カーナビは、ワンセグから地デジチュナー搭載へ
車載型メモリーナビが人気、価格.com調べ

2011年2月10日発表



価格.comトレンドニュースは2月10日、価格.comユーザーの行動データ、クチコミデータから市場状況を分析する価格.comトレンドサーチのデータから、カーナビにも“地デジ化”の波が訪れ、低価格な車載型メモリーナビへのアクセスが急増していると発表した。

 「カーナビ」カテゴリにおけるここ2年間の搭載チューナー別のアクセスシェアでは、2009年1月の時点では、ワンセグチューナー搭載モデルが半分近くを占めており、地デジチューナー搭載モデルは20%を超える程度。地デジチューナー搭載モデルのアクセスシェアは、2010年4月を境に上昇を始め、2010年後半から急激に増加。2010年12月にはシェアで40%を突破している。その一方でワンセグチューナー搭載モデルは、2011年1月には40%強まで落ち込み、この1年間でワンセグから地デジへのシフトが起こってきていると分析している。

 「カーナビ」カテゴリの本体形状別(「ポータブルタイプ」と「固定タイプ(車載タイプ)」)アクセスシェアについては、この2年間でさほど変わらず、ポータブルタイプが60%前後を維持。しかしながら、2010年4月以降ポータブルタイプは若干アクセスシェアを落としており、車載型カーナビのアクセスシェアが上昇している。

 この要因として、ポータブルナビと同様にフラッシュメモリーを記録媒体とする車載型メモリーナビの増加、10万円程度の安価な価格、画質のよい地デジチューナーを搭載していることが挙げられるとしている。ポータブルタイプでは、ほとんどの製品がワンセグチューナーしか搭載しておらず、2011年7月のアナログ停波に伴って、地デジチューナーを搭載した車載型ナビの人気を後押ししていると言う。

「カーナビ」カテゴリのチューナータイプ別アクセスシェア推移「カーナビ」カテゴリの本体形状別アクセスシェア推移

車載型カーナビの主流は「メモリーナビ」に
 車載型カーナビの記録媒体別アクセスシェアでは、2009年6月くらいまではHDD搭載モデルが80%を占めるなど圧倒的だったが、徐々にフラッシュメモリー搭載タイプの「メモリーナビ」のシェアが拡大し、2010年11月時点ではHDD搭載モデルを逆転するに至った。

 その理由としては、販売価格の低下を挙げており、「カーナビ」カテゴリにおいて、売れ筋ランキング1位の座をキープし続けている、パイオニア「楽ナビLite AVIC-MRZ99」は最安価格8万9800円(2011年2月9日現在)。5~6万円台が中心の価格帯となっているポータブルナビと3万円程度しか価格が変わらず、高解像度液晶やDVDドライブ、地デジチューナーといった機能を考えると、ポータブルナビの価格的優位性は崩れつつあるとしている。

固定タイプナビの記録メディア別アクセスシェア推移パイオニア「楽ナビLite AVIC-MRZ99」の最安価格推移

 カーナビの売れ筋価格帯については、2008年1月の時点では10万円以上の製品が60%近くを占めたのに対し、2011年1月には20%前後まで低下。対照的に伸びているのが6万円以下の価格帯の製品であり、そのほとんどをポータブルナビが占める。

 この半年では、8~10万円という価格帯の製品が伸びており、これは楽ナビLite AVIC-MRZ99に代表される平均的な価格帯であると言う。車載型メモリーナビが、HDDカーナビやポータブルナビに代わる第三の製品として人気を拡大してきていると分析する。

「カーナビ」カテゴリの売れ筋価格帯推移

 地デジチューナー搭載の車載型メモリーナビであれば、ポータブルナビと異なり、5型や7型の画面でテレビを見てもきれいで、DVDの再生も可能。音楽再生機能もあり、今年7月の地デジ完全移行に向けて、さらに人気が加速するのは確実と言う。

(編集部:谷川 潔)
2011年 2月 10日