まるも亜希子の「寄り道日和」
最新EVや手作りEVが集まった「日本EVフェスティバル」
2020年12月17日 00:00
1994年から続く歴史の中で、2020年の「日本EVフェスティバル」は、初めての都市型イベントとして東京・お台場で開催されました。日本EVクラブ代表の舘内さんが「今年は東京でやろうか」と思い立ったのは、2020年の年明け早々だったとのことですが、その後世の中はコロナ禍で一変。人々の自由な移動が制限され、これまで通りにサーキットで開催する予定だったら、中止にせざるを得なかったかもしれません。
さらに12月5日に無事にイベントが終了した、わずか3日後。小池都知事が「東京都内で販売される新車を2030年までに『脱ガソリン車』とする」方針を打ち出したではないですか。もしかして舘内さん、知ってたんですか? と勘ぐりたくなるタイミングのよさなんですが(笑)、きっと長年積み重ねてきたEVのプロとしてのカンが、この流れをだいぶ先読みしていたのだろうと思います。
イベントは、都市型ということでサーキット時代のように派手な演出こそなかったものの、内容としてはとても有意義なものばかり。自動車メーカーが販売している最新のEVとPHVが展示&試乗会を行ない、これには私もインストラクターとして参加させていただきました。試乗はすべて無料というのがいいですよね。
そして、なかなか街中では見ることのできないバラエティ豊かなEVも勢ぞろい。ヒルクライムでEVクラス優勝を果たした、横浜ゴム製作のEVスポーツ「AERO-Y」や、これから普及が見込まれる軽トラサイズのおしゃれなEV「ELEMO」、日本EVクラブとその会員が製作した手作りEVもズラリ並んで、見ごたえたっぷりです。
中でも、市販車をEVにコンバートしたモデルで、OZ MOTORSがユーノス・ロードスターをEVにした「e-ロードスター」や、1966年のニッサン・セドリックをEVにした「1966 NISSAN E-CEDRIC」なども目立っていて、思わず私も食いついてしまいました(笑)。
小池都知事の言う『脱ガソリン車』の中には、ハイブリッド車が含まれるそうなので、すぐにEVだらけの時代になるわけではないのですが、クラシックカーなど古いガソリン車の肩身が狭くなるのは目に見えていますよね。そうしたら、自分の好きなボディのクルマをEVにして乗りつづける、というのも1つの選択肢になるかもしれません。実際、初代ロードスターを愛してやまない夫は、本気で「将来はウチのもこうするしかないかな」なんて熱心に話を聞いていたくらいですから(笑)。
また今回、事前申し込みの段階から満員御礼状態になったのが、「気候非常事態宣言 EVシンポジウム」。東京大学大気海洋研究所の木本昌秀教授をはじめ、環境省や経産省、自動車メーカーが気候変動やEVをテーマに講演を行なったあと、音楽プロデューサーでありモータージャーナリストである松任谷正隆さんと舘内さんのトークショーも! そりゃ、どんなお話が飛び出すのか、聞いてみたいですよね。
残念ながら私は、インストラクターとして稼働中だったので聞けなかったんですが、もしかすると後日、日本EVクラブの公式サイトにレポートがアップされるかもしれないので、ぜひチェックしてみてくださいね。
舘内さんは、気候変動をストップするには、地球人類すべてが「つながる」ことが必要だと語っていました。考えてみれば音楽も、人と人をつなげてくれるもの。思いを届けてくれるもの。クルマと音楽は、私たちに眠る力を引き出してくれる最強タッグかもしれないなぁと思った1日でした。