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スズキ、発進・加速にも利用する“エネチャージII”搭載の「Crosshiker」などを東京モーターショーでワールドプレミア

ハイブリッド本格四駆「X-LANDER」、軽クロスオーバー「HUSTLER」など4モデルを世界初公開

東京モーターショーで世界初公開される「Crosshiker」のスタイリングスケッチ
2013年10月29日発表

 スズキは10月29日、11月20日〜12月1日(11月20日〜21日プレスデー、22日特別招待日、22日プレビュー・ナイト、23日〜12月1日一般公開日)に東京ビッグサイトで開催される「第43回東京モーターショー2013」の出展概要を発表した。

 東京ビッグサイトの東6ホールに展開されるスズキブースでは、「新しい物語をつくろう。」をブーステーマに、2&4輪製品を一堂に展示。天井を高くとったブースでは開放感を強調して“明るい未来”を演出。ルーフ部分にはスズキのSの文字をイメージした2本のS字ボーダーを設置し、軽やかさと優しさを表現する。また、3.6m×40mという超ワイドパノラマスクリーンをメインステージ後方に設置し、映画監督の岩井俊二氏がプロデュースするコンセプトカーのプレゼンテーション映像が紹介される。

 展示車両は4輪車が合計18台で、参考出品車のうち4台がワールドプレミア、1台がジャパンプレミアのほか、13台の市販車を展示する。2輪車では合計10台を展示し、ワールドプレミア3台、ジャパンプレミア7台、市販車3台を用意する。このほか、電動セニアカーの参考出品車1台も世界初公開する予定だ。

Crosshiker

 コンパクトクロスオーバーの「Crosshiker(クロスハイカー)」は、2011年の東京モーターショーにスズキが出品したコンセプトカー「レジーナ」で採用された次世代軽量プラットフォームを利用した新しい提案となる1台。プラットフォーム自体も根本部分から構造を見直すことでさらなる改良を施し、これに直列3気筒の996cm3 デュアルジェットエンジン+CVT、回生発電量を大幅に増加させて発進や加速といった駆動力アシストまで活用幅を広げた「エネチャージII」などを組み合わせることで高い環境性能を実現。また、レジーナに与えられた「中身はエコでありながらも、デザインはキャラクター性のある愛着が持てるものにしたい」というコンセプトを受け継ぎ、ワイドなボディーとコンパクトなグラスキャビンを対比させて迫力のあるクロスオーバーモデルらしいプロポーションを表現している。

有機的で表情豊かな造形によって「大人のためのパーソナル・クロスオーバー」を表現したクロスハイカーのエクステリアデザイン。ルーフはフロントウインドーから一体化されている
「いくつものレイヤー(層)が乗員をシェル(貝)のように包み込むような構成」というイメージでデザインされたインテリア。スポーティで前衛的な雰囲気を演出している
ステアリング前方のディスプレイには、音声入力で操作できる多彩なクラウドアプリを表示。より多くの情報をドライバーが処理できる次世代の操作系概念によって構成された「パーティクル・インターフェイス」を提案するものとなっている
従来型モデルのプラットフォームのイメージ
クロスハイカーの次世代軽量プラットフォーム。車両重量は810kgと紹介されている

X-LANDER

 ジムニーをベースにした「X-LANDER(エックス・ランダー)」は、直列3気筒の1242cm3 デュアルジェットエンジンと自動制御マニュアルトランスミッションに加え、車体中央部分に設置するトランスファーにモーターをセットした小型・軽量ハイブリッドシステムを搭載するコンセプトモデル。モーターによって発進から低速域までをEV走行するほか、自動制御MTの変速時にもモーターが駆動力を提供して空走状態を回避する。回生発電やエンジンを発電機として使って電池パックに蓄えた電力を、AC/DCコンバーターから最大1500Wまで外部出力可能となっている。

 ボディーは内装をウォータープルーフにしたバギータイプの常時オープントップ式で、ジムニーをベースとしながらも車体サイズは3600×1695×1700mm(全長×全幅×全高)という5ナンバーボディーを採用する。

ジムニー譲りのオフロード性能と小型・軽量ハイブリッドシステムによる環境性能を併せ持つエックス・ランダー。大径タイヤや肉厚のロールオーバーバーなどで力強い外観イメージを演出
トランスファーを活用した1モーターハイブリッドシステムを採用。シンプルで安価なクルマづくりをモットーとする同社の企業姿勢と親和性が高く、自動制御MTの変速時のアシストでも利用できることが採用の理由
インテリアデザインでもマッシブな剛性感を主張。メーターパネル部分に設置された「フローティングディスプレイ」にはタイヤ付近の路面状況を常に表示。この映像は録画して停車中に巻き戻して確認したり、SNSで知り合いとシェアすることも想定している

HUSTLER

「アクティブなライフスタイルに似合う新ジャンルのクロスオーバー軽自動車」というコンセプトの「HUSTLER(ハスラー)」。無塗装のバンパーやフェンダーアーチ、180mmのロードクリアランスなどを設定するボディーに、空転状態のタイヤにブレーキを効かせてラフロードや雪道などでの走破性を高める「グリップコントロール」、エスクードなどでも採用されている降坂走行のアシスト機能「ヒルディセントコントロール」などを装備して本格的なSUV性能を確保。その上でスズキグリーンテクノロジーのエネチャージやアイドリングストップシステムを利用し、車両重量が790kgとなるFFモデルでは29.0km/L以上のJC08モード燃費を目標としているという。

 このほかにレーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)、誤発進抑制機能、横滑り防止装置などの先進安全装備を用意し、車内にはテーブル機能付きインパネボックス、ラゲッジスペースの防水加工などでアウトドアライフにおける使い勝手を高めている。

ワイルドさを演出する無塗装のバンパーやフェンダーアーチに加え、ホワイト塗装のルーフとブラックアウトされたピラー類などでポップなイメージも手に入れている
アウトドアスポーツの用品を気兼ねなく積める防水加工したラゲッジスペース。インテリアデザインではカラー樹脂パネルのインパネやボディー同色のシートパイピングなどでおしゃれな空間を演出

HUSTLER Coupe

ルーフ後端を下げたプロポーションで独自の世界観を提案

 参考出品車のハスラーをさらにカスタマイズした「HUSTLER Coupe(ハスラークーペ)」。後方にかけて下がっていくルーフライン、ドアパネルに設置された前傾姿勢の加飾パネル、リアドアのアウターハンドルをピラー埋込み型に変更した2ドア風の演出などにより、よりスポーティなクーペルックのスタイリングを提案する1台となる。

ヘッドライトは形状をそのままに、より立体的な構成に変更
リアドアのアウターハンドルをピラー埋込み型に変更して目立ちにくいデザインとしている
力強い専用デザインの大径アルミホイール
リアコンビランプも内部のライトを配置変更した独自デザイン

iV-4

エクステリアカラーの「ブリリアントターコイズメタリック」は、高層ビルのミラーガラスに映る大空がテーマ

 9月に開催された第65回フランクフルトモーターショーの会場でワールドプレミアとなったコンパクトSUVのコンセプトモデル「iV-4」も日本のユーザーに初披露される。

「Grab your field(グラブユアフィールド:自分のフィールドをつかもう)」を開発テーマとしたこのモデルでは、新世代4WD「ALLGRIP」を搭載。直線基調のボディーには、「クラムシェルフード」「5分割フロントグリル」といったスズキの歴代SUVで採用されてきたデザインモチーフを踏襲。このクルマをベースとした量産モデルが2015年に欧州市場に投入されることもアナウンスされている。

鋭角的で奥行きによる立体感を表現するヘッドライト。ルーフレールにもドライビングランプを内蔵する
フロントバンパーの両サイドに配置するランプがタイヤの踏ん張り感を演出
リアコンビランプの発光パターン
ホイールの側面をボディーカラーと同じターコイズブルーでカラーリング。タイヤサイズは235/55 R20

ET4Dコンセプト

参考出品車のET4Dコンセプト

 スズキが販売している電動セニアカー「ET4D」の次世代モデルを提案する「ET4Dコンセプト」も参考出品。車両の傾きを検知すると音声案内やブザー音、警告表示の点灯でアナウンス。さらにウインカーの点滅や後退操作、車両の故障なども音声案内するなど安心機能が追加され、ハンドル形状の変更と面積拡大による握りやすさの向上、現行モデルの2倍の容量となる大型バスケットの設置などによって使い勝手を引き上げている。

車両前方に設置されたバスケットは、現行モデルの12.5Lから25Lと大幅に容量を向上
握りやすさを追求してハンドルの形状を改良。メーターパネルにはバッテリー残量が低下した場合には「充電案内表示灯」が点灯して充電を勧める

Recursion

 直列2気筒の588cm3 インタークーラーターボエンジンの採用により、ビッグバイクの走行性能とミドルバイクの扱いやすさ、経済性を両立させた「Recursion(リカージョン)」。走行性能やコストパフォーマンスが重視されがちなミドルクラスバイクに“大人のこだわり”を持ち込み、軽量なアルミ製メインフレーム、片持ちスイングアーム、カーボンモノコックリアフレームなどを採用。さらにこだわりの高品位パーツの使用によって工芸品的な美しさを演出する。このほか、トラクションコントロールシステムやブレーキアシスト機能など、ライディングの負担を軽減するサポート技術も搭載している。

「回帰、再起」という意味を持つ車名が与えられたリカージョン。直列2気筒の588cm3 インタークーラーターボエンジンはロングストロークの低回転型。74kW(100PS)/100Nm(10.2kgm)を発生させ、電子制御スロットルの最適化によって扱いやすいよう出力を調整するという
2灯式のLEDヘッドライトを縦置きで配置
ハンドルスイッチはタッチパネル式を採用。グローブを装着した手でも操作しやすいよう立体的な形状としている。メーターはデジタルのスピードメーターとアナログ式のタコメーターを組み合わせて設置

EXTRIGGER

市販されているe-Let'sの電動ユニットを利用する小型電動バイクの参考出品車

 小型自転車のようなコンパクトなボディーにe-Let'sで量産している電動ユニットを搭載し、より多くの人にバイクの楽しさを気軽に知ってもらう提案としてデザインされた「EXTRIGGER(エクストリガー)」。車名には「電動・クロスオーバー」という意味のEXと「きっかけ」を意味するトリガーを組み合わせた造語を使い、バイクに興味を持つきっかけにしてもらいたいという思いが込められている。また、4輪モデルの参考出品車であるエックス・ランダーの車両後部に積載可能な設定となっている。

メーターパネルの代わりに液晶ディスプレイを装着
エックス・ランダーの車両後部に積載可能。車両重量は62kg
着脱式バッテリーをタンク部分に設置。電池残量をインジケーターで表示する

V-Storm 1000 ABS

 10月にフルモデルチェンジした海外モデルの「V-Storm(ブイ ストローム)1000 ABS」も参考出品として日本初公開。軽量・コンパクトな新設計のV型2気筒DOHC 1037cm3エンジンをアルミ製フレームに搭載し、快適な乗車姿勢と足つきのよい低シート高を実現している。また、スズキの2輪車で初というトラクションコントロールシステムを採用し、ブレーキではラジアルマウントフロントブレーキキャリパーとABSを装備。操る楽しさと快適な長距離移動を提供する。

1988年発売の「DR750S」からデザインの着想を得たというV-Storm 1000 ABS
ウインドシールドは角度/高さをそれぞれ3段階で調整可能な可動式となっている
トラクションコントロールシステムは「1/2/オフ」の3段階で調節可能。メーターはアナログとデジタルを組み合わせたコンビネーションタイプ

ハヤブサ JAPANモデル

 スズキのフラグシップモデルとして海外展開している「ハヤブサ」をベースに、日本の認証基準をクリアしながら海外モデル同等の出力特性を実現した日本投入予定車が「ハヤブサ JAPANモデル」。直列4気筒DOHC 1340cm3エンジンは144kW(197PS)/155Nm(15.8kgm)を発生。車両重量は266kg。ベースモデル同様、乗員が好みによって出力特性を3種類から選択できる「S-DMS(Suzuki Drive Mode Selector)」を搭載する。ブレーキではブレンボ製キャリパーをフロントブレーキに採用し、ABSも設定する。このほか、2輪車で初めてETC車載器を標準装備している。

参考出品されるハヤブサ JAPANモデル。ボディーサイズは2190×735×1165mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは1480mm
リアフレームにETC車載器を設置
メーターパネル中央のディスプレイでETCの動作状況を確認可能
右手側のハンドルスイッチでS-DMSのモードを切り替え

バーグマン200

 タイスズキモーター社で9月から生産を開始した「バーグマン200」もジャパンプレミア。日本市場にも投入予定というこのモデルでは、日本で主流の250cm3エンジンより小型・軽量な200cm3エンジンのメリットを生かし、燃費や経済性、250cm3モデルに負けない走行性能などを実現する。また、シート下にはフルフェイスヘルメット2個を収納可能な41Lの収納スペースを設定。シート高は735mmに抑え、カットフロアボードとの組み合わせで足つき性を高めるなど、日常的な使いやすさを追求している。

タイで生産してヨーロッパ市場などを中心に展開しているバーグマン200
シート高を735mmに抑え、フロアボードの一部を内側に寄せて足つき性を向上させている
メーターパネル内にはクラス初装備となるエコドライブインジケーターを設置

MotoGP参戦開発車両

 2015年からの復帰に向けた車両開発で使われている「MotoGP参戦開発車両」もワールドプレミア。この車両では最大出力だけを追い求めるのではなく、扱いやすい出力特性によって力強く加速できるセッティングを目指して開発を続けており、この開発で磨き上げたエンジン出力の扱いやすさは、将来的な市販モデルにも通じると説明している。

GSX-Rで培ってきた素直な操縦性を発揮できるよう、直列4気筒エンジンを選択したMotoGP参戦開発車両。ボディーサイズは2096×720×1140mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは1457mm。車両重量は160kg以上と発表している
エンジンの横幅を抑えたレイアウトで、V型4気筒の800cm3エンジンのGSV-R(2011年モデル)とほぼ同等のカウリング横幅を実現。MotoGPマシンとして十分な運動性能を手に入れるべく、車体剛性や重量配分などのバランス、車体ディメンションの最適化などを図っているという

(編集部:佐久間 秀)