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ホンダ、「燃費」「空間」「かっこよさ」を進化させた新型「フィット」
フィット ハイブリッドは36.4km/L、1.3リッターのFF/CVT車は26.0km/Lを達成
(2013/9/5 11:30)
本田技研工業は、コンパクトハッチバック車「フィット」「フィット ハイブリッド」をフルモデルチェンジして9月6日に発売する。価格は126万5000円~193万円。
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
13G | 直列4気筒DOHC 1.3リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,265,000円 |
4WD | 1,454,000円 | |||
13G Fパッケージ | 5速MT | 2WD(FF) | 1,360,000円 | |
CVT | 2WD(FF) | 1,360,000円 | ||
4WD | 1,549,000円 | |||
13G Lパッケージ | 2WD(FF) | 1,461,000円 | ||
4WD | 1,650,000円 | |||
13G Sパッケージ | CVT(7速モード付) | 2WD(FF) | 1,560,000円 | |
4WD | 1,749,000円 | |||
15X | 直列4気筒DOHC 1.5リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,580,000円 |
4WD | 1,769,000円 | |||
15X Lパッケージ | 2WD(FF) | 1,680,000円 | ||
4WD | 1,869,000円 | |||
RS | 6速MT | 2WD(FF) | 1,800,000円 | |
CVT(7速モード付) | 1,800,000円 | |||
ハイブリッド | 直列4気筒DOHC 1.5リッター+スポーツハイブリッドi-DCD | 7速DCT | 2WD(FF) | 1,635,000円 |
ハイブリッド Fパッケージ | 1,720,000円 | |||
ハイブリッド Lパッケージ | 1,830,000円 | |||
ハイブリッド Sパッケージ | 1,930,000円 |
新型フィットのモデル体系は、先代の1.5リッター&1.3リッターガソリンエンジン、1.3リッターハイブリッドから、ハイブリッドモデルの搭載エンジンを1.5リッターに強化。さらにハイブリッドモデルはトランスミッションをCVTから新開発の7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)に変更し、バッテリーをニッケル水素からリチウムイオンに変えるなど大幅に改良。これによってハイブリッドモデルは36.4km/LのJC08モード燃費を実現している。この数値はプラグインハイブリッドカーを除く国内最高値となった。
このほかの基本ラインでは、1.5リッターガソリンエンジン車にスポーティモデルとなる「RS」を設定し、2WD(FF)に加えてハイブリッドモデル以外に4WD車を設定するといったラインアップは先代から踏襲している。
JC08モード燃費 | |
---|---|
13G(FF、CVT) | 26.0km/L |
15X(FF、CVT) | 21.8km/L |
ハイブリッド(FF) | 36.4km/L |
開発コンセプトは初代モデルの誕生から12年で3代目のモデルになることも関連付け、「燃費」「空間」「かっこよさ」という3要素を追求する「FIT3」というキーワードを使用。エクステリアデザインではホンダの新しいデザインコンセプト「エキサイティングHデザイン」により、フィットらしさを受け継ぎながらもダイナミックさを表現するスタイルとしている。また、RSは専用フロントグリルやエアロパーツの装着などで差別化を図っている。
ボディーカラーは新色6色(新開発5色、新採用1色)を含む全11種類。グレードごとのキャラクターに合わせて一部のカラーで使い分けを行っている。
ハイブリッド用の「LEB」、1.5リッターの「L15B」、1.3リッターの「L13B」と3種類用意されているエンジンは、すべてSOHCからDOHCに進化。LEBエンジンは圧縮比をL13Bエンジンと同じ13.5という高圧縮型としながら、排気量が同じL15Bエンジンより最高出力と最大トルクを抑えて燃費性能を追求。組み合わされるトランスミッションは、ハイブリッドが駆動力をアシストするH1型モーターを内蔵する7速DCT、L15BはCVTと6速MTで、L13BはCVTと5速MTが設定される。ハイブリッドのほか、RSと13G SパッケージのCVTもパドルシフトでドライバーがギア比を選択できる7速式となる。
初代フィットから採用され、ホンダ車のスペース効率を飛躍的に向上させたセンタータンクレイアウトのプラットフォームも完全新設計。フロアフレームを大断面化し、従来までは燃料タンクの側面に配置していたが、これをタンク下側を通過する形状に見直し。これによって大幅な軽量化と衝突安全性向上を実現したことに加え、燃料タンクを横に広げて薄型化することに成功。従来からの低床設計をさらに進化させ、フロントシートの最低着座高を10mm下げ、シートスライド量を36mm増やして体格が大きい人でも楽に座れるようになった。そのほかにボディー構造ではホイールベースの30mm拡大に加え、リアホイールアーチフランジの短縮によってリアシートの後方配置を行い、定評ある車内の広さに磨きをかけている。
このほかに走行関連の装備では、全車にエマージェンシーストップシグナル、VSA(車両挙動安定化制御システム)、HSA(ヒルスタートアシスト機能)などを標準装備するほか、「シティブレーキアクティブシステム」「前席用i-サイドエアバッグシステム(容量変化タイプ)」「サイドカーテンエアバッグシステム(前席/後席対応)などをセットにした「あんしんパッケージ」を13Gとハイブリッドの両ベースグレード以外に6万円高でオプション設定している。
今年3月に発表され、この新型フィットから導入がスタートするシティブレーキアクティブシステムは、フロントウインドー内側に設置するレーザーレーダーで前方にある車両などの障害物を検知。30km/hまでの走行中に作動する「低速域衝突被害軽減ブレーキ」は、このまま走り続けると障害物と追突する危険性があると判断した場合に自動的にブレーキを効かせ、さらにエンジン制御も行って危機回避を図る。このほか、CVT車とDCT車は「誤発進抑制機能」も装備し、停車中や10km/h以下で走行中に前方に障害物がある場合、アクセルペダルが踏み込まれてもエンジン出力を抑制して急発進や加速を防いで突発的な事故を防止する。どちらの機能でも、システムの作動中はブザー音とディスプレイ表示の点滅などでドライバーに危険性とシステムによる介入が行われることを警告する。
広々とした室内スペースを利用シーンに合わせたシートアレンジで使い分け、さらにユーティリティを高める「ULTR SEAT(ウルトラシート)」も初代フィットから受け継ぐ伝統のアイテム。13Gとハイブリッドの両ベースグレード以外に標準装備する。また、15Xのリアシートはダンパーとスプリングを内蔵する「新ダイブダウン機構」を備え、上質で使いやすい操作感を実現している。
このほか、福祉車両の「助手席回転シート車」を13Gとハイブリッドに設定。シートの取り付け場所や回転軸の位置などを車内で最適化し、シート先端とドアまでのクリアランスをしっかりと確保。さらにシートデザイン自体も専用としており、クッション先端をなめらかにしたうえ足抜きしやすい形状を採用。座面中央をわずかに高くして身体がずれにくいよう工夫している。
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
13G 助手席回転シート車 | 直列4気筒DOHC 1.3リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,555,500円 |
4WD | 1,744,500円 | |||
HYBRID 助手席回転シート車 | 直列4気筒DOHC 1.5リッター+IMA | 7速DCT | 2WD(FF) | 1,814,500円 |