個性的なエコタイヤが増えてきた「最新低燃費タイヤカタログ2012」
今、買うなら低燃費タイヤで決まり!!


ラベリング制度対応タイヤに貼られるラベル。上段に転がり抵抗性能、下段にウエットグリップ性能のグレードが表示されるほか、転がり抵抗性能が「A」以上で、かつウエットグリップ性能が「d」以上のタイヤに「低燃費タイヤ」マークが入る

 JATMA(日本自動車タイヤ協会)が制定し、2010年1月から運用の始まった低燃費タイヤのラベリング制度。タイヤの転がり抵抗性能と、ウエットグリップ性能をグレード分けし、ある一定基準を満たしたタイヤについては、“低燃費タイヤ”となり地球に優しいタイヤを表現した統一マークが入るものだ。

 転がり抵抗とは、タイヤが回転する際の抵抗を示し、転がり抵抗係数が大きいと転がりづらいタイヤ、転がり抵抗係数が小さいと転がりやすいタイヤとなる。転がりやすいタイヤであれば、一度獲得した速度のロスが小さく、速度を獲得する際の抵抗も小さくなる、つまり低燃費タイヤ=エコタイヤになる。

 一方、これと相反する性能とされているのが、ウエットグリップ性能。そのためJATMAでは、転がり抵抗性能が「A」以上で、かつウエットグリップ性能が「d」以上のタイヤを低燃費タイヤとすることで、ウエットグリップ性能を確保しつつ、より転がり抵抗性能のよいタイヤの普及を促進している。

転がり抵抗係数(RRC)等級
RRC≦6.5AAA
6.6≦RRC≦7.7AA
7.8≦RRC≦9.0A
9.1≦RRC≦10.5B
10.6≦RRC≦12.0C

ウエットグリップ性能(G)等級
155≦Ga
140≦G≦154b
125≦G≦139c
110≦G≦124d

 このラベリング制度の導入以降、夏タイヤの製品開発が加速。市場にはさまざまな新製品が投入され、昨年「低燃費タイヤカタログ2011」としてお届けした。当初は、低燃費タイヤであることを打ち出したタイヤが多かったものの、昨年半ば以降、低燃費タイヤでありながらコンフォート性能を重視したもの、低燃費タイヤでありながら走りを打ち出したものなど、低燃費性能を当然のものとして、それ以外の性能を重視した個性的なタイヤが増えてきた。

 そこで、「最新低燃費タイヤカタログ2012」では、「低燃費タイヤカタログ2011」で紹介したタイヤに加え、現在発売済みの主な低燃費タイヤを紹介していく。


ブリヂストン
http://www.bridgestone.co.jp/

ECOPIA PZ-X

ECOPIA PZ-X(エコピア ピーゼットエックス)

発売年月:2012年2月
転がり抵抗性能:AAA~AA
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:185/70 R14 88H~245/40 R19 98Wの全43サイズ
製品情報:http://www.bridgestone.co.jp/personal/tire/ecopia/pz_x/
製品説明会:
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120112_503924.html
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120113_504083.html
製品レビュー【前編】:http://ad.impress.co.jp/special/bridgestone1203/
製品レビュー【後編】:http://ad.impress.co.jp/special/bridgestone1203_2/

 ブリヂストンの低燃費タイヤブランド「ECOPIA(エコピア)」。そのECOPIAシリーズの中核製品となるのが、「ECOPIA PZ-X」「ECOPIA PZ-XC」「ECOPIA PRV」の3製品。これまで、ECOPIAの上位製品として販売されてきた「ECOPIA EP100」と、夏タイヤのプレミアムタイヤとして販売されてきた「Playz(プレイズ)」の両ラインアップを置き換えるものとなる。ECOPIA PZ-Xはセダン・クーペ用、ECOPIA PZ-XCは軽・コンパクトカー用、ECOPIA PRVはミニバン用となり、車種別に最適設計することで、高い転がり抵抗性能を実現するとともに、Playzが持っていた安定性・運動性などの“ラク”性能を併せ持つ。

 セダン・クーペ用のECOPIA PZ-Xは、全43サイズ中12サイズで転がり抵抗性能AAAを達成。そのほかもAAという性能を持つ。これを実現するために「ナノプロ・テック微粒径シリカ配合ゴム」をコンパウンドに用い、同サイズのPlayz PZ-Xに比べ転がり抵抗を37%低減。セダン・クーペ専用設計とすることで、耐摩耗性と操縦安定性にも配慮している。

 そのほか、タイヤ形状に左右非対称の「非対称エコ形状」を採用することで低燃費性能と、操縦安定性・静粛性などを確保している。

ECOPIA PZ-Xのトレッドパターン。中央にアドバンスドRZブロックを配し、接地性を安定させ、操縦安定性を確保するなどしている転がり抵抗係数は、Playz PZ-Xより37%低減非対称のエコ形状を採用

ECOPIA PZ-XC

ECOPIA PZ-XC(エコピア ピーゼットエックスシー)

発売年月:2012年2月
転がり抵抗性能:AAA~A
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:145/80 R13 75S~165/50 R16 57Vの全26サイズ
製品情報:http://www.bridgestone.co.jp/personal/tire/ecopia/pz_xc/
製品説明会:
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120112_503924.html
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120113_504083.html

 ブリヂストンの低燃費タイヤ「ECOPIA PZ-X」と同様のテクノロジーを用いたタイヤが「ECOPIA PZ-XC」となる。ECOPIA PZ-XCは、軽・コンパクトカー用のトレッドパターンを採用。ハイアングルラグとアドバンスドRZブロックからなる中央のリーフブロックはそのままに、サイド部のトレッドパターンを軽・コンパクトカー用に最適化。全26サイズ中、1サイズ(185/65 R15 88H)が転がり抵抗係数「AAA」を、23サイズが「AA」を達成している。

 「ナノプロ・テック微粒径シリカ配合ゴム」をコンパウンドに用い、同サイズのPlayz PZ-XCに比べ転がり抵抗を35%低減。軽・コンパクトカー専用設計とすることで、ECOPIA PZ-X同様、耐摩耗性と操縦安定性にも配慮している。

ECOPIA PZ-XCのトレッドパターン。中央部のパターンはECOPIA PZ-X同様だが、サイド部のパターンが軽・コンパクトカー用に最適化されているPlayz PZ-XCに比べECOPIA PZ-XCは、転がり抵抗係数を35%低減摩擦寿命は20%向上した

ECOPIA PRV

ECOPIA PRV(エコピア ピーアールブイ)

発売年月:2012年2月
転がり抵抗性能:AAA~AA
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:185/65 R14 86H~225/50 R18 95Wの全26サイズ
製品情報:http://www.bridgestone.co.jp/personal/tire/ecopia/prv/
製品説明会:
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120112_503924.html
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120113_504083.html

 ブリヂストンの低燃費タイヤ「ECOPIA PZ-X」と同様のテクノロジーを用い、ミニバン用に最適化したタイヤが「ECOPIA PRV」。ハイアングルラグとアドバンスドRZブロックからなる中央のリーフブロックはそのままに、サイド部のトレッドパターンを車重が重くなりがちなミニバンにあわせて高剛性パターンへと変更。タイヤのイン側に採用したリーフスロットにより、偏摩耗を抑制するとともに、定員乗車時のふらつきを抑制している。

 「ナノプロ・テック微粒径シリカ配合ゴム」をコンパウンドに用い、同サイズのPlayz RVに比べ転がり抵抗を27%低減。 全26サイズ中、20サイズが転がり抵抗係数「AAA」を達成している。

 

ECOPIA PRVのトレッドパターン。中央部のパターンはECOPIA PZ-X同様だが、イン側(左側)のパターンが、ミニバンにあわせて強化されたものになっているPlayz RVに比べ、27%転がり抵抗係数を低減ECOPIA EP100Sに比べ、ステアリングの修正量、つまりふらつきが少ない

REGNO GR-XT

REGNO GR-XT(レグノ ジーアール・エックスティー)

発売年月:2011年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:b
サイズラインアップ:175/65 R14 82H~275/30 R20 093Wの全60サイズ
製品情報:http://www.bridgestone.co.jp/personal/tire/regno/gr_xt/
製品説明会:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20101224_414651.html
製品レビュー:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20101227_417053.html
製品レビュー(西川善司が迫る):http://ad.impress.co.jp/special/bridgestone1104/

 ブリヂストンのコンフォートプレミアムタイヤ「REGNO」ブランドで初めて低燃費タイヤに適合したのが、GR-XT。ナノプロ・テックを採用したコンパウンドにより、カーボン同士の摩擦による発熱を抑制。転がり抵抗性能でA、ウエットグリップ性能でbの性能を確保している。

 さらにREGNOの名に恥じない高い静粛性も確保。東京大学 生産技術研究所 応用音響工学研究室との共同研究により、特に音が気になる路面状況が変わった際の音圧の変化を抑制している。新技術として4本のストレートグルーブそれぞれに消音効果を持たせた3Dヘルツホルツ型消音器を搭載。また、タイヤが接地した際に発生する振動を車内に伝わりにくくする3DノイズカットデザインをIN側ショルダー部に搭載する。

従来モデルのGR-9000と比べ転がり抵抗を20%低減一般ドライバーによる走行時のタイヤ音に関する官能評価荒れた舗装路と高機能舗装路によるノイズの差を抑えて、ノイズを気になりにくくしている


ECOPIA EX10

ECOPIA EX10(エコピア イーエックステン)

発売年月:2010年2月
転がり抵抗性能:AA~A
ウエットグリップ性能:b
サイズラインアップ:155/65 R13 73S~245/45 R19 98Wの全50サイズ
製品情報:http://www.bridgestone.co.jp/personal/tire/ecopia/ex_10/
製品発表会:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100114_342155.html

 エコピアシリーズの中でもスタンダードモデルとしてEP100に続き登場したEX10。転がり抵抗性能でA(一部でAA)、ウエットグリップ性能でbを獲得。シリカを分散して配置し、シリカ同士の摩擦による発熱を防ぎ、省エネに貢献するナノプロ・テックを採用。さらにタイヤサイド部の形状を丸くすることでタイヤが接地するときのゆがみを抑制、また、部材ごとの重量バランスを適正にすることでも転がり抵抗の低減を図っている。同社の他銘柄のタイヤ(B'STYLE EX)との比較では、転がり抵抗で25%低減したと言う。

 シリカの配置を最適化したゴムはウエット性能にも貢献。さらにトレッドパターンの工夫によりブレーキング時のブロック剛性や排水性を確保しつつ、接地圧の分散、接地性を向上。ウエット路面でのブレーキ制動距離では、B'STYLE EXとの比較で14%の短縮をしていると言う。また、水平設置形状や軽・コンパクトカー専用パターンの採用により、偏摩耗を防いでいる。

ナノプロ・テックによりシリカを最適に配置。また、タイヤの形状や重量バランスの最適化により転がり抵抗を低減したトレッドパターンにもウエットグリップ性能を確保するための技術が織り込まれる接地面を水平にすることで、タイヤが接地したときの無駄な変形を防ぎ、偏摩耗を抑制

SNEAKER SNK2 ecopia

SNEAKER SNK2 ecopia(スニーカー エスエヌケーツー エコピア)

発売年月:2011年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:155/70 R13 075S~215/60 R17 096Hの全36サイズ
製品情報:http://www.bridgestone.co.jp/personal/tire/sneaker/snk2_ecopia/

 ブリヂストンの中でもベーシックグレードとなるスニーカーシリーズで、唯一低燃費タイヤに適合したのが、SNEAKER SNK2 ecopiaだ。

 トレッドゴムには、ECOPIAシリーズでも使われるナノプロ・テックを用い、専用にチューニングしたSNEAKER2 ecopiaコンパウンドを採用。シリカを分散させることで、振動によるトレッドゴムの発熱を抑え、エネルギーロスを低減している。これにより従来のSNEAKER SNK2と比べ、転がり抵抗を18%低減。転がり抵抗性能でA、ウエットグリップ性能でcの評価を獲得している。

 また、タイヤの基本性能にもこだわっており、ウエット性能やドライ性能、また、乗り心地のよさも追求。さらに偏摩耗も抑制することで、タイヤのロングライフ化も実現している。

ナノプロ・テックにより、シリカを分散して配置したSNEAKER2 ecopiaコンパウンド従来モデルと比べ、転がり抵抗を18%低減した

ダンロップ(住友ゴム工業)
http://tyre.dunlop.co.jp/

ENASAVE PREMIUM

ENASAVE PREMIUM(エナセーブ プレミアム)

発売年月:2012年2月
転がり抵抗性能:AAA~AA
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:185/70 R14 88H~215/45 R17 91W XLの全15サイズ
製品情報:http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/passenger/premium/
技術解説記事:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20111212_497991.html

 全15サイズ中14サイズで転がり抵抗係数「AAA」を獲得したダンロップのフラッグシップ低燃費タイヤが「ENASAVE PREMIUM」。残る1サイズ(155/65 R14 82H)も「AA」となり、全サイズでウエットグリップ性能「c」を獲得している。

 このENASAVE PREMIUMには、ダンロップの新タイヤ開発テクノロジー「4D NANO DESIGN」を採用。ナノ(10億分の1)レベルの分子の状態をシミュレーションすることで、より高精度な材料開発が可能になった。

 その1つが両末端マルチ変性ポリマーと耐熱高反応結合材による新低燃費ゴムで、このゴムの採用で転がり抵抗係数をEC201比で約39%低減。JC08モード燃費で、約6%向上すると言う。この新低燃費ゴムはしなやかな構造をしているため、ウエットグリップ性能も高く、EC201比で約9%ウエットブレーキ性能が向上している。

新材料開発技術「4D NANO DESIGN」新低燃費ゴムで、低転がり抵抗と高いウエットグリップ性能を両立トレッドパターンも新開発。センター部からショルダー部に向かって剛性を高めることで、直進時と旋回時の安定性能を実現している

LE MANS 4

LE MANS 4(ル・マン フォー)

発売年月:2011年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:b(軽カー向け7サイズのみc)
サイズラインアップ:155/55 R14 69V~275/30 R20 97W XLの全86サイズ
製品情報:http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/passenger/lm704/
製品記事【前編】:http://ad.impress.co.jp/special/dunlop1103/
製品記事【後編】:http://ad.impress.co.jp/special/dunlop1103_2/

 低燃費タイヤとして世界で初めて特殊吸音スポンジを採用。さらにロードノイズを抑制する新コンビバンド、パターンノイズを低減するストレートブロックにより、従来モデルと比べ車内騒音エネルギーを13%低減したのがLE MANS 4だ。

 新・変性ポリマーを配合した低発熱密着ゴムは、走行中の無駄な発熱を抑えエネルギーロスを軽減。従来モデルと比べ、転がり抵抗で28%、燃費で3.8%向上している。さらに低発熱密着ゴムは、路面の細かな凹凸にも密着。接触面積の向上によりウエットブレーキ性能で9%の向上をしている。

 さらにトレッドパターンには、接地圧が均等に分散するよう適正化したパターンを採用。ショルダー部分の摩耗エネルギーが低減するとともに偏摩耗を抑制し、17%のロングライフ化を実現している。

特殊吸音スポンジや新コンビバンド、新パターンにより静粛性を向上末端部分がシリカと結合する新・変性ポリマーにより、不要な発熱を抑えエネルギーロスを低減
シリカと新・変性ポリマーの柔軟な結合により、路面の小さな凹凸に密着し、ウエットグリップを向上タイヤ接地面の圧力を分散することで、偏摩耗を防ぎ、タイヤの摩耗寿命を延ばす

ENASAVE 97

ENASAVE 97(エナセーブ キュウジュウナナ)

発売年月:2008年3月
転がり抵抗性能:AA
ウエットグリップ性能:b
サイズラインアップ:185/65 R15 88H~195/55 R16 86Vの全4サイズ
製品情報:http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/passenger/enasave97/

 多くの低燃費タイヤが転がり抵抗の低減を主題として開発されているのに対し、製造段階からのCO2の削減に取り組んだのがENASAVE 97だ。

 名前の97は原材料の97%に天然資源を使用しているという意味。天然資源を多用することで製造過程でのCO2発生を減らすだけでなく、原材料の資源となる植物を育てる段階でCO2を吸収するため、相対的にCO2削減へと繋がる。

 天然ゴムは石油由来の合成ゴムに比べ発熱がしにくく転がり抵抗は少ないが、その分ウエットグリップが低くなる。そこで天然ゴムを改質することで、ブレーキやコーナリングなど負荷が掛かった際には発熱しやすくし、転がり抵抗性能をAAにしながら、ウエットグリップ性能でもbと高い次元で性能をバランスさせている。

石油外の天然資源比率97%を実現したENASAVE 97合成ゴムの代わりに改質天然ゴムを使うことで耐久性も確保転がり抵抗を低減するため方向性パターンを採用

ENASAVE RV503

ENASAVE RV503(エナセーブ アールブイ ゴーマルサン)

発売年月:2009年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:155/65 R13 73H~245/40 R19 98Wの全40サイズ
製品情報:http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/passenger/rv503/

 重心の高いミニバン専用に開発された低燃費タイヤ。トレッドパターンを非対称とし、インサイド・アウトサイド指定とすることで、ミニバンならではのふらつきや偏摩耗を防ぐ。

 トレッド面のゴムには、分子レベルでの無駄な振動を抑え不要な発熱を防ぐ合成ゴム「末端変性SBR」と、ブレーキやコーナリングなどで負荷が掛かると素早く発熱する「改質天然ゴム」を合わせた「RV503用コロエネゴム」を採用。通常走行時は発熱を抑えて転がり抵抗を抑えながら、ブレーキングなどでタイヤに負荷が掛かったときには素早く発熱し、ウエット路面でもグリップ力を確保している。転がり抵抗性能でA、ウエットグリップ性能でcを獲得している。

合成ゴムのポリマーの末端を補強剤とつなげることで無駄な振動を抑え発熱を抑制天然ゴムを改質することでグリップ力を向上インサイドとアウトサイドを非対称のパターンとすることで、ふらつきや偏摩耗を抑制

ENASAVE EC202

ENASAVE EC202(エナセーブ イーシーニーマルニ)

発売年月:2009年10月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:145/65 R13 69S~215/55 R17 94Vの全67サイズ
製品情報:http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/passenger/ec202/
開発者インタビュー:http://ad.impress.co.jp/special/dunlop1007/
製品レビュー:http://ad.impress.co.jp/special/dunlop1007_2/

 ENASAVE RV503で使われたコロエネゴムをさらに進化させたのがENASAVE EC202だ。合成ゴムには従来よりさらに無駄な振動・発熱を抑制する「マルチ変性SBR」を採用。さらにENASAVE RV503やENASAVE 97でも使われている「改質天然ゴム」を組み合わせた「EC202用コロエネゴム」をトレッド表面に採用。また、その下側のベース部分には発熱の少ない天然ゴムを採用している。

 これらにより通常走行時は発熱を抑えて転がり抵抗を抑え、ブレーキやコーナリングなどの負荷が掛かった際には素早く発熱してグリップを確保する。同社の従来モデルであるEC201との比較では、転がり抵抗で約20%低減、燃費で3.6%向上したとしている。また、ウエット路面でのブレーキ制動距離では、EC201と同等の性能を維持している。

無駄な振動を抑え発熱を抑制するコロエネゴムと、ベース部には天然ゴムを使うことで転がり抵抗を低減トレッドパターンはシミュレーションにより排水性や接地圧の最適化などを行っているトレッド幅が175以下のサイズでは4リブのトレッドパターンとすることでブロック剛性を確保

横浜ゴム
http://www.yokohamatire.jp/

BluEarth-A

BluEarth-A(ブルーアース・エース)

発売年月:2012年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:b
サイズラインアップ:175/65 R14 82H~245/40 R19 98Wの全38サイズ
製品情報:http://yokohamatire.jp/yrc/japan/tire/brand/bluearth/bluearth_a.html
製品説明会:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120326_520972.html
レビュー:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120327_521327.html

 横浜ゴムの最新低燃費タイヤが「ブルーアース・エース」。横浜ゴムはBluEarth(ブルーアース)ブランドで低燃費タイヤを展開しており、転がり抵抗性能「AAA」を持つ「BluEarth-1」をフラッグシップタイヤと位置づけ、ミニバン用など低燃費タイヤのバリエーションを増やしている。

 BluEarth-Aは、セダン・乗用車用のタイヤで、DNA Earth-1(ディーエヌエー アースワン)の後継モデルになる。転がり抵抗性能はA、ウエットグリップ性能はbを獲得。オールラウンド性能、とくにドライやウエットでの走る・曲がる・止まるを意識したタイヤになる。

 トレッドパターンは、重量級のセダンにも対応しつつ軽量化を実現するために非対称パターンを採用。大小2つの稲妻型パターンを持つ「ライトニンググルーブ」でブロック剛性を高めつつ、エッジ量を拡大。雨の日の運転に安心感をもたらすなど、随所に走りを意識した技術が投入されている。

 低燃費性能の向上のために、特性の異なる2種のシリカ、オレンジオイルの増量、ブレンドポリマーなどを持つ専用「ナノブレンドゴム」を採用。DNA Earth-1と同程度の低燃費性能を持ちながら、ドライの操縦安定性、ウエットの操縦安定性とも向上。とくにウエットブレーキ性能は20%の大幅な向上を達成している。

 

ライトニンググルーブ、パワーベルトブロックなど走りの要素を向上させた非対称のトレッドパターン。サイド部にはディンプル(凹み)も設けられ、空気抵抗低減にも配慮専用の低燃費ゴムであるナノブレンドゴムを採用前モデルであるDNA Earth-1に比べ、ドライ性能を向上。ウエット性能は大幅に進化している

BluEarth-1

BluEarth-1(ブルーアース・ワン)

発売年月:2011年3月
転がり抵抗性能:AAA
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:185/65R15 88H、195/65 R15 91H、215/45 R17 91Wの全3サイズ
製品情報:http://www.yokohamatire.jp/yrc/japan/tire/brand/bluearth/bluearth1.html

 転がり抵抗性能で最高評価となるAAAを獲得した低燃費シリーズのフラッグシップタイヤがBluEarth-1だ。

 トレッドゴムには、複数のポリマーやシリカ、オレンジオイルなどを最適に配合するとともに、化学反応も制御したナノブレンドゴムを採用。通常走行時は発熱を抑えつつ、コーナリングやブレーキング時には発熱、さらに耐久性も高めている。また、タイヤパーツと構造を見直すことで、約17%の軽量化を実現。サイド部にはディンプルサイドを採用することで、走行時の空気抵抗を低減している。

 空気圧の低下も転がり抵抗に影響を与えるため、インナーライナーに空気漏れの少ないエアテックス アドバンスドライナーを採用。そのほか、静粛性を高めるサイレントリングにより静粛性と快適性も確保している。

 

複数のポリマーとシリカ、オレンジオイルを最適にブレンドし、低燃費、ウエットグリップ、耐摩耗をバランスさせたナノブレンドゴムタイヤサイド部にゴルフボールのようなディンプルを設けることで空気抵抗を低減インナーライナーには、ゴムと樹脂の特性を併せ持つエアテックス アドバンスドライナーを採用

BluEarth RV-01

BluEarth RV-01(ブルーアース・アールブイゼロワン)

発売年月:2011年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:b
サイズラインアップ:195/65 R15 91H~245/35 R20 95Wの全24サイズ
製品情報:http://www.yokohamatire.jp/yrc/japan/tire/brand/bluearth/bluearth_rv01.html

 横浜ゴムの低燃費タイヤ「BluEarth」シリーズにミニバン専用のプレミアムタイヤとしてラインアップされたのが、BluEarth RV-01だ。

 新開発のナノブレンドゴムには、複数のポリマーをそれぞれの特性を最大限に引き出す比率で配合。さらにオレンジオイルやシリカの結合力をあげるため、化学反応も制御。低燃費とウエットグリップ、耐久性を高次元でバランスさせた。

 構造やプロファイルも一新し、剛性を確保。ミニバン特有のふらつきを抑え、安定感のある走りを実現している。トレッドパターンには伝統のGRAND mapのトレッドパターンを採用し後部座席での静粛性を向上。さらに偏平率50以下のサイズには、インナーライナーにエアテックス アドバンスドライナーを採用し、空気圧の低下を抑制する。

最適な配分で配合し、化学変化も制御して作ったナノブレンドゴムが、燃費性能、ウエットグリップ性能、耐摩耗性能を高次元でバランスオレンジオイルがゴムをしなやかにし、路面への追従性を向上。ウエットグリップを向上している伝統のトレッドパターンを継承しつつ、プロファイルの見直しにより剛性をアップ。ミニバンでのふらつきを抑える

BluEarth AE-01

BluEarth AE-01(ブルーアース・エーイーゼロワン)

発売年月:2010年7月
転がり抵抗性能:AA
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:145/80 R13 75S~215/60 R16 95Hの全32サイズ
製品情報:http://www.yokohamatire.jp/yrc/japan/tire/brand/bluearth/bluearth_ae01.html

 転がり抵抗を低減するため、新素材の「低発熱ポリマー」を採用。これは通常のポリマーに比べ分子鎖を長くしたもの。結果的に振動して発熱する末端部分の数を減らすことができ、さらに末端部分も発熱しにくい形状としたことで余分な発熱を抑え、低燃費性能を実現している。さらにオレンジオイルを配合。オレンジオイルはタイヤ表面のゴムをしなやかにし、路面への密着度を上げグリップを向上。また、オレンジオイルはブレーキやコーナリングで負荷が掛かった際にゴムが発熱するのを促進する。

 BluEarth AE-01では、ゴムだけでなく、低燃費シミュレーションにより、トレッドパターンやプロファイルにおいても、エネルギーロスを細かく検証し、転がり抵抗を低減。またタイヤ自体の軽量化も行っている。結果的に、同社別銘柄のタイヤ(ES300)との比較で、転がり抵抗が24%低減、燃費では3.2%向上している。

低発熱ポリマーの分子構造のイメージ。一般的なポリマー(左図)と比べ、低発熱ポリマー(右図)は分子鎖が長く末端部分が振動しにくい形状にグリップ性能のイメージ。通常巡航時は発熱を抑えて燃費をよくし、ブレーキなどのアクションが起こると発熱して従来品と同等のグリップを発生する「低燃費シミュレーション」により、トレッドパターンやプロファイルによるエネルギーロスも追求。赤い部分がエネルギーロスを表す

DNA Earth-1

DNA Earth-1(ディーエヌエー アースワン)

発売年月:2008年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:b~c
サイズラインアップ:155/65 R13 73H~275/30 R20 95Wの全79サイズ
製品情報:http://www.yokohamatire.jp/yrc/japan/tire/brand/dna/dna_earth1.html

 シリカを配合した「ナノパワーゴム」に、天然ゴムとオレンジオイルを使った「スーパーナノパワーゴム」の技術を採用。オレンジオイルがゴム分子をしなやかにすることで接地面では路面にミクロレベルでしなやかに密着。グリップ力をアップする。さらにオレンジオイルはブレーキやコーナリングなどでタイヤのゴム分子が激しく動く際には発熱を促進する。これにより低燃費性能とグリップ性能を両立したと言う。

 トレッドパターンは、排水性を考慮した4本のワイドストレートグルーブや、インチアップした際にも偏摩耗を抑制するウェアコントロールショルダーなどを採用。サイズラインアップが多いのも特徴で、特にインチアップ向けのローハイトサイズでは新設計のフィラーを採用。ラウンドしたショルダー部を持つプロファイルも併せて、突き上げ感を抑えた乗り心地を実現している。

オレンジオイルが、絡み合ったゴム分子のすき間に入り込み、ゴムをしなやかにする通常走行時は従来の低燃費ゴムと同レベルの発熱でありながら、ブレーキなどのアクションがあるとオレンジオイルが発熱を促進し高いグリップ性能を生む静粛性や偏摩耗を抑制することも踏まえて作られたトレッドパターン。ワイドな4本のグルーブで排水性も確保する

日本ミシュランタイヤ
http://www.michelin.co.jp/

Primacy LC

Primacy LC(プライマシー エルシー)

発売年月:2009年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:195/60 R15 88V~245/45 R19 98Yの全28サイズ
製品情報:http://www.michelin.co.jp/tyre/patterndetail/PassengerCar/PrimacyLC

 低燃費タイヤでありながら静粛性にもこだわったプレミアムタイヤがPrimacy LCだ。ゴムには分子間の摩擦抵抗が少ないという「フルシリカコンパウンド」を採用。さらにコンパウンドの柔軟性を高めることで、路面の細かな凹凸にもフィットし、ドライ、ウエットを問わず高いグリップ力を発生する。

 プレミアムタイヤとしての静粛性を確保するために、トレッドには「サイレント・リブテクノロジー」を採用。リブを横方向に切り取ったときに、どの部分でも溝とブロックの幅の比率が一定となるように設計することで、パターンノイズの原因であるトレッドブロックの振動を抑えている。さらにショルダーブロックは4つのピッチバリエーションを持たせることで音の周波数帯を分散、またトレッドコンパウンドには振動を抑制するものとして、ロードノイズを低減している。これらの技術により、特に人の耳に聞こえやすい音域のパターンノイズを低減したと言う。

横断面を見たときに常にブロックと溝の割合が同じになるように設計したサイレント・リブテクノロジー特に人間の耳に聞こえやすい音域のパターンノイズを低減することで静粛性をアップ

ENERGY SAVER

ENERGY SAVER(エナジー セイバー)

発売年月:2009年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:185/55 R14 80H~215/60 R16 99H XLの全25サイズ
製品情報:http://www.michelin.co.jp/tyre/patterndetail/PassengerCar/EnergySaver

 従来モデル(ENERGY3)と比較し、転がり抵抗を約7%低減しながら、ウエット制動距離では約6%向上したという低燃費タイヤ。コンパウンドには転がり抵抗を低減しつつウエット制動性を向上するという「フルシリカコンパウンド」を採用。コンパウンドのミキシング工程では、フルシリカの性能を引き出すように最適化している。加えて、「デュラブルセキュリティ・コンパウンドテクノロジー」により、摩耗が進んだ際にもコンパウンドの剛性や特性が変化するのを抑え、グリップ力の低下を防いでいると言う。

 トレッドパターンはインサイド・アウトサイド指定の非対称パターン。センターに配置したストレートグルーブと独自のサイピングにより、排水性とグリップ性能を向上している。また車重を考慮して2タイプのトレッドパターンを用意している。これにより、コンパクトカーからミディアムカーまでさまざまな車種で安定した走りを実現する。

 ロングライフ設計としたのもENERGY SAVERの特徴で、トレッドの接地面を均一化することでグリップ性能を最大限に確保するとともに、偏摩耗を防ぐなど、耐摩耗性も考慮。ランニングコストにも貢献している。

ENERGY3との比較では、転がり抵抗で約7%低減、ウエット制動距離で約6%低減しているトレッドパターンはインサイド・アウトサイド指定の非対称パターン。さらに14インチタイヤではトレッドパターンを変更している

グッドイヤー
http://www.goodyear.co.jp/

イーグル LS EXE

イーグル LS EXE(エルエス エグゼ)

発売年月:2012年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:b~c
サイズラインアップ:165/60 R14 75H~235/30 R20 88W XLの全63サイズ
製品情報:http://www.goodyear.co.jp/products/tires/lsexe/lsexe.html
発表会記事:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20111215_498983.html
レビュー記事:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120203_509387.html

 イーグル LS EXEは、“走りの楽しさを味わえるツーリングエコタイヤ”というコンセプトの低燃費タイヤ。ラベリング制度のグレードは、転がり抵抗性能がA、ウエットグリップ性能がb~c(165/60 R14 75Hのみc)。低燃費タイヤは、これからの夏タイヤとしては基本的な用件であり、それを満たした上で、グリップ性能やハンドリングの“キレ”のよさなど走りの面を強く打ち出している。

 トレッドパターンは非対称パターンを採用し、イン側とアウト側のパターンを異なるものにすることでシャープなハンドリングを追求。タイヤ構造もEXE専用の高剛性コンストラクションとすることで、高速走行時のタイヤ変形を抑え、操縦安定性を高めている。また、ロングライフポリマーをコンパウンドに配合することでタイヤライフを向上。イーグル LS2000HybridIIに比べ、転がり抵抗性能を7%低減、ウエットグリップ性能を8%向上している。

シャープなハンドリング性能のために非対称パターンを採用タイヤ構造も高剛性にすることで、高速域での操縦安定性を向上低燃費性能もきっちり確保。LS2000HybridIIに比べ、転がり抵抗性能を7%低減している

GT-Eco Stage

GT-Eco Stage(ジーティーエコステージ)

発売年月:2011年2月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:145/80 R13 75S~215/55 R17 94Vの全41サイズ
製品情報:http://www.goodyear.co.jp/products/tires/gtecostage/gtecostage.html

 GT-Eco Stageは、低燃費性能を向上し、転がり抵抗でA評価、ウエットグリップ性能でc評価を実現したスタンダードタイヤ。

 新開発のe-Hybridコンパウンド type-ESには、低発熱ソリューションポリマーを採用。ポリマーの末端が補強剤と結合しているため、余分な動きがなく、エネルギーロスを防ぐ。さらに、屈曲性や結合力にも強いため、はがれにくく、耐摩耗性も向上している。

 直接路面とは接しない下層のゴムには、発熱しにくい天然ゴムを使った低発熱ベースゴムを採用。またサイド部には硬軟2種類のゴムを組み合わせることで、発熱を抑えながら操縦性と乗り心地を両立。さらにトレッドパターンは、サイズに合わせて4リブと5リブタイプを用意。操縦安定性やウエット性能を確保するとともにe-Streamパターンにより偏摩耗も抑制する。

従来モデルと比べロングライフ性能で10%、転がり抵抗性能で17%向上低発熱ソリューションポリマーの末端が補強剤と結合し、無駄な発熱を防ぐ断裂が起きにくく耐久性にも優れるe-Hybridコンパウンド

EfficientGrip

EfficientGrip(エフィシエントグリップ)

発売年月:2009年10月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:b
サイズラインアップ:185/65 R15 88H~205/60 R16 92Hの全5サイズ
製品情報:http://www.goodyear.co.jp/products/tires/efficientgrip/efficientgrip.html

 転がり抵抗を低減しながらも、ドライ・ウエットともに高いグリップを確保したというEfficientGrip。トレッド部には、専用開発されたトレッドコンパウンドを採用し、転がり抵抗を低減するとともに、ウエット路でのブレーキングやコーナリング時に、安定したグリップを発揮。さらにベースコンパウンドには、発熱や振動を効果的に吸収・緩衝する「クールクッションレイヤー」を、タイヤの骨格周辺には、転がり抵抗低減に効果のある「低発熱コンパウンド」を採用している。

 トレッドパターンはインサイド・アウトサイド指定の非対称パターンを採用。排水性能とグリップ、直進安定性を高次元でバランスさせている。

トレッド部にはシリカと専用ポリマーを使ったコンパウンドを採用。転がり抵抗を低減しつつウエットでのグリップを確保しているベースコンパウンドには発熱や振動を吸収・緩衝する「クールクッションレイヤー」を採用タイヤの骨格周辺には、転がり抵抗を低減する「低発熱コンパウンド」を採用


トーヨータイヤ(東洋ゴム工業)
http://toyotires.jp/

NANOENERGY 1

NANOENERGY 1(ナノエナジー・ワン)

発売年月:2012年2月
転がり抵抗性能:AAA
ウエットグリップ性能:b
サイズラインアップ:195/65 R15 91Hの全1サイズ
製品情報:http://toyotires.jp/catalog/ne1.html
製品説明会:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20111202_495402.html

 同社の乗用車用タイヤの新ブランドとして登場した「NANOENERGY」シリーズは、独自のナノ技術から創出していくグリーンエネルギーの世界観をイメージしてネーミングされた。同シリーズは「NANOENERGY 1」が発売中で「NANOENERGY 2」を6月に発売する。

 これまで転がり抵抗性能「AAA」を実現しながら、ウエットグリップ性能を「c」から「b」へグレードアップさせることが高いハードルとなっていたが、NANOENERGY 1では「AAA/b」を実現しており、AAA/bグレードの市場投入は日本初と言う。

 AAA/bグレードを実現した技術としては、ナノレベルでの分析/解析/素材設計/加工といった4つの技術要素を体系化した「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」が挙げられ、この技術を駆使してトレッドコンパウンドにフィラーを増量した。さらにグリップポリマーを配合して開発した新コンパウンドを採用するとともに、パターンではリブ幅の最適化と周方向サイプ配置により、制動時の接地圧分布の均一化を図ることでウエットグリップ性能を向上させている。

 また、低燃費プライトッピングコンパウンドの採用や部材レベルでの低燃費化により、転がり抵抗も低減している。

トレッドコンパウンドのシリカとカーボンを増量し、さらにグリップポリマーを配合することでウェット性能を向上リブ幅の最適化と周方向サイプ配置により、制動時の設置圧分布を均一化させることで、制動時の接地圧を均一化。これによりウェット性能がさらに向上したと言う背同時の接地圧分布の均一化により、ウェットグリップを向上

TRANPATH mpF

TRANPATH mpF(トランパス・エムピーエフ)

発売年月:2011年3月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:b~c
サイズラインアップ:155/65 R13 73S~235/50 R18 101Vの全48サイズ
製品情報:http://toyotires.jp/catalog/tampf.html

 1995年にいち早くミニバン専用タイヤとしてリリースされた「TRANPATH mp」シリーズ。その最新モデルが、ラベリング制度で転がり抵抗性能A、ウエットグリップ性能b(一部サイズはc)を確保し、低燃費タイヤとして登場した。

 背の高いミニバンでも優れた操縦安定性を実現するため、非対称パターンを採用。従来より評価の高かったトリプルトレッド構造をさらに進化。さらに、コンパクトクラスからLLクラスまでどのミニバンでも高い操縦安定性と乗り心地を両立するため、サイズ別に構造を最適化している。

 また、転がり抵抗低減とウエットグリップ向上のため、トレッドゴムにはシリカとアクティブポリマーを最適に配合。さらに制動時に接地面積が増えるイン側にはグリップポリマーを採用することで、従来モデルと比べ転がり抵抗で24%、ウエット制動性能で10%向上している。

イン側とアウト側でトレッドパターンを非対称とすることで、ウエット性能と操縦安定性を向上トレッドゴムにはシリカとアクティブポリマーを最適に配分。イン側のトレッドにはさらにウエット性能重視グリップポリマーを配合するベースコンパウンドには低発熱カーボンブラックとハイテクポリマーを配合。剛性を維持しつつ発熱を抑え、転がり抵抗を低減

SUPER ECO WALKER

SUPER ECO WALKER(スーパーエコウォーカー)

発売年月:2010年7月
転がり抵抗性能:AAA
ウエットグリップ性能:c
サイズラインアップ:195/65 R15 91Hの1サイズ
製品情報:http://toyotires.jp/catalog/sew.html

 日本で最初に転がり抵抗性能でAAAを獲得したのがこのSUPER ECO WALKER。トレッド面のゴムには、「スーパーアクティブポリマー」を採用。このポリマーは末端がシリカと繋がるため、無駄な振動を抑え、さらに高反応ポリマーのため、シリカが分散し、シリカ同士の摩擦を低減。さらにグリーンパウダーを採用することでエネルギーロスを低減している。

 ベース部のゴムには低発熱カーボンを採用。アクティブポリマーを結合させ、さらにシリカを配合することでエネルギーロスを減らしている。また、サイドウォールも同様にアクティブポリマーと低発熱カーボンを結合させ、さらにハイテクポリマーを加えることで剛性を確保している。

 タイヤプロファイルも接地した際の歪みを低減しエネルギーロスを減らす歪低減プロファイルを採用。トレッドパターンも最適化することで、接地圧分布を均一にし、転がり抵抗を低減しつつウエット制動性能、耐摩耗性を向上している。

高反応ポリマーによりシリカを分散し、さらにポリマーの末端をシリカに結合させることで無駄な発熱を抑えるトレッド部に使われているコンパウンドのイメージ。シリカが分散し、スーパーアクティブポリマーがシリカに結合しているプロファイルを見直すことで接地した際の歪みを低減。赤い部分が減っているのが分かる

ECO WALKER

ECO WALKER(エコウォーカー)

発売年月:2009年10月
転がり抵抗性能:A
ウエットグリップ性能:c~d
サイズラインアップ:155/65 R13 73S~215/55 R17 94Vの46サイズ
製品情報:http://toyotires.jp/catalog/ew.html

 トレッド部には「低燃費トレッドキャップコンパウンド バージョン ECO WALKER」を採用。これはシリカとそれに結合するアクティブポリマー、グリーンパウダーなどを採用した高反発なゴムで、高反発なほどエネルギーロスが少なく転がり抵抗も小さいのだと言う。さらに耐摩耗カーボンを最適に配合することで耐久性も向上している。

 また、タイヤ全体を見直すことで、従来品と比べ約10%の軽量化をしている。トレッド幅を最適化し、スリムにして転がり抵抗も減らす「軽量低燃費最適プロファイル」とし、軽量化による剛性の低下を防ぐため、「超高硬度ビードフィラー」や「高硬度プライトッピング」を採用している。軽量化は燃費向上へ貢献するほか、路面追従性がよくなり、乗り心地も向上する。

 さらに接地形状と接地圧を最適化することで耐摩耗性にも配慮。トレッドパターンには、3Dマルチサイプを用いて偏摩耗を抑制するとともにウエット性能も向上。またサイレントウォールやノイズプロテクションシートなど、静粛性にも配慮されている。

低燃費トレッドキャップコンパウンド バージョン ECO WALKERのイメージ。アクティブポリマーが末端でシリカに結合している燃費向上のため、タイヤ全体での軽量化も行っており、その分剛性を確保するための工夫がなされるECO WALKERに採用される様々な技術

(編集部)
2012年 3月 27日