まるも亜希子の「寄り道日和」

祝! ホンダ・フィット20周年!

7月19日までHondaウェルカムプラザ青山で開催されている、FIT 20周年記念展「FIT HAPPY 20 YEARS」。赤・青・黄色のカラフルな初代・2代目・3代目に目を奪われました。あなたはどの顔が好みでしょうか?

祝! ホンダ・フィット20周年!

 初代フィットが誕生した2001年6月、皆さんは何をしていましたか? どこにいましたか?

 私はまだ古巣のTipo編集部にいたのですが、いろいろと悩み多き年ごろで(?)、フリーになろうかどうしようか、仕事とプライベートをどう両立すればいいのかなど、モヤモヤしていたように思います。

 先日、撮影でHondaウエルカムプラザ青山に立ち寄ると、ちょうど開催されていたのがFIT 20周年記念展「FIT HAPPY 20 YEARS」。2001年に誕生した初代、2007年登場の2代目、2013年に変身した3代目、そして2020年登場の4代目が、カラフルなボディカラーで並んでいました。

 こうして見ると、初代と2代目は癒しのスマイル顔。3代目がちょっとヤンチャでお兄さんな感じで、4代目がまた未来のペットのようなフレンドリーな雰囲気に回帰していると感じます。

 展示パネルには、よ~く見ると世界初公開という開発秘話が綴ってあったり、「#MeandFIT」と付けてTwitterに投稿された写真の中から、選りすぐって掲載された、日本全国で愛されているフィットたちの姿があって、見ているだけで楽しいものでした。

人それぞれのフィットへの想いとともに、Twitterに投稿された写真がたくさん飾ってありました。1つ1つ見ていると、「愛されてるなぁ」と感じてホンワカ温かい気持ちになりますね。もし「うちにもフィットとの思い出があるよ」という人がいたら、#MeandFITと付けてTwitterに投稿してみてくださいね。掲載される場合は事前に連絡が来るそうです

 実は今、長野で田舎暮らしをしている父が、縁あって初代フィットに乗っているのです。現役時代はトヨタ「カムリ」やホンダ「シビック」といった、ちょっとコンパクトでスポーティなセダンを好んで乗り継いできた父ですが、田舎道は狭いし、ほとんど1人で行動するのでもっと取りまわしのいいクルマが欲しいと言い出したんですね。

 そこに、ちょうど近くに住む従兄弟が結婚を機に、それまで乗っていた初代フィットを手放すというので、見に行ったところ「こんなに小さいのに、中は広くて荷物もたくさん積める!」と父が気に入って、うちにお嫁にきたというわけなのです。で、車検を取る必要があったのと、雪国で乗っていたため一度ちゃんと整備をした方がいいという夫のススメがあり、最初は私が乗って帰ってきて、知り合いのチューニングショップで車検と整備をしてもらうことに。

 そしてその直後に、当時夫が参戦していた「86/BRZレース」の北海道ラウンドがあったため、メカニックさんが乗るサポートカーに大抜擢! 86とともに大洗港からフェリーに乗って19時間揺られ、なんと北海道の大地を踏むことになった父の初代フィットでした。もう、大冒険ですよね。

2014年の夏、大洗港から北海道・苫小牧港を目指してフェリーに乗車した、わが家の初代フィット。1.3リッターエンジンはとっても元気でよく走り、どこまでも続く十勝平野を気持ちよくドライブしたのを思い出します。この薄いブルーの初代は今でもよく近所で見かけて、すれ違うとお互いにちょっと会釈したり、乗っている人もフレンドリーなのがいいなと思っています

 86にスペアタイヤを積むと、ほかの荷物がほとんど積めないので、私たちの1週間分の着替えやら、メカニックさんの工具やら、全部フィットに押し込んだんですが、「まだ積める!」とメカニックさんも驚いていたほど。やっぱり、センタータンクレイアウトの功績は大きいですよね。

 初代フィットは、それまで33年間ずっと販売台数1位を記録していたカローラの牙城を崩して、トップに立ったというニュースも印象的でした。そして、私たちがJoy耐に参戦している「フィット e:HEV」は、「走って楽しい」フィット復活のために、生かせる技術やノウハウを見極める場ともなっているとのことなので、走り好きの皆さんは期待していていいのでは? と思います。

 父は来年で75歳になるので、そしたら免許証を自主返納するつもりだと聞きました。初代フィットと過ごす時間は、あと1年ちょっと。私ももう一度じっくり乗って、あの楽しさをしっかりと胸に刻んでおきたいです。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Zなど。 現在は新型のスバル・レヴォーグとメルセデス・ベンツVクラス。