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国交省、レベル3自動運行装置に関する国際基準の初成立を公表

日本は官民オールジャパン体制で議論をリード

2020年6月25日 発表

自動運行装置の国際基準の概要

 国土交通省は6月25日、自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場である、国連のWP29(自動車基準調和世界フォーラム)の第181回会合にて、初めて「乗用車の自動運行装置レベル3」と、「サイバーセキュリティおよびソフトウェアアップデート」の国際基準が成立したことを公表した。

 2019年6月にWP29において自動運転のフレームワークドキュメントに合意し、日本はWP29傘下の専門家会議などにおいて共同議長などを担い、官民オールジャパン体制で議論をリード。そして第181回会合は2020年6月24日(日本時間深夜)にウェブ会議の形式にて開催され、そこで下記の国際基準が成立した。

自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の概要。日本は自動運行装置などの基準化に向け、WP29傘下の専門家会議などにおいて共同議長といった役職を担い、官民オールジャパン体制で議論をリードしてきた
自動運行装置の国際基準の主な要件

・自動運転システムが作動中、乗車人員および他の交通の安全を妨げるおそれがないことについて、注意深く有能な運転者と同等以上のレベルであること。
・運転操作引き継ぎの警報を発した場合において、運転者に引き継がれるまでの間は制御を継続すること。運転者に引き継がれない場合はリスク最小化制御を作動させ、車両を停止すること。
・運転者が運転操作を引き継げる状態にあることを監視するためのドライバーモニタリングを搭載すること。
・不正アクセス防止などのためのサイバーセキュリティ確保の方策を講じること。
・自動運転システムのON/OFFや故障などが生じた時刻を記録する作動状態記録装置を搭載すること。
・上記の要件について、シミュレーション試験、テストコース試験、公道試験および書面を組合せて、適合性の確認を行なうこと。
(例:他車の割り込みなどが起こりうる状況において、注意深く有能な運転者の反応速度や制動力などのモデルに基づいて回避可能と考えられる衝突を、当該自動運転車が回避できることを確認)

サイバーセキュリティおよびソフトウェアアップデートの国際基準の主な要件
サイバーセキュリティおよびソフトウェアアップデートの国際基準の概要

・サイバーセキュリティおよびソフトウェアアップデートの適切さを担保するための業務管理システムを確保すること。
・サイバーセキュリティに関して、車両のリスクアセスメント(リスクの特定・分析・評価)およびリスクへの適切な対処・管理を行なうとともに、セキュリティ対策の有効性を検証するための適切かつ十分な試験を実施すること。
・危険や無効なソフトウェアアップデートの防止や、ソフトウェアアップデート可能であることの事前確認等、ソフトウェアアップデートの適切な実施を確保すること。

国内の対応

 国内においては、2020年4月1日に今回の国際基準の成立に先行して、これと同等の内容の自動運行装置などの基準を施行している(関連記事:「国交省、自動運転車の安全基準やステッカーデザインを公表」)。

自動運転技術に係る国際基準検討体制の概要
自動運転車の車体後部に貼付するステッカー