まるも亜希子の「寄り道日和」
私の元愛車「CR-Z」にイラストで再会
2021年6月10日 00:00
SNSに投稿されているイラストを見て、「ステキだな」と思うことはたくさんあって、よく「いいね!」を押していたんですが、ある時、そこに私の長年の愛車だったブルーの「CR-Z」が出てきてビックリ! 思わず「いいね!」を100回くらい押したい気持ちになりました。
しかもそのイラストを描いてくださったのは、実際にお会いしたことがある方だったのです。2019年の東京モーターショーで、河口まなぶさんがYouTubeチャンネル『LOVECARS!TV!』のブースを出していて、毎日そこから生配信をされていたのですが、私もそのうちの1回にゲスト出演させていただきました。そして、ブースを訪れた皆さんと1人ずつ、番組終了後に記念撮影をしていて、その時にお会いしたのがイラストを描いてくださった佐々木雅也さんでした。
その後、SNSでつながり、投稿されているイラストが私の好きな作風だったこともあり、毎度楽しみにしていたところ、サプライズ的に私のCR-Zを描いてアップしてくださったというわけなのです。
そして先日、「よろしければもらってください」というありがたいメッセージをいただき、お言葉に甘えることに。木のフレームに入った、とても温かくて心のこもった実物を受け取って感激したのでした。それまで愛車の写真はけっこう手元にあったけど、イラストは初めて。10年を共に過ごした愛車との、最高の記念になりました。
佐々木さんはもう長いこと、イラストを描き続けてこられた方なのかなと思っていたのですが、よくよく聞けば2020年4月末、コロナ禍になって初めてのゴールデンウィークに、大好きなドライブもできず何にもすることがなく、何かお家時間でできることを探して、思いついたのがきっかけなんだそうです。高校生のころに色鉛筆でイラストを描いていたそうですが、そのころは長続きせず、約20年のブランクを経てデジタル版で再挑戦したとのこと。そんなブランクなんてぜんぜん感じさせないので、驚いてしまいました。
私はまったく絵の才能がないもので(笑)、どんな手順でイラストを描きあげていくのか、どんなところに注意するのか、いろいろ聞いてしまったのですが……。まずはクルマ単体を描く時は、背景の少ない画像を探すそうです。その画像を見ながら、印刷用紙に鉛筆で下書きをするのですが、その時に注意するのは、クルマ全体のバランスを取ることやタイヤの配置。少しでも歪んでいたり、ルーフのRの大きさが異なってしまったりするだけで、ぜんぜん違うクルマに見えてしまうとのこと。なので、完成までの時間の7割以上は下絵にかかっていると聞いてまた驚きでした。
さらにこだわりの1つが、メーカーごとに違うボディカラーをどのように表現するか、それを考えて色付けすることだそう。確かに、私もそうなんですが、ボディカラーが愛車の気に入っているポイントだという人も多いですからね。光の加減などでも見え方が変わるボディカラーを、イラストで表現するのはかなり難しいだろうなと思います。
そして佐々木さんの元には、お付き合いのある方々や、Instagramのフォロワーさんからのオーダーも届くようで、その時はオーナーさんならではのオリジナルの小物やエアロパーツなどを、できるだけ表現するように心がけているそう。
そうしたオーダーのイラストは、実際にお会いして贈呈したり、郵送したりするそうですが、お礼にプレゼントをいただくことがあって、とあるメーカーの1/43の模型をはじめ、フォロワーさんの地元ゆかりの食べ物やお酒のグラスなど、とても嬉しく感動の品物ばかりとのこと。「趣味で始めた絵画が、ここまで多くの方と繋がるとは思いませんでした」と佐々木さん本人も驚いているようです。
きっと、佐々木さんが描くイラストには、「そのクルマのいちばんステキな姿を届けたい」という、本当のクルマ好きでなければ持ち得ない気持ちや、「そのクルマと人とのかけがえのない一瞬を残してあげたい」という温かい気持ちが、しっかり表れているから見る人を惹きつけるのかなと感じます。
そして、スマホがあればいつでも簡単に写真を撮って数秒でアップできる今、コツコツと時間と手間暇をかけて、人間の目と心を通して描かれるイラストは、それだけで特別。1点モノですよね。
「応援していただいている多くの皆さま、本当にありがとうございます。これからも、時間のある限り、頑張って描き続けたいです」と佐々木さんからのメッセージ。私も応援しています!