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アジアロードレース選手権 第3戦、日本人ライダーらが強さを見せる

7月23日から始まる鈴鹿8耐でレースのカギを握るチーム、ライダーも参戦

2015年7月1日~5日開催

アジアロードレース選手権 第3戦

 7月1日~5日の5日間に渡って、鈴鹿サーキットで「2015 FIMアジアロードレース選手権シリーズ 第3戦」が開催された。排気量130ccのスクーター(アンダーボーン車両)から600ccのスーパースポーツまで、5つのクラスで争われるアジア圏のオートバイレースの最高峰。

 7月23日から始まる「2015 FIM世界耐久選手権シリーズ 第2戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」にもエントリーしているチームやライダーも一部出場していることから、鈴鹿8耐のリザルトを占う上でも少なからず参考になりそうだ。

Supersports 600ccクラスに鈴鹿8耐参戦ライダーが出場

 アジアロードレース選手権は、日本を含むアジア圏を舞台に開催されるオートバイレースのシリーズ戦。1996年にスタートし、設立20周年となる2015年ラウンドは、4月にマレーシアでの開幕戦を皮切りに、インドネシア、日本、タイ、カタールを転戦する全6戦が予定されている。

 MotoGPを頂点としたロードレース世界選手権への登竜門としてアジアの若手ライダーが参戦しているのはもちろんだが、日本はアジアの中でも世界で戦っているライダーが多いことから、日本国内や欧米で活躍した選手がアジアロードレース選手権に参戦して、レース自体のレベルを引き上げるような役割も担っている。

 レースカテゴリーは排気量・マシン形状の違いで5クラスに分かれる。400~750ccの排気量を持つ市販車両をベースにしたオートバイで参戦可能な「Supersports 600cc」クラス、90~130ccのスクータータイプのマシンでレースを行う「Underbone 130cc」クラス、CBR250Rのワンメイククラス「Asia Dream Cup」に加え、2015年は250ccオートバイを使用するオープンクラス「Asia Production 250cc」と、スズキのアジア市場向け150ccスクーター FU150のワンメイククラス「Suzuki Asian Challenge」が開催されている。

「Supersports 600cc」クラス
「Underbone 130㏄」クラス
「Asia Dream Cup」
「Asia Production 250cc」
「Suzuki Asian Challenge」

 このうちSupersports 600ccクラスには、日本のトップライダーが多数参戦。2013年までMoto3で活躍し、2015年は全日本ロードレース選手権とダブルエントリーしている高橋裕紀選手や、スーパーバイク世界選手権(WSB)でトップ争いを演じていた芳賀紀行選手、かつてロードレース世界選手権の125ccクラス(現Moto3の前身)で総合3位に輝いたこともある小山知良選手も出場している。

 日本のチームとしては、高橋選手が所属するMuSASHi Boon Siew Honda Racing、芳賀選手を擁する加賀山就臣氏のTeam KAGAYAMA Suzuki ASIA、稲垣誠選手と奥野翼選手のYellowCom Akeno Speed Racingなどが目立つところ。MuSASHi(RT ハルク・プロ)、Team KAGAYAMA、Akeno Speed Racingの3チームはいずれも7月23日に開幕する鈴鹿8耐にエントリーしており、鈴鹿で行われた今回のアジアロードレース選手権の結果が、鈴鹿8耐のレース展開を予測する上での1つの指標となりえるかもしれない。

各クラスで日本人選手が活躍を見せる

 アジアロードレース選手権では、各クラスで予選と本選2回(レース1・レース2)を走行し、1レースごとに順位が決定され、上位入賞者(レース内容によっては予選上位)にポイントが与えられる。全6ラウンドを戦い抜き、獲得ポイントの最も多い選手が年間総合ランキングトップとなるルールだ。

レース1で勝利したPETRONAS Hong Leong Yamaha 伊藤勇樹選手

 7月1日から開催された第3戦、Supersports 600ccクラスでは、MuSASHiの高橋選手が練習走行でトップタイムを叩き出し、予選はその流れでポールポジションを獲得。ヘビーウェットとなったレース1でも、芳賀選手にホールショットを奪われながらその後すぐにトップを奪い返す。このまま高橋選手の独走状態になるかと思いきや、なんと8周目に転倒リタイヤ。結局、2番手を維持していたPETRONAS Hong Leong Yamahaの伊藤勇樹選手が「自分のペースを守った」ままトップでチェッカーを受けた。2位は小山選手、3位には芳賀選手が入った。

MuSASHi Boon Siew Honda Racing 高橋裕紀選手の走り

 レース2も芳賀選手がホールショットを奪った後、高橋選手と伊藤選手がパスするというレース1とほぼ同様の展開。しかしながらオープニングラップは伊藤選手が取り、それに高橋選手、稲垣選手と続いた。後ろから小山選手が迫るなか、中盤で高橋選手が伊藤選手をパス。高橋選手がリードを広げると、小山選手も着実に順位を上げ、最終的に高橋選手、小山選手、伊藤選手の順でレースを終えた。ポイントランキングは81ポイントの小山選手がトップ。4ポイント差で高橋選手が続き、さらにその10ポイント後ろに伊藤選手がつけた。

 Asia Production 250ccは、TRICKSTAR Racingの山本剛大選手がレース1、レース2ともに圧倒的な強さでポールトゥウィン。Suzuki Asian Challengeでも日本人が活躍し、村瀬健琉選手がレース1で2位、レース2で初優勝を果たした。Underbone 130ccでは日本人で唯一参戦しているT.Pro Yuzy Honda NTSの高橋直樹選手が登場。レース1は途中リタイア、レース2は15位完走と振るわなかった。

 Asia Dream Cup枠では、Asia Dream Endurance Raceが特別開催。鈴鹿4耐や鈴鹿8耐へと繋がる2時間耐久レースとして行われ、Hybrid&MarutomiAuto with TTS RacingTeamの前田誠司選手・岡田義治選手のチームが競り勝った。

Asia Production 250ccでレース1、レース2の両方を制したTRICKSTAR Racing 山本剛大選手
Underbone 130ccのトップ争い
Asia Dream Endurance Raceで優勝したHybrid&MarutomiAuto with TTS RacingTeamの岡田義治選手

MotoGPライダーはもちろん、鈴鹿に慣れているライダーの走りにも注目

 7月23日から開催される鈴鹿8耐には、Supersports 600ccクラスで3位に入った芳賀選手のほか、稲垣選手や奥野選手らが参戦する。元MotoGP王者ケーシー・ストーナー選手が助っ人として加わる昨年の覇者MuSASHi RT HARC PROが優勝候補の本命ではあるが、ブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)でシリーズチャンピオンを獲得し、過去の鈴鹿8耐で何度も優勝してきた清成龍一選手と芳賀選手らが手を組むTeam KAGAYAMAも期待値は高い。

 また、全日本で驚異的な速さを見せる中須賀克行選手と、MotoGPの現役若手ライダー、ポル・エスパロガロ選手、ブラッドリー・スミス選手の現役最強の組み合わせでエントリーしてきたYAMAHA FACTORY RACING TEAMも優勝候補の一角だろう。日本のトップライダーとワールドクラスのライダーがそろい踏みし、否応なしに盛り上がるであろう鈴鹿8耐。当日はアジアロードレース選手権で活躍したライダーの熟練の走りをチェックしつつ、スター選手が見せる一挙手一投足にも注目したい。

(日沼諭史)