まるも亜希子の「寄り道日和」
新型GR 86とBRZのプロトタイプに試乗してきました
2021年7月22日 00:00
結婚した当初からわが家にはずっと86があって、後期型を含めて計3台、86とともに過ごしたことになります。もちろん、夫の橋本洋平が86/BRZワンメイクレースに参戦するためのマシンでしたが、ナンバー付きレースなので普段の街乗りもOK。初期型の1台目は特に思い出深くて、2人で荷物満載になりながら北海道までフェリーで渡り、十勝平野をあちこちドライブしたり、娘が生まれてからは後席にチャイルドシートを装着して出掛けたり、いろんなところへ行ったものでした。
2台目、3台目からは本格的にプロチームにお世話になってレース参戦しはじめたので、私は慣らし運転の時に乗るくらいで、あとはまったく運転することもなかったんですが、レース後に自走で自宅まで戻り、ガレージに止まっている86の姿は、疲れ果てた体を休める戦士のように見えたのを思い出します。参戦7年目でシリーズチャンピオンを獲り、レースに参戦しなくなって、86ともお別れしてみると、ぽっかりと穴があいたような寂しさを味わったものでした。
そんなお別れから2年くらいが経ち、いよいよ86の新型が登場間近となって、そのプロトタイプに試乗させてもらえることに! もうその新型の概要についてはCar Watchでも夫がレポートしていますので、そちらをチェックしていただきたいのですが、私の率直な感想はGR 86とBRZのキャラクターの違いが、初代よりさらに鮮明に、真逆の方向に進化したようでかなり楽しかったんです。それぞれにキャッチフレーズをつけるなら、GR 86は暴れん坊将軍。BRZはプレミアム欧州アスリート(笑)。分かります?
試乗はサーキットを2周ずつ、BRZの現行モデル、新型BRZプロトタイプのAT、MT、GR 86プロトタイプのAT、MTという順で走ったのですが、BRZは現行モデルよりさらに重厚感と骨太感が高まった印象。もちろんコーナリングではリアが滑り出しそうな面白さもあるのですが、安心感があってポルシェ・ケイマンに近いプレミアムスポーツカーという感覚。音の演出も気分を高揚させてくれて、終始気持ちよく走ったのでした。
それがGR 86に乗り換えると、ピットレーンを出て行ってすぐから、BRZとはまったく別の軽快感を強く感じて、フロントから取り込まれた空気で車体が影響を受けている感覚が伝わってきます。最初のコーナーからすでに「おっとっと」と態勢を崩しそうになり、先ほどBRZではきれいに気持ちよく走れたはずのコーナーが、もうギクシャクしちゃってびっくり(笑)。自分で自分に「このヘタクソッ」と突っ込んでしまったホドでした。でもそれが、「次はこのへんから切り込んでみようかな、あのラインで行ってみようかな」といろいろと試したくなり、ちょっと上手くできるとうれしくて。下手なりにすっかり楽しんでいる自分がいました。いや~、こんなに違うとは思わなかった! 購入を考えている人は悩ましいでしょうね。
また、走り好きなご主人や彼氏がいる女性にこっそり(?)お知らせしたいのは、新型には助手席に乗ってスピードを出されることがあっても、ご主人にバレずにしっかり手でつかまれるグリップ兼ドアインナーハンドルができたことです。今までのグリップだと、つかまっていることが一目瞭然なので、「俺の運転が怖いのか?」なんてイヤミを言われたりしちゃうこともありましたが、新型はアームレストに腕を置いている風な雰囲気で、先端がつかめるようになっているのがうれしい! 勝手に「奥さまアームレスト」と呼んじゃいたいほど。これはスバルが開発時に女性の意見を参考にしたというのも納得です。
そんなわけで、短い時間でしたが充実の試乗イベント。正式に発表・発売されたら、またロングドライブでもしてみたいなぁと思った、GR 86とBRZでした。