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日産、“グライディング”を楽しむ次世代EVコンセプトカー「ブレイドグライダー」を東京モーターショー2013に出展

「デイズ ルークス」「セレナ」「ティアナ」「エクストレイル」など発売間近な車種も多数展示

次世代EVコンセプトカー「ブレイドグライダー」
2013年11月8日発表

 日産自動車は11月8日、11月20日~12月1日(11月20日~21日プレスデー、22日特別招待日、22日プレビュー・ナイト、23日~12月1日一般公開日)に東京ビッグサイトで開催される「第43回東京モーターショー2013」の出展概要を発表した。

 日産ブースの展示内容では、次世代EVコンセプトカーの「ブレイドグライダー」を世界初公開するほか、2014年初頭の発売を予定している新型軽自動車「デイズ ルークス」「デイズ ルークス ハイウェイスター」、3代目モデルとして2013年度中に日本市場に投入される新型「ティアナ」、9月のフランクフルトモーターショーで初公開され12月に発売となる新型「エクストレイル」、まもなく国内発表となる新型スカイラインなど、今後日本市場で販売されることになる多数のモデルを参考出品する。

ブレイドグライダー

 “既存の概念にとらわれない、まったく新しいエモーショナルなゼロ・エミッション車”というコンセプトで生み出された「ブレイドグライダー」。動力を持たずに大空を自由に舞うグライダーと、デルタシェイプ(三角翼)が特徴的な超音速機からインスピレーションを受けて開発がスタートしたというこのコンセプトカーは、航空力学によってデザインされたデルタシェイプボディーによって強力なダウンフォースと極限まで低減させた空気抵抗という相反要素を両立。さらにボディー素材には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使って軽量化を追求し、エネルギー効率と運動性能を高めている。

 ボディーサイズは4220×1000[前輪部分]/1890[後輪部分]×1140mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2800mm。駆動方式はインホイールモーターによる後輪駆動としており、特異なフォルムによる3:7の前後重量配分でも後輪の左右独立制御によってオンザレールのコーナーリングを実現するという。シートレイアウトも運転席を車体の中央に配置し、その後方に左右2席のリアシートを用意する独特の「3シートレイアウト」を採用。エネルギーを最大限に生かしながら意のままに飛行するグライダーを操縦するようなフィーリングを実現。ドライビングエクスペリエンスならぬ“グライディング”エクスペリエンスを提供する次世代スポーツEVとなっている。

全幅が前輪部分で1000mm、後輪部分で1890mmという特徴的なデルタシェイプボディーを持つブレイドグライダー。航空力学の応用でボディーをウイングのように扱い、後輪のインホイールモーターで旋回力を派生させるという発想で、大空を舞うような“グライディング走行”を実現する
シート表皮にも軽量素材を使用。オープントップのボディーもグライダー感覚を演出する
車体中央に設置される運転席はまさに航空機のコックピット感覚。Aピラーにはドアの開閉スイッチを備える

デイズ ルークス/デイズ ルークス ハイウェイスター

 日産デイズシリーズの第2弾モデルとなる新型軽自動車の「デイズ ルークス」「デイズ ルークス ハイウェイスター」。存在自体はデイズの発売よりも前の3月に発表されており、10月には内外装デザイン、標準車とハイウェイスターとの2ボディーラインアップであることなどの情報も公開されている。

 今回の東京モーターショーで実車が初展示されるデイズ ルークスは、第1弾モデルのデイズで採用するアラウンドビューモニターやスーパーUVカット断熱グリーンガラス、タッチパネル式オートエアコンなどを継承しつつ、毎日の運転をサポートする装備としてワンタッチオートスライドドアを装備。ワンプッシュ操作で電動開閉し、インテリジェントキーでも操作が可能となっているなど、雨の日や重い荷物を持っているシチュエーションでの乗降をアシストしてくれる。また、パワートレーン関連ではNMKVが新開発した「バッテリーアシストシステム」を採用。減速時にオルタネーターを利用して発電を行い、ニッケル水素電池に充電。この電力をメーターなどの電装品に利用して補機用バッテリーの電力消費を抑え、オルタネーターの発電によるエンジン負荷を減らしてガソリンの消費量を抑え、燃費向上を図っている。

 スーパーハイトワゴンとして期待される車内のユーティリティでは、27インチの自転車を収納可能な室内高を確保。さらに室内装備では、軽自動車として初めてリアシーリングファンを設置。フロントルーバーから出たエアコンの風量と向きを調整し、リアシートまで届けて快適な車内空間を作り上げる。さらにリアシートではロールサンシェードを備えて日差しを遮り、眩しさや体感温度の上昇を防いでくれる。

ピアノ調ブラックの加飾パネルやスポーティなエボニー色の内装色を使うインテリア。オートエアコンにはデイズと同じくタッチパネル式の操作パネルを設定する
広い室内は開口スペースでドアが邪魔にならないスライドドアとの組み合わせで、チャイルドシートなどの乗せ降ろしに便利。スライドドアにはロールサンシェードを内蔵する

ティアナ

 2013年度中に3代目モデルに進化する新型「ティアナ」。東京モーターショーではコンセプトモデルが参考出品される。

 プレミアムセダンとして120カ国以上の市場に投入され、年間60万台以上を販売するグローバル戦略車となっているティアナ。新型では初代、2代目で定評のある上質感を受け継ぎつつ、エクステリアデザインで躍動感とワイドさをアピール。鋭い眼光を感じさせるヘッドライト形状と立体的なフロントグリルで存在感のあるフロントマスクを形成する。インテリアでは、インパネ形状を「鳥が羽を広げたような抑揚のあるキャラクターライン」としてデザイン。シートには新開発の「スパイナルサポート機能付シート」を採用し、垂直に近い角度まで立てたサイドウインドーによる開放感の高さと合わせてくつろぎの車内スペースを創出する。

 パワートレーンには新開発となるQR25エンジンと新型エクストロニックCVTを設定。エンジンとミッションの協調制御でスムーズな発進加速と中低速トルクを生かすクルージング走行を生み出し、さらにCVTのギア比拡大により、加速性能を犠牲にすることなく燃費性能も引き上げている。先進安全技術では移動物検知機能付きのアラウンドビューモニターに加え、快適なドライブをアシストする「BSW(後側方車両検知)」「LDW(車線逸脱警報)」などを備えている。

気品を感じさせながらも広がり感と包まれ感を融合させるというインテリアのコンセプト。メーターパネル中央に設置される4インチカラーディスプレイ「アドバンスド・ドライブアシスト・ディスプレイ」には、カーナビや音響機器の情報に加え、安全装備の作動状況、ECOメーターといった車両情報も表示
助手席にはティアナの特徴であるオットマンを引き続き装備。運転席ではテレスコピックステアリングを新採用して最適なドライビングポジションに調整可能としたほか、リアシートのニースペースはクラストップレベルを実現する

エクストレイル

 12月発売予定の3代目エクストレイル。日産・ルノーアライアンスが新しく共同開発したプラットフォーム「コモン・モジュール・ファミリー(CMF)」で構成する最初の1台であり、ルックスのイメージを大きく刷新したほか、5人乗り仕様に加えて3列目シートを設定する7人乗り仕様をラインアップに加えて話題となっている。

 従来モデルで培ってきた「ALL MODE 4×4-i」による走破性、汚れを気にせず使える防水仕様の内装といった道具(ギア)としての機能性をさらに進化させ、さらにエンジンとブレーキの制御で乗り心地と安定感を向上させる「アクティブライドコントロール」、コーナーリングや制動時にエンジンブレーキを積極的に活用してドライバーをアシストする「アクティブエンジンブレーキ」を世界初採用。フーガなどでも採用する「コーナリングスタビリティアシスト」を投入したほか、キャスター角の変更による直進性向上、ロードノイズを効率よく低減させる吸音タイプのリアホイールハウスライナーの使用などによってシティーユースでの快適な走行性能を磨き上げている。

 装備面では先進安全技術を備える「エマージェンシーブレーキ パッケージ」をラインアップに用意する。エマージェンシーブレーキはルームミラー裏に設置するフロントカメラで前方の車両や歩行者との衝突の危険性を検知すると、ディスプレイ表示と警告音でドライバーに通知。回避操作が行われない場合には緊急ブレーキを作動させ、衝突回避、またはダメージの軽減を図る装備となっている。このほかに「BSW(後側方車両検知警報)」「LDW(車線逸脱警報)」「踏み間違い衝突防止アシスト」なども搭載する。

幾何学パターンの「ジオメタリカルフィニッシャー」のほか、クローム&シルバー加飾などを使って高い質感を表現。日本投入モデルのガソリン車は全車CVT仕様
5人乗り、7人乗りを選択できるようになる。3列目シートのある7人乗り仕様は2列目シートの座面とシートバックの厚みが5人乗り仕様と異なる

セレナ

 12月に大型マイナーチェンジを行うセレナの参考出品車。エクステリアデザインはフロントマスクを中心に全面的な変更を実施。ヘッドライトはグリル両サイドからバーを連続させて上下に2分割し、面構成による力強さと配光パターンによるシャープさを両立させるデザインとしている。また、今回のマイチェンでは展示車で採用する新色「タイガーアイブラウン」のほか、S-HYBRIDの先進性を表現する「ブルームーンホワイトパール」、珊瑚からイメージした「プレミアムディープコーラル」など5種類の新色が設定される。

 装備面では、エントリーグレードとなる20S以外に「エマージェンシーブレーキ」「LDW(車線逸脱警報)」「踏み間違い衝突防止アシスト」を標準装備してアクティブセーフティ性能を向上させている。このほかに紫外線を99%カットするスーパーUVカット断熱グリーンガラス、3列目シートのパーソナルテーブル追加、S-HYBRID車の燃費向上などによって商品性を高めている。

ハイウェイスター Gの内装色にオプションの「プレミアムハイコントラストインテリア」を新設定
2列目シートのシートバック背面に3列目シート用のパーソナルテーブルが追加される

エルグランド

 2014年1月にデビューを予定するエルグランドの大型マイナーチェンジモデルも参考出品。展示されるグレードは「250 ハイウェイスター プレミアム」を予定。エクステリアデザインの変更点でハイライトになるのは、これまでナンバープレートの位置で上下に分割されていたフロントグリルを一体化し、両サイドにクローム仕上げのメッキバーを設置して存在感を際立たせたフロントマスク。形状変更によってランプの存在感を高めたヘッドライトでは、アクティブAFSにクラス初となるLEDを採用して夜間走行時などの視認性を向上させている。

 インテリアでは、新デザインの2眼式メーターの中央に「アドバンスド・ドライブアシスト・ディスプレイ(5インチカラーディスプレイ)」を設置。さらに3列目シートは各種アレンジの操作を簡易化したほか、前方に240mm動かせるスライド機能を追加。ラゲッジのユーティリティが拡大し、ゴルフバッグ6個、A型ベビーカー、ビールケースなど積載できる荷物のバリエーションが増えている。また、全車でクルーズコントロールを標準装備してロングドライブをサポートする。

ハイウェイスター プレミアムに設定される「グランドブラックインテリア」では、座面、シートバックのダイヤ型キルティング、アンバーアクセントのスペシャルステッチで高級感を演出。専用木目調パネルにはカラードクロームを周囲にあしらう
広大な室内長を有効活用するべく、3列目シートに240mmのスライド機能を追加。室内高もさらに拡大させている
2012年7月にデビューして日産の販売を牽引する存在となっているノートだが、手を休めることなく早くもマイナーチェンジを実施して12月に発売となる。上位グレードのメダリストで内外装のデザインを変更してプレミアム感を高めるほか、「エマージェンシーブレーキ」「LDW(車線逸脱警報)」「踏み間違い衝突防止アシスト」といった先進安全技術を新規設定。さらにスーパーUVカット断熱グリーンガラスの装着などで魅力を高める
先だって行われたCEATEC、ITS世界会議東京などでデモンストレーションを行って注目を集めた自動運転技術についても展示を実施。また、リーフでは12月に発売予定の「リーフ エアロスタイル」も展示予定となっている
2014年度中に日本市場での発売を予定するe-NV200も展示

(編集部:佐久間 秀)