載する、シングルシートの低抵抗ウイングカー。ニューイの夢と熱意によって「ファンカー」の概念が採り入れられ、マシン下面の空気をファンによって排出し、下面の気圧を下げることで大きなダウンフォースを発生させる。1970年のレーシングカー「シャパラル2J」、1978年のF1マシン「ブラバム BT46B」で、同様のアイデアが使われていた。

 エンジンの最高出力は1105kW(1503.8PS)1万5000rpm、最大トルクは714.1Nm(72.9kgm)。ファンによるダウンフォース量は9800Nm(1000kgm)で、1.53Gに相当すると言う。車体仕様は、ボディーサイズ4.75×2.18×0.98m(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2.9mで、トレッドは1.78m/1.95m(フロント/リア)。車重は545kgと設定されている。

X1プロトタイプの構成と、ダウンフォース発生量
X1プロトタイプを各部から
コクピットのキャノピーを閉じた状態
X1プロトタイプの下部。後部にファンを備えるほか、底面に吸い込み用の穴が開いている。空力の鬼才と言われるニューイのアイデアが反映されているのだろう

 よく知られているようにGT5は、シミュレーションによって車の動きを作り出しているゲームで、これらの性能を持たされたX1プロトタイプの性能は、最高速が450km/h以上となり、横Gは8.25Gに達すると言う。

 X1プロトタイプのデザインチームによって行われたシェイクダウンテストにおいて、F1ドライバーのセバスチャン・ベッテルが鈴鹿サーキットを走行したところ、コースレコードを20秒以上短縮したと言う。実際にこのようなマシンが存在するわけではないが、細部までデザインされているため、ゲーム内において夢のドライビングを楽しめるだろう。

セバスチャン・ベッテルとX1プロトタイプ

 なお、GT5は東京ゲームショウ当時、11月3日の発売が予定されていたが、その後2010年末商戦期へと延期されている。

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(編集部:谷川 潔)
2010年 10月 28日