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【インタビュー】NVIDIA「Tegra 3」を採用したホンダ・コネクト搭載「シビック」が登場したパリショー
NVIDIA オートモーティブ事業部 事業本部長 ダニー・シャピーロ氏に聞く
(2015/1/5 00:00)
2014年10月に開催されたパリモーターショーで、NVIDIAは本田技研工業の新しいインフォテイメント・システム「Honda Connect(ホンダ・コネクト)」に同社の「Tegra」ソリューションが採用されたことを発表した。
●新型「シビック」に搭載されるホンダの新型インフォテイメント「Honda Connect」にNVIDIA「Tegra」を採用
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141002_669567.html
ホンダ・コネクトは、オーディオシステム、インターネットアクセス、ナビゲーション、車両情報などさまざまな機能を併せ持つ、次世代のインフォテイメント・システムになる。
NVIDIAは、ホンダと共同でTegraソリューションを導入したこのシステムを開発し、ハードとソフトの両面から、サポートや提案を行ったという。具体的には、車載向けTegra 3のSoC(System on Chip)とAndroid4.0.4を使用している。
パリモーターショーの会場でホンダ・コネクトに採用されたTegraソリューションについての説明をしてもらったのは、NVIDIA オートモーディブディレクター、ダニー・シャピーロ氏。NVIDIAのオートモーディブ部門を統括するシャピーロ氏によると、「ホンダとのソリューション共同開発は数年前に始まりました。ソフトウエアの開発には時間が掛かります。それに、多くの項目を新たに取り入れたので、数年間に及ぶ共同作業が必要となりました」「NVIDIAの自動車部門のスタートは約10年前で、最初に手を組んだのはルノーやフィアットといった欧州の自動車メーカーになります。その後、BMWグループやVWグループ、テスラなど多くの自動車メーカーにNIVDIAのSoCを採用いただいています。現在ではその規模は大きくなり、今回のホンダを含めて17社になりました。日本のメーカーではホンダが最初の顧客となります。まずは、欧州モデルからの採用となりますが、ほかの発表もできると思っています。ホンダとの関係も始まったばかりですし、今後は日本の自動車メーカーとも作業を行っていきたいです」とのことで、ホンダ・コネクトを開発には数年の時間がかかっているという。日本の自動車メーカーとは初めてのタッグとなったが、今後は他のメーカーも含めて積極的に開発を行っていきたいとした。
ホンダ・コネクトに採用されたソフトとハード
ホンダ・コネクトに搭載するNVIDIAのソリューションについて聞いたところ、「SoCは、自動車用のチップとなるTegra 3を導入しています。グラフィックス、オーディオ、イメージ、ビデオプロセッサーとなり、幅広い温度レンジに対応しているのが特徴です。我々のソリューションは、ソフトとハードを共同で提案できるのが強みとなっています。ホンダ・コネクトには、Tegra3にAndroidを組み合わせています。Tegra3との合わせることで、より多くの情報を簡単に素早く表示させることができます。また、シンプルな操作性にもこだわっていて、このソリューションならば7インチのモニター上で、スマートフォンと同様の操作により、ホンダ・コネクトを作動させることができます」とのこと。
ホンダ・コネクトは、Honda APPから好みのアプリをダウンロードしたり、SNSで情報を得る、渋滞状況、駐車場の状況などドライバーが欲しい情報が的確に得られる。その情報を素早く伝えることができるのがNVIDIAソリューションの特徴となる。
「NVIDIAは、今後も自動車用のインフォテイメントシステムの開発を積極的に続けていきます。ホンダ・コネクトに採用されたTegra 3の性能を向上させているTegra 4もすでにアウディなどには納入しています。また、自動運転支援システムに使われるTegra K1も発表しています。これからも、次世代の自動車には欠かせないプロセッサーの開発を続けていきます」と、スピーディにプロセッサーの開発を行っていく予定だと語ってくれた。