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国交省、自動運転車の安全基準やステッカーデザインを公表

2020年3月31日 発表

自動運転車の車体後部に貼付するステッカー

 国土交通省は3月31日、安全な自動運転車の開発・実用化・普及を図ることを目的にした自動運転車に関する安全基準を策定するとともに、周囲に自動運転車であることを分かりやすく表示するために自動運転車に貼付するステッカーデザインを公開した。

 同省では、国が定める保安基準の対象装置に追加された「自動運行装置」に係る規定が4月1日に施行されることを受けて、自動運行装置の安全基準等を策定。「道路運送車両の保安基準」(昭和26年運輸省令第67号)等について所要の改正等が行なわれた。

 今回、策定された自動運行装置の安全基準では、自動運転車を安全に運行するための5つの性能のほか、作動状態記録装置を搭載して自動運行装置のON/OFFの時刻、引継ぎ警報を開始した時刻、運転者が対応可能でない状態となった時刻などを6か月間にわたり(又は2500回分)記録できること、また、外向け表示として自動運転車であることを示すステッカーを車体後部に貼付することが策定された。

 自動運行装置の安全基準に関するの概要は以下の通り。

自動運行装置の安全基準

性能

1:走行環境条件(場所[高速道路のみなど]、天候[晴れのみなど]、速度など自動運転が可能な条件。この条件はシステムの性能によって異なる)内において、乗車人員及び他の交通の安全を妨げるおそれがないこと

2:走行環境条件外で、作動しないこと

3:走行環境条件を外れる前に運転操作引継ぎの警報を発し、運転者に引き継がれるまでの間、安全運行を継続するとともに、引き継がれない場合は安全に停止すること

4:運転者の状況監視のためのドライバーモニタリングを搭載すること

5:不正アクセス防止などのためのサイバーセキュリティ確保の方策を講じることなど

作動状態記録装置

自動運行装置のON/OFFの時刻、引継ぎ警報を開始した時刻、運転者が対応可能でない状態となった時刻などを6か月間にわたり(又は2500回分)記録できること

外向け表示

自動運転車であることを示すステッカーを車体後部に貼付(メーカーに要請)

走行環境条件の付与手続き

1:場所、天候、速度など自動運転が可能となる状況などを記載した申請書などを国土交通大臣に提出

2:国土交通大臣は当該状況における自動運行装置の性能が保安基準に適合すると認めたときは条件を付与

その他

無人移動サービス車の実用化などにおいても基準緩和認定制度を活用できるよう措置など

国土交通省が公開した自動運行装置の保安基準等の概要に関する資料