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写真で見る三菱自動車「eKワゴン」「eKカスタム」

 三菱自動車「eKワゴン」「eKカスタム」はトールワゴンタイプの軽自動車。この新型はekシリーズとしては3代目となり、日産自動車からも「DAYZ(デイズ)」の名称でリリースされることが決定している。ちなみに、同社としては2008年にリリースした「トッポ」以来、5年ぶりの新型軽自動車となる。

 初代eKワゴンは2000年に発足した「eK(いい軽)」プロジェクトにより企画され、2001年にセダンとトールワゴンの中間に位置するセミトールワゴンとしてデビュー。「eKスポーツ」「eKクラッシィ」「eKアクティブ」とラインアップを充実、累計50万台を超えるヒットモデルとなった。

 2代目は2006年にデビュー。エクステリアは初代のコンセプトを継承しつつ、軽自動車初の電動スライドドアを装備するなど、快適さをアップさせたのが特長。同時にeKスポーツもフルモデルチェンジを果たし、累計販売台数は75万台を越える数字を記録している。

 そしてこの6月にデビューしたのが3代目となる新型だ。「Just Your Partner」をコンセプトに、「上質感」「快適空間」「燃費」の向上を目指し、プラットフォームはもちろんボディやエンジン、トランスミッションといったコンポーネントを一新。スタイリッシュなeKワゴン、プレミアムなeKカスタムと2つのラインアップを完成させた。

 大きく変わったのがボディーサイズだ。軽自動車枠があるため全幅および全長は変わらないが、全高を70mmプラスの1620mmとすることでトールワゴン化。同時にホイールベースの拡大、エンジンルームのコンパクト化などにより居住空間を拡大。さらにリアシートに関しては170mmのスライド幅を与えることで快適性が大幅にアップしている。

 快適性の面では一部モデルにプッシュスタートボタン&キーレスオペレーションを採用したほか、リアビューモニター付ルームミラー、99%UVカットガラス、タッチパネルオートエアコンなどを装備。また、三菱自動車独自の電子制御システム「ETACS(Electronics Time and Alarm Control System)」として、オートライトコントロールやヘッドライトオートカット、コンフォートフラッシャー、リバース連動リアオートワイパーなどの快適装備を充実させているのも特長といえる。

 エンジンは直列3気筒の「3B20」ユニットで自然吸気とターボの2ライン、計3タイプを用意。これは「i」用のユニットをベースにFF車用にカスタマイズしたもので、アルミダイカスト製シリンダーブロックやインテークマニホールドに樹脂製パーツを採用するなどにより、先代eKワゴン用「3G83」ユニットより約15kgの軽量化を実現。三菱独自の吸気連続可変式バルブタイミング機構「MIVEC」の採用をはじめ、非対称スカート化などによるフリクションの低減などにより燃費の大幅な向上を果たしている。スペックは標準仕様が36kW(49ps)/59Nm(6.0kgm)、約13km/h以下でアイドリングストップを行う「オートストップ&ゴー(コーストストップ機能付)」車は36kW(49ps)/56Nm(5.7kgm)、eKカスタムのみに搭載されるターボ付のハイパワーユニットが47kW(64ps)/98Nm(10.0kgm)となる。

 ミッションは同社軽自動車では初採用となる副変速機付のCVT。こちらもワイドギヤレンジの採用や直結域の拡大、フリクションの低減などにより効率アップを図り省燃費化に貢献している。駆動方式はFFがメインとなるが4WD車も用意されている。

 一方、ボディーそのものは大型化や法規対応などにより50kgの重量増となったが、高張力鋼板の採用率アップをはじめドアやシートの構造合理化などにより50kgの軽量化を実現。先代モデル同等の830kg(G 2WD)となった。

 車両重量をキープしつつ各部の軽量化や空気抵抗やフリクションの軽減を行った結果、もっとも燃費の良いモデルはJC08モードで29.2km/Lを達成。4WD車やアイドリングストップ機能を持たないモデルはそれより若干落ちるものの、自然吸気エンジン搭載車はeKカスタムを含めて全車エコカー減税は免税対象。eKカスタムのターボモデルは2WD車が23.4km/Lで75%減税対象、4WD車が22.6km/Lで50%減税対象となる。

eKカスタム

 デザインテーマは「ダイナミック&プレミアム」。大型のメッキフロントグリルのほか専用デザインのヘッドライトやフォグランプなどの採用により、精悍な表情とするとともに存在感をアップ。また、サイドエアダムやリアスポイラーなどエアロパーツの装着により、低重心感とともにスポーティな印象を強めているのが特長。

 グレードはベーシックな位置づけとなる「M」、充実装備の「G」、ターボエンジン搭載の「T」の3タイプ。GとTは4WD車も設定される。価格は順に126万9000円、136万8000円、143万円。4WD車は146万3000円、154万6000円となる。ボディカラーは有料色となる「パープリッシュネイビーパール」「ホワイトパール」および「クールシルバーメタリック」「ブラックマイカ」の計4色。

撮影車両はターボエンジン搭載のTグレードでボディカラーはホワイトパール
ボディーサイズは全長3395×全幅1475×全高1620mm。ボディーサイドに「トリプルアローズライン」と名付けられたキャラクターラインを入れるなど、抑揚のあるデザイン処理により車高の高さを感じさせない
eKカスタムのフロントマスクは大型のメッキグリルにより存在感をアップ
開口部からはラジエターやインタークーラーなど冷却系パーツが見える
こちらもシャープな造形のヘッドライト。全グレードディスチャージタイプが標準となる
フォグランプも全車標準
eKカスタムはサイドアンダースポイラーを装着。腰高感を解消し低重心でスポーティなイメージを強調
フロントドアのガラスは全グレードが99%UVカットタイプを採用
ドアミラーはカラードタイプでGとTグレードのみLEDターンランプ付
GとTグレードはキーレスオペレーションシステムが標準。運転席ドアにはボタンによるアンロック機能が備わる
リアバンパーも専用デザイン。サイド面をスパッと切り落とす造形にすることで空気抵抗を低減
専用装備となるルーフスポイラーにはクリアタイプのハイマウントストップランプが付
GとTグレードにはリアビューモニター付ルームミラーが標準。バックドアにはバックカメラが装着される
バックドア左には車名バッジが着く。グレードを示すバッジは非装着
リアコンビランプはクリアタイプ
全車ショートロッドタイプのルーフアンテナを装備
Tグレードは新型eKシリーズ中、唯一インタークーラーターボエンジンを搭載。スペックは最大出力47kW(64ps)/6000rpm、最大トルク98Nm(10.0kgm)/3000rpm
エコカー減税は2WD車が75%減税、4WD車が50%減税。自然吸気エンジンを搭載するGとMは駆動方式にかかわらず免税だ
ターボモデルながらマフラーエンドが目立たないレイアウト
タイヤはTグレードのみ165/55R15。その他は155/65R14。サイズおよびデザインは異なるがアルミホイールは全車標準
eKカスタムのインテリアはブラックを基調にシルバーのアクセントを加えたもの
GとTグレードはステアリングは本革巻。Mグレードはウレタン
GとTグレードはプッシュボタンタイプのスタータースイッチを採用
シフトレバーはインパネに配置。ゲートはストレートで5ポジションとシンプルな構造
eKカスタムはタコメーター付の2眼メーターを採用。中央部のマルチインフォメーションディスプレイでは平均燃費やア外気温、航続可能距離などがチェック可能
シンプルなペダルまわり。サイドブレーキは足踏み式
ステアリング右に電動格納式ドアミラーのスイッチを配置
ステアリング下には折りたたみ傘など小物の収納が可能なアンダートレイを用意
エアコン吹き出し口の手前にはスライド収納式のカップホルダーが用意される
グローブボックス上には身の回りの小物を収納しておけるオープントレイ
グローブボックスはフタ付。深さがあるため意外と容量はタップリ
DINスペースは200mm幅のワイドタイプでオーディオは全車オプション。写真は16GBのメモリーナビでカーウイングスにも対応するハイスペックモデル
エアコンは操作部に静電式のタッチパネルを採用。風量調節もスライドして~、と思ってしまうがその部分は単なるグラフィックだ
インパネ中央下部にはDC12Vソケットが用意される
運転席、助手席ともサンバイザー裏にバニティミラーを用意
フロントシートは左右独立のベンチタイプ、中央にはアームレストも備わる
シート表皮はブラック基調でブラウンの差し色が入ったシックなデザイン
アームレストはシルバーパネルを採用。パワーウインドウスイッチは運転席のみワンタッチ機構付
運転席ドアの下部にはペットボトルが収まるホルダーを装備
リアシートは5:5分割可倒式。170mmの前後スライド機構を採用するほかリクライニングは左右独立して調節可能
リアドアにもペットボトルホルダーを用意
リアシートをもっとも後方にスライドさせた状態
リアシートをもっとも前方にスライドさせた状態。この状態ならフル乗車でもラゲッジスペースも確保できる
5:5分割可倒式のリアシートWo活用すれば大きな荷物も積載可能
ラゲッジフロア下にはパンク修理キットやジャッキなどが収まる

eKワゴン

 丸みを帯びたヘッドライトや黒基調のフロントグリルなど「カッコかわいい」をデザインテーマにスタイリッシュに仕上げられている。

 グレードは各種装備を省略した「E」、ベーシックモデル的な位置づけの「M」、充実装備の「G」の3タイプ。いわゆるアイドリングストップ機能となるオートストップ&ゴーはGとMの2WD車がコーストストップ機能付、4WD車は通常タイプ、Eは装備無しとなる。価格は順に105万円、112万5000円、124万円。4WD車は9万5000円高。ボディカラーは有料色となる「チェリーブラウンパール」など計8色。

撮影車両は最上級のGグレードでボディカラーはチェリーブラウンパール
フロントグリルは黒をベースにメッキのアクセントが入ったもの
ヘッドライトはeKカスタムと異なる専用パーツ。フロントグリルからのアクセントがターンランプ部まで続くことでワイド感を演出
アンダーグリルからはラジエターが覗く
MとGグレードのドアミラーはカラードタイプ。ドアミラーにターンランプを内蔵しないためフェンダー部に付く
EとMグレードのキーは一般的なキーレスタイプ。そのためドアノブにロック/アンロックボタンが付かない
アンテナはピラー部から引き出す一般的な構造
リアコンビランプはeKカスタムと同形状ながらクリアとレッドの組み合わせとなる
リアバンパーの形状も若干異なる
車名バッジは当然ながらeKワゴン専用タイプ
直列3気筒で吸気連続可変式バルブタイミング機構MIVEC付の3B20ユニット。MとGグレードの2WD車はアイドリングストップ付でスペックは最高出力36kW(49ps)/6500rpm、最大トルク56Nm(5.7kgm)/5000rpmとなる
eKワゴンのタイヤは全車155/65R14。先代よりインチアップするとともにホイールベースも伸びているが最小回転半径は4.4mで変わらず
eKワゴンはアイボリー系をベースにピアノブラックのパネルを配置することで上品なイメージを演出
メータパネルはシンプルな1眼式。MとGグレードのマルチインフォメーションディスプレイにはオートストップ&ゴー用の表示が追加されている
EとMグレードのスターターはキーを使う一般的な構造
プッシュボタン位置はパネルで目隠しされる
カラーはアイボリーになるもののシート形状はeKカスタムと同じ
シート表皮は濃度の異なるアイボリー柄を組み合わせたデザイン
ドアアームレストはピアノブラック仕上げ
オーディオは全車レス仕様でGが4スピーカー、EとMが2スピーカー付。写真はオプションの「専用ワイド2DIN CDチューナーアンプ」

【お詫びと訂正】記事初出時、価格表記に誤りがありました。関係者ならびに読者の皆様にご迷惑をおかけしました。

(安田 剛)