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写真で見るフォルクスワーゲン「ゴルフ」

 コンパクトカーのベンチマーク的存在であるフォルクスワーゲン「ゴルフ」が、7代目へと進化した。フォルクスワーゲングループの幅広い車種とプラットフォームを共有するMQB(モジュラートランスバースマトリックス)を採用した第1弾のクルマとなるものだ。

 MQBの採用以外のトピックと言えば、安全装備の標準装備化。国内導入が発表された全グレードで衝突回避の自動ブレーキ機能を含むプリクラッッシュブレーキシステム“Front Assist Plus”とともに、追突事故発生の場合に自動でブレーキをかけて二重衝突を防ぐマルチコリジョンブレーキを標準装備。さらに、車間を自動で維持するクルーズコントロールや、カメラで車線を監視して車線逸脱を警告する安全装備を標準装備化、オプションで装備することができる。

 また、価格面も挑戦的で、安全装備をすべて装備しながら上級の「TSIハイライン」が300万円を切るなど、全体的に従来よりも安い価格設定とした。実際には従来モデルに比べて一部装備がグレードダウンしている点もあるが、安全装備まで含めると戦略的な価格設定であることに違いはない。

 スタイリングの面では、初代ゴルフから続く太いCピラーをデザイン上のアイコンとし、フロントマスクなどは最近のフォルクスワーゲンの例に習ったものとなっている。

 今回は発表された3グレードのうち、最上級となる「TSIハイライン」と、中間グレードとなる「TSIコンフォートライン」の2台を撮影した。この2台はダウンサイジングコンセプトに基づいた過給器付きの小排気量タイプで、それぞれ直列4気筒DOHC 1.4リッター ターボ、直列4気筒 DOHC1.2リッター ターボとなる。燃費はJC08モードでそれぞれ19.9km/L、21.0km/Lの低燃費を実現し、全車エコカー減税制度で自動車取得税、自動車重量税が免税となる。

 また、この2台はリアサスペンションの形式が異なっている。上級の「TSIハイライン」は4リンク式サスペンションだが、「TSIコンフォートライン」と「TSIトレンドライン」はトーションビームによるトレーリングアーム式となっている。フォルクスワーゲンによれば、リアサスペンションの形式はエンジン出力によって異なり、約90kWを境にサスペンション形式を選んでいるのだと言う。

 ボディーサイズはどちらも4265×1800×1460mm(全長×全幅×全高)で従来よりも大型化、重さはTSIハイラインが1320kg、TSIコンフォートラインが1240kgとなっている。MQBプラットフォームは軽量化にも寄与しており、新旧のTSIハイライン同士の比較では、安全装備が増加しているにもかかわらず、20kgの軽量化を実現している。

TSIコンフォートライン

中間グレードとなるTSIコンフォートライン。カラーはカタログなどに登場するパシフィックブルーメタリック
ヘッドライトはバイキセノンヘッドライト。スモールライトとして内側のライトが低い輝度で点灯する。なお、キセノンヘッドライトはオプションで、ノーマルではハロゲンライトとなり、左右に走るメッキのラインがないなど印象が大きく異なる
ターンシグナルランプはミラーに内蔵
コンフォートラインの「TSI」の文字はシルバーメッキ
テールランプ
リアハッチのオープナースイッチだが、後退時はカメラが出てくる
1.2リッターエンジンにターボで加給してパワーを得る。新型から1.2リッターエンジンもDOHC化され、最高出力は77kW(105PS)/4500-5500rpm、最大トルクは175Nm(17.8kgm)1400-4000rpm
TSIコンフォートラインのタイヤサイズは205/55 R16。この16インチアルミホイールが標準装備となる
下から覗き込むとトーションビーム形式のリアサスペンションが見える
TSIコンフォートラインの室内はヘアライン加工されたトリムで覆われる
カーナビゲーションはディーラーオプションでオンダッシュ装着。インダッシュのモニターはオーディオと各種設定をのタッチパネル式で操作するが、ナビゲーション機能は現在のところ搭載できない
メーターは4つのアナログのほか、中央にマルチディスプレイを配置する
メーターの周囲もインテリアと同様のシルバーのヘアライン仕上げ
クルーズコントロールの操作はステアリング左側のスイッチで行う
オーディオ類の操作はステアリング右側。奥にパドルシフトスイッチも見える
シフトレバーはグリップを握り、前後に倒して操作する。通常のDレンジとスポーツのSレンジの切り替えは手前に倒すごとに交互切り替え。左に倒すと手動で変速できる
パーキングブレーキは電子スイッチとなる
エアコンはオートタイプ
インダッシュのディスプレイとカーナビ画面
エアコン操作部の下のハッチを開くとオーディオの外部入力、USBポートがある
オーディオをはじめ車両の設定までこの画面で行う
Bluetoothでオーディオプレーヤーと接続可能
表示の設定を変更できる。日本語以外の設定も可能だ
車両の設定をこちらからできる
追従型クルーズコントロールの設定はこちらから
オートライトの設定が可能、左右走行の切り替えもある
設定画面は多岐に渡り、工場出荷設定にリセットすることもできる
コンフォートシート。座面も大きめだ
リアシート。幅広のアームレストにはカップホルダーを装備する
サングラスを収納できる小物入れがルーフにある。奥のミラーは自動防眩タイプ
リアトレイを外したところ。リアシートは分割可倒式で、アームレスト部分はトランクスルーになる
シートは背もたれだけ前に倒すタイプ。フラットにはならないが、手軽に倒すことができる
非常用サイズだが、スペアタイヤを搭載している
トランクルーム内にも12VのDCソケットを装備する

TSIハイライン

上位グレードとなるTSIハイライン。ボディーカラーはタングステンシルバーメタリック。TSIコンフォートラインとの外見上の違いはタイヤとホイール、そしてフロントバンパーのエアインテークまわりのメッキパーツの有無
TSIハイラインのヘッドライト。オプションのバイキセノンヘッドライトを装着している
ライト消灯
白色LEDによるスモールライト点灯
ヘッドライトを点灯させたところ
バイキセノンヘッドライトで、ハイビームにしても正面に立たなければハイ/ローの違いは分かりにくいが、左右に走るメッキのラインが特徴
ターンシグナルランプはライトの下側が点灯。さらに側面を照射するコーナリングライトが光る
フロントバンパー下のエアインテーク中央には車間を判断するセンサー
フロントウインドーにはカメラがあり、車線を監視する
燃料はハイオク指定
テールライトはLの字で点灯、ブレーキはその中央が強力に点灯する。バックライトは中央寄りの下部で、左右が点灯
環境基準適合のステッカーが貼られる。エコカー減税制度では100%減免になる
TSIハイラインはシングルチャージャーの1.4リッターエンジン。気筒休止機能を搭載した。エンジンカバーなどはない。最高出力は103kW(140PS)/4500-6000rpm、最大トルクは250Nm(25.5kgm)/1500-3500rpm
TSIハイラインのタイヤは225/45 R17。これは標準装備のアルミホイールだが、アダプティブシャシーコントロール“DCC”装備車はデザインが異なる
TSIハイラインのエキゾーストエンドは2本出し
TSIハイラインのリアサスペンションは4リンク式(マルチリンク式)
ハイラインのインテリア。オプションのレザーインテリアを装備している
光沢の強いブラックで仕上げられたインテリア
メーター周りもブラックで締められる
クルーズコントロールの操作はステアリング左側のスイッチで行う
右側はオーディオやハンズフリー通話の操作
本革巻きタイプとなる
ペダルレイアウト
シフトレバーはグリップタイプ
パドルシフトも装備する
ATのシフトレバーは握ってロックを解除するタイプ
スタートストップシステム(アイドリングストップ)やDCCの切り替えボタン
パーキングブレーキは電子ボタン式
ヘッドライトスイッチ
ドアトリム
フタをスライドさせてカップホルダーを利用する。ゴルフと言えば中央にハメ込まれた栓抜きだが、現在のTSIハイラインは装備なし
アームレスト下にも小物入れがある
ミラーは自動防眩タイプ。サングラスの収納スペースもある
リアのマップライト
オプションのガラススライディングルーフ。TSIハイラインのみオプション装備できる
レザーインテリアのシートはパワーシートとなる
リアシート

(正田拓也/Photo:中野英幸)