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三菱自動車、新型軽ハイトワゴン「eKワゴン」「eKクロス」。「eKクロス」はSUVテイストの“キュート・ビースト”

高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」初採用

2019年3月28日 発売

eKワゴン:129万6000円~150万6600円

eKクロス:141万4800円~176万5800円

新型軽ハイトワゴン「eKワゴン」(左)と「eKクロス」(右)

 三菱自動車工業は3月28日、新型軽ハイトワゴン「eK wagon(eKワゴン)」「eK X(eKクロス)」を発売した。価格はeKワゴンが129万6000円~150万6600円、eKクロスが141万4800円~176万5800円。

 新しいeKワゴンとeKクロスは、三菱自動車と日産自動車の合弁会社「NMKV」が企画や開発マネジメントを担当。新たな開発・生産プロセスが用いられ、プラットフォームやパワートレーンといった主要コンポーネントを刷新しており、「三菱自動車の約60年に渡る軽自動車作りのノウハウ」と「日産自動車の先進技術」が融合したモデル。同日に日産から発売された新型軽ハイトワゴン「デイズ」「デイズ ハイウェイスター」と合わせ、三菱自動車工業 水島製作所で生産される。

eKワゴン
モデルエンジン変速機駆動方式価格WLTCモード燃費
G直列3気筒DOHC 0.66リッターCVT2WD(FF)1,377,000円21.2km/L
4WD1,506,600円18.2km/L
M2WD(FF)1,296,000円21.2km/L
4WD1,425,600円18.2km/L
eKクロス
モデルエンジン変速機駆動方式価格WLTCモード燃費
T直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ(ハイブリッド)CVT2WD(FF)1,636,200円19.2km/L
4WD1,765,800円16.8km/L
G直列3気筒DOHC 0.66リッター(ハイブリッド)2WD(FF)1,555,200円21.0km/L
4WD1,684,800円18.8km/L
M2WD(FF)1,414,800円21.2km/L
4WD1,544,400円18.8km/L

 先代モデルではベーシックなeKワゴンとスポーティバージョンの「eKカスタム」の2本立てとなっていたが、フルモデルチェンジに際してeKカスタムをSUVテイストのクロスオーバーモデルであるeKクロスに一新。新しいeKワゴンでは「THE CUTE CHIC(キュート・シック)」をデザインコンセプトに、おおらかで張りのある曲面を使って全体を構成。生き生きとした躍動感に加え、かわいらしく上質なデザインが与えられている。

 新たに登場したeKクロスは「THE CUTE BEAST(キュート・ビースト)」がデザインコンセプト。三菱自動車のSUVで採用されているフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」によって力強さが表現され、前後バンパーのシルバー処理、ホイールアーチやサイドシルをブラックアウトさせる専用デカール、専用ルーフスポイラーなどを使ってSUVテイストを強調。さらにボディ全般とルーフの色を変えた2トーンカラーも選択可能として個性を際立たせている。

 このほかeKクロスの外観上の装備では、フロントマスクで上2段をロービーム、下段をハイビームとする3灯式LEDヘッドライトを標準装備。また、アクティブテイストをさらに高める専用ルーフレールをオプション装着可能としている。

eKワゴン G
eKクロス T
eKワゴンのボディカラーは写真の「ミントブルーメタリック」など7種類をラインアップ
eKクロスのボディカラーは写真の「サンドイエローメタリック/ホワイトソリッド」など2トーンカラー5種類、モノトーンカラー6種類の計11種類を用意する

 インテリアは「パーシブド・クオリティ(感性品質)」の視点を採用し、機能性と質感にこだわって開発を実施。水平基調のインパネは三菱自動車独自の「ホリゾンタルアクシス」となっており、すっきりとした形状で良好な前方視界を確保。シフトセレクターと隣接するセンターコンソールのエアコン操作部はタッチパネル式で、機能ごとにアイコンやガイドとなるモールドを設定して操作性を高めた。

 大型2眼式のメーターパネルでは、中央に4.2インチのカラーTFTディスプレイを設置。燃費情報や「エネルギーモニター」表示のほか、タイヤの向きと前進/後退時の具体的なクルマの進行方向をイラスト表示する「タイヤアングルガイド」を採用し、日常的な使い勝手を向上させている。

 フロントシート周辺の収納スペース充実にもこだわり、使用頻度の低い車検証は助手席トリムに専用リッドを設定して収めるほか、インパネ両サイドのエアコン吹き出し口前に設定してエアコンの風を当てられるようにしたカップホルダー、助手席前方の引き出しティッシュBOX、運転席と助手席のどちらからでも利用できるセンタートレイ、センターカップホルダー、センターBOX、折りたたみ傘などを収納できるステアリングコラム下の収納スペースなどを採用し、スマートな見た目と実用性の高さを両立させている。

 このほか、eKワゴンではインテリアカラーの基調をライトグレーとし、シートにボリュームを感じさせる表皮を使って明るさやカジュアルさ、居心地のよさなどを演出している。eKクロスではインテリアカラーの基調をブラックとしつつ、要所にブルーの差し色を使用してスポーティさやスタイリッシュさを表現。シート表皮は凹凸感のあるクロスにハニカム調のエンボス加工を与え、タフで機能的なイメージを演出している。

 また、eKクロスでは専用オプションとして、ブラックとタン、アイボリーなどのインテリアカラーを使い、シート表皮を合皮とクロスのコンビネーションタイプとするほか、インパネなどにPVC(ポリ塩化ビニル)のラッピングを設定して上質感を高める「プレミアムインテリアパッケージ」(5万4000円高)を用意している。

eKワゴンのインテリアはライトグレーを基調に、ソファが置かれたカフェのようなボタニカル(植物的)な車内空間を演出
ブラックとブルーの内装色がクールな雰囲気を与えるeKクロスのインテリア
eKクロスでは合皮とクロスのコンビシートなどを採用する専用オプション「プレミアムインテリアパッケージ」(5万4000円高)を選択可能
助手席のドアトリムに車検証の収納スペースを用意
多彩な収納スペースによる高いユーティリティもアピールポイントの1つ
助手席背面の上側に設置されたシートバックポケットはeKクロス専用品
4.2インチカラーTFTディスプレイのマルチインフォメーションディスプレイをメーターパネル中央に設定
マルチインフォメーションディスプレイでは設定変更や「エネルギーモニター」などのリアルタイム情報に加えて「タイヤアングルガイド」を表示可能。タイヤの向きと選択中のギヤから、車両が進む方向を矢印で示してくれる

新プラットフォームで居住性向上

 車内の居住性を高めるため、新プラットフォームではエンジンルームの前後スペース圧縮を実施。これによってフロントタイヤの位置が65mm前進してホイールベースが拡大され、フロントシートの乗員位置も大きく前進。さらにフロントシートがアップライトなポジションに進化したことなどによってリアシートのニールームは先代モデルから70mm増え、フロントシートを最後端まで下げてもリアシート乗員が足を組めるほどの空間になっているという。このほかに室内高も20mm広げ、ドアウィンドウを外側に配置したことで車内空間が拡大している。

 車内空間の拡大に合わせてリアハッチの内側形状を最適化したことでラゲッジスペースも拡大。また、リアシートの前後スライドが、先代モデルでは背面ストラップを引いてロックを外すため両手を使う必要があったが、ロック解除がシートバック中央位置に設置されたレバーを持ち上げるスタイルに変更され、片手でも前後スライドできるよう改善された。さらにラゲッジフロア下の収納スペースは容量が拡大され、2WD(FF)モデルでは高さ200mmで54L分のラゲッジアンダーボックスを用意。シートバック上端までの高さが95mmとなり、視界を遮ることなくA型ベビーカーを収納可能としている。

 このほかに車内では、eKワゴン、eKクロス共に全車でオーディオレスとなり、6スピーカー、TVアンテナ、GPSアンテナ、7インチ用ナビパネル(ピアノブラック)などを標準装備。このほか、ディーラーオプションの純正用品として9インチの大画面カーナビを軽自動車で初設定。また、移動物検知機能を備える「マルチアラウンドモニター」としても利用できる「デジタルルームミラー」を、軽自動車初の装備としてeKワゴン MとeKクロス M以外のグレードでオプション装着可能としている。

リアシートは左右分割で前後スライドやリクライニングが可能。ロック解除はすべてシートバック上のレバーで行なう
「ラゲッジアンダーボックス&ラゲッジフロアボード」を全車標準装備
軽自動車で初めて9インチの大画面カーナビをディーラーオプションとして用意
軽自動車初となる「デジタルルームミラー」(オプション)は、移動物検知機能を備えた「マルチアラウンドモニター」としても利用可能

eKクロス全車で「HYBRIDシステム」新採用

eKクロスの走行イメージ。eKクロスのWLTCモード燃費は16.8km/L~21.2km/L

 パワートレーンでは直列3気筒DOHC 0.66リッターの「BR06」型とCVTの組み合わせが用意され、駆動方式は2WD(FF)と4WDを全グレードで選択可能。eKワゴンでは最高出力38kW(52PS)/6400rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/3600rpmを発生する自然吸気エンジンを搭載し、eKクロスでは同自然吸気エンジンに加え、最高出力47kW(64PS)/5600rpm、最大トルク100Nm(10.2kgfm)/2400-4000rpmを発生するインタークーラー付きターボエンジンを採用する。

 また、eKクロスは全車で「SM21」型モーターとリチウムイオン電池を採用する「HYBRIDシステム」を新採用。モーターは最高出力2.0kW(2.7PS)/1200rpm、最大トルク40Nm(4.1kgfm)/100rpmを発生し、回生発電などで蓄えたリチウムイオン電池の電力を使い、発進後の加速シーンなどで最大30秒間の駆動力アシストを行なう。

 エンジンも従来型より高圧縮比化、低フリクション化を行ない、補機類にも低フリクションベルト、高効率オイルポンプなどを装着。CVTもワイドレシオ化したことで燃費向上を実現。WLTCモード燃費はeKワゴンの2WD車が21.2km/L、4WD車が18.2km/L。eKクロスは2WD車が19.2km/L~21.2km/L、4WD車が16.8km/L~18.8km/Lとなっている。

 このほかCVTではATのようなステップ変速を行なう「可変速CVT」を採用。メリハリの効いた発進加速を行なうほか、加速時のエンジン音を抑制して静粛性を高めてくれる。足まわりでは駆動輪の空転を検知するとブレーキを使って空転を抑え、雨天時や降雪時にも走行を安定させる「グリップコントロール」を全車に標準装備している。

eKワゴンの走行イメージ。eKワゴンのWLTCモード燃費は2WD車が21.2km/L、4WD車が18.2km/L
eKワゴンでは最高出力38kW(52PS)/6400rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/3600rpmを発生する「BR06」型の直列3気筒DOHC 0.66リッター自然吸気エンジンを採用
eKワゴンのタイヤサイズは全車155/65 R14
eKクロスに搭載する直列3気筒DOHC 0.66リッターターボエンジンは、最高出力47kW(64PS)/5600rpm、最大トルク100Nm(10.2kgfm)/2400-4000rpmを発生。eKクロスでは全車で「SM21」型モーターとリチウムイオン電池を使った「HYBRIDシステム」を採用
eKクロスでは、MでeKワゴンと同じ155/65 R14タイヤ、GとTで165/55 R15タイヤ(写真)を装着する

高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」初採用

高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」を三菱自動車のモデルとして初採用

 ADAS(先進運転支援システム)関連では、「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」と「LKA(車線維持支援機能)」を組み合わせ、高速道路の走行時(約0km/h~100km/h)に作動する高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」を三菱自動車のモデルとして初採用。eKワゴン MとeKクロス M以外でオプション装着できるようにして、ロングドライブ時のストレスや疲労を軽減する装備となる。

 三菱自動車の予防安全技術「e-Assist」では、新たにステアリングアシストによる車線逸脱防止支援機能「LDP(Lane Departure Prevention)」を導入。eKワゴンとeKクロスは、経済産業省や国土交通省などが推進する安全運転サポート車のうち、高齢運転者にとくに推奨する「セーフティ・サポートカーS(通称:サポカーS)」の「ワイド」に全車が該当している。

 このほかの安全装備では、運転席&助手席SRSエアバッグに加え、SRSサイドエアバッグ、SRSカーテンエアバッグを全車で標準装備する。

MI-PILOTはステアリングに設置したブルーのスイッチを押して起動させる

【お詫びと訂正】記事初出時、eKクロス 4WD車の燃費にWLTCモード燃費ではなくJC08モード燃費の数値が記載されていました。お詫びして訂正させていただきます。