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ボルボ、2022年生産開始の次世代車にルミナーのLiDAR技術採用。高速道路上で完全自動運転技術を実現へ
次世代型プラットフォームのモジュラー・アーキテクチャー「SPA 2」に搭載
2020年5月8日 18:12
- 2020年5月6日(現地時間) 発表
ボルボ・カーズは5月6日(現地時間)、シリコンバレーに拠点を置くテクノロジー企業のルミナー(Luminar)との提携を発表。この提携によりボルボ・カーズは、ルミナーのLiDAR(ライダー)と検知技術を次世代型のボルボ車に導入して、ボルボ初の高速道路上での完全自動運転技術を実現させるという。
ボルボ・カーズでは、次世代型プラットフォームのモジュラー・アーキテクチャー「SPA 2」にルミナーのLiDARをルーフに継ぎ目なく一体化させ、2022年の生産開始時から自動運転に対応可能なハードウェアとして提供予定。
SPA 2をベースにした車両では、無線ネットワーク通信でソフトウェアのアップデートが行なわれ、ドライバーの選択により個々の地理的な場所や条件が安全であると確認された時点で、高速道路の完全な自動運転を可能にする「ハイウェイ・パイロット機能」が有効になるという。
ボルボ・カーズの最高技術責任者ヘンリック・グリーン氏は「自動運転は、責任を持って安全に導入されることによって、歴史上最も人命を救う技術の1つになる可能性を秘めています。正しい判断が行われるために必要となる視界を将来のボルボ車に与えることは、安全に走るうえで重要なステップとなります」とコメント。
ルミナーの技術は、高性能のLiDARセンサーをベースにしており、数百万パルスのレーザー光を発して、実際の環境を3Dスキャンすることで物体の位置を正確に検出して、インターネット接続を必要とせずに一時的なリアルタイムの地図を作成。LiDARはカメラやレーダーだけでは得られない信頼性の高い視覚と知覚を提供するため、複雑な環境下において迅速に安全な意思決定を行なうための理想的な基盤になるという。
また、ハイウェイ・パイロット機能を実現するために、ルミナーの検知技術は、自動運転ソフトウェアと、今後のボルボの自動運転車に搭載されるカメラ、レーダー、ステアリング、ブレーキ、バッテリーなどの機能のバックアップ・システムと組み合わせて使用される。
グリーン氏は「間もなく、あなたのボルボは、クルマが安全だと判断したときに、高速道路で自動運転ができるようになります」と述べるとともに、「その時点で、あなたのボルボが運転に責任を持ち、あなたはリラックスして道路から目を離し、ハンドルから手を離すことができます。時間の経過とともに、無線ネットワーク通信のアップデートにより、クルマが自ら運転できる領域を拡大していきます。私たちにとって、安全な自動運転の導入は、段階的であるべきなのです」とコメントした。
ボルボ・カーズとルミナーでは、LiDARの役割としてハイウェイ・パイロット機能の実現に加えて、将来の先進運転支援システム(ADAS)の改善についても検討しており、将来的にはSPA2ベースのすべてのクルマにLiDARセンサーが標準装備される可能性があるとしている。
さらに、今回の発表の一環としてボルボ・カーズとルミナーは共同でLiDAR技術の量産化に向けた協力関係を深めるとともに、ボルボ・カーズはルミナーの少数株主持分を増やすことができる契約も交わしている。
ルミナー創業者でCEOのオースティン・ラッセル氏は「ボルボは、人命を守る最先端の安全技術の標準化を業界全体で推進してきた自動車の安全分野におけるパイオニアとして認知されています」と述べ、「安全性における次の時代は自動運転にあり、今回もボルボは業界をリードして大きなマイルストーンを達成しました。私たちは、量産化を可能にするためのコスト、性能、自動運転レベルの重要な課題を解決しボルボとともにこの技術を世界に提供していきます」とコメントした。