まるも亜希子の「寄り道日和」
“ユルさ”も魅力の「コンパス」に試乗
2021年6月24日 00:00
昔から大好きで、一生に一度は愛車にしてみたいと想い続けているジープのSUVたち。今回、ビッグマイナーチェンジを受けた「コンパス」に試乗することができました。日本のユーザーの平均年齢が42歳と、同カテゴリーのSUV購入者平均年齢より9歳も若いデータが出ているというコンパス。なぜそんなに若者の心をつかむのか? とても気になっている1台でもあるのです。
遠くから見た印象では、LEDヘッドライトが標準装備となって眼光鋭くなったのは感じましたが、外観からはそんなに変わっていないような? と思いきや!
ドアを開けてビックリです。インテリアはガラリと大変身。センターディスプレイが10.1インチの大型画面になり、メーターは10.25インチのフルデジタルへと進化。センターコンソールやドアパネルも刷新されていて、スッキリと洗練された未来的な空間になっているではないですか。もちろん、スマホとの連携が可能で、地図も音楽も使い慣れたものがそのまま使えるというのが、若い世代には喜ばれるのでしょうね。
試乗したのはトップグレードの「Limited」で、3つあるグレードで唯一の4WDモデル。直列4気筒 2.4リッターエンジンのパワフルな加速フィールと、重厚感がほどよい乗り味が印象的だったのですが、実はものすごく進化したところは試乗ではなかなか試すことができない、安全&運転支援システムの部分なのです。
例えば、フロントのカメラが道路標識を読み取って、必要に応じてドライバーに通告したり、自動的に法定速度を認知して速度を制御してくれる「インテリジェント・スピード・アシスト」など、普段の街乗りでもしっかりサポートしてくれる機能。そして、ドライバーの注意力低下や無反応を検知して警報を発してくれる「ドライバー・アテンション・アラート」や、ジープ初搭載となったのが、従来の車線逸脱警報に加えて死角にいる並走車との衝突回避を図るステアリング自動補正機能「アクティブ・レーン・マネジメントシステム」。これは全グレードに標準装備というから太っ腹です。
しかもこんなに装備が充実したのに、価格はわずか1万円~10万円のアップにとどめているというのが、信じられないくらい良心的だなと感心してしまいました。
でも、ここまで読んで「なんか優等生になっちゃったね」なんてガッカリした皆さん、ご安心ください。試乗も終盤に差し掛かったところで、偶然見つけたのです。これからオーナーになる人たちの楽しみを奪いたくないので、写真は出しませんが、コンパスのどこかにいるんです、ニョロニョロとユーモラスな「へび」が。
これを見つけたときに、思わずニヤニヤしてしまいました。そして思ったんですね。コンパスが若い世代にウケるのは、この遊び心、このユーモアがあるからこそかなと。カッコよくて高性能なだけじゃなくて、クルマも人も、やっぱりちょっとどこかに“ユルさ”があったほうが魅力的なのかもしれないですね。新しいコンパス、オススメです。