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ボルボ、新安全・運転支援システム「IntelliSafe10(インテリセーフ・テン)」発表、国内販売全車種に標準装備

10種類以上の先進安全装備と運転支援機能によって乗員を保護

2014年12月18日発表

 ボルボ・カー・ジャパンは12月18日、日本国内で販売する全モデルに、新安全・運転支援システム「IntelliSafe10(インテリセーフ・テン)」を標準装備して発売すると発表した。

 これまで同社は安全・運転支援システムを「セーフティ・パッケージ」と呼んでいたが、新たに「リアビューカメラ」を追加し、計10種類以上からなる先進安全装備および運転支援機能を「IntelliSafe10」に変更。国内で販売する全モデル、全グレードに標準装備することを明らかにした。

 同社は運転者をアシストする「Assist(アシスト)」、事故を未然に防ぐ「Prevent(プリベント)」、万一の際に全ての乗員を守る「Protect(プロテクト)」の3つの領域に包括的に取り組む安全哲学を「IntelliSafe(インテリセーフ)」と呼んでいる。今回の「IntelliSafe10」では、10種類以上の先進安全装備および運転支援機能によって乗員の安全を守るという(車種によって標準装備の内容は異なる)。

 IntelliSafe10の内容は以下のとおり。

「歩行者・サイクリスト検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システム(ミリ波レーダー・デジタルカメラ・赤外線レーザー方式)」
フロントグリル内に組み込まれたミリ波レーダー、フロントガラスに装着されたデジタルカメラと赤外線レーザーやコントロールユニットによって構成。

ミリ波レーダーは前方の障害物を検知して、その位置と物体までの距離を常に測定し、カメラは物体の種類を識別。赤外線レーザーおよびデュアルモード・レーダー(ロングレンジ、ワイドレンジ)の広いスキャンエリアによって対象物の検知を容易にしている。

高解像度カメラは緊急時に止まるべき車両、歩行者、サイクリストを識別。4~200km/hの範囲で作動し、35km/h以下では衝突を回避、それ以上の速度では前走車との速度差に応じて追突を回避または軽減する。対人検知は4~80km/hの範囲で作動、夜間は解除される。

全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
任意に設定した走行速度内で、前方走行車両との安全な車間距離を一定に保ちながら追従するクルーズ・コントロール機能。30km/hまでの低速走行時は、前方車両が停止するまで自動的に追従し、ステアリングのボタンを押すかアクセルを踏みこむと追従を再開。30km/h以上では、希望の走行速度と前方車両との最低時間差を選択するだけで、必要に応じて速度を調整。レーダーが前方に低速走行車を検知すると、その車両の速度に自動的に合わせる。また進行に支障がない場合は、設定走行速度に復帰する。

車間警告機能
ACCが作動していないときでも常に前方走行車両との車間距離を検知し、接近しすぎると前方車両との適切な車間距離を保つよう、フロントガラスの低い位置に警告灯が点灯。適切な車間距離を保つようドライバーに注意を促す。

DAC(ドライバー・アラート・コントロール)
65km/h以上で走行中に路面上の車線、ステアリングの動きに加え、走行の軌道をデジタルカメラなどを使用して総合的にチェック。通常のドライビングスタイルから逸脱した操作や、疲労や眠気など注意力散漫な傾向を検知すると警告音を発し、同時にメーターパネルに休憩を促すメッセージを表示。

LDW(レーン・デパーチャー・ウォーニング)
65km/h以上で走行中にデジタルカメラが車線を記録し、路上の車の位置を監視。ドライバーが意図せず車線を越えたと判断した場合に警告音を発する。ウィンカーを出して意図的に車線を越えた場合は作動しない(V40、V40Cross Country、S60/V60 T5エンジン搭載車除く)。

LKA(レーン・キーピング・エイド)
65km/h以上で走行中にデジタルカメラで自車が走るべき車線を監視し、守るようにサポートする機能。ドライバーが気づかないうちに蛇行した際には、車線に近づくと車線内にとどまるようにステアリングを穏やかに自動修正する。それでも車線逸脱をしてしまうような場合は、ステアリングを振動させてドライバーに警告を発する(V40、V40 CrossCountry、S60/V60 T5エンジン搭載車に標準装備)。

BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)
ミリ波レーダーセンサーまたはドアミラー下部に装着されたCCDカメラによって、車両両側後方や側面のミラーの死角を併走しているクルマやバイクを監視。その存在をインジケーターでドライバーに知らせ、より安全な車線変更をサポートする。

LCMA(レーン・チェンジ・マージ・エイド:急接近車両警告機能)
ミリ波レーダーセンサーによって常に後方の道路状況を監視。車両の両サイドから急接近する、衝突までの時間が3.5秒未満、70m以内で急接近する車両をインジケーターで警告し、その存在を知らせる(V40、V40 Cross Country、S60/V60/XC60に標準装備)。

CTA(クロス・トラフィック・アラート)
ガレージなど視界がさえぎられた駐車スペースから後進でクルマを出す際に、左右から接近してくる車両などを検知、ドライバーへ警告を与える。リアバンパー左右のミリ波レーダーはそれぞれ半径30m、80度の扇状の範囲で車両を検知、リバースギアに入れると自動的に作動する(V40、V40 Cross Country、S60/V60/XC60に標準装備)。

RSI(ロード・サイン・インフォメーション)
デジタルカメラにより道路の制限速度や追い越し禁止標識等をチェックし、その情報をメーターパネル内に表示。5km/h以上制限速度を上回った際には、シンボルが一時的に点滅して警告を発するよう設定することも可能。重要な道路標識情報の見逃しを防ぎ、安全な走行をサポートする。

リアビューカメラ
車両後方の映像をディスプレイに映し出し、後進時の安全確認を容易にする。また、ディスプレイ上に表示される誘導ラインに沿うことで、より安全かつスムーズな駐車が可能となる。

全席シートベルト・プリテンショナー
衝突時にシートベルトのゆるみを取りのぞき、より確実に座席に体を固定することで、乗員が前方に飛び出すことを防ぐ機構。ボルボでは前席だけでなく、後列真ん中のシートも含めた全5席にこの乗員保護機能を備えている(S60、V60、V70、XC70、S80)。

フル・アクティブ・ハイビーム
カメラセンサーを利用して対向車のヘッドライトや先行車両のテールライトを検知し、対象となる車両の両サイドではハイビームを維持しながらも、車両に直接向けられる部分のみをロービームで照射し、眩惑を防ぐ。対向車や先行車両のドライバーにまぶしい思いをさせることなく、常に明るく広い視界を確保できる。20~150km/hで作動。対向車は400m~700m、先行車は300mまでの範囲で反応する(S60/V60 T4SE 以上、XC60 T5 SE以上のグレードに標準装備)。

アクティブ・ハイビーム
ヘッドライトスイッチをオートモードに設定してハイビームを選択した場合、カメラセンサーが対向車のヘッドライトや先行車両のリアライトを検知し、自動的にハイビームからロービームへと切り替える。センサーが、そのようなライトを検知しなくなると約1秒後にハイビームに戻る(V40、V40 Cross Country、S60/V60 T4、V70、XC70、S80に標準装備)。

(編集部:小林 隆)