まるも亜希子の「寄り道日和」

丸の内のビル街に登場した「MARUNOUCHI STREET PARK」をぶらり

フェアウッド杉材のカウンターに囲まれた「ピンポンカウンター」では、近くの学生さんたちが卓球を楽しんでいました。わが家もテーブルを卓球台がわりに家族で遊んだりしますが、幼児から祖母までみんなでできるのがいいんですよね。ドライブの合間にリフレッシュしたくなったら、立ち寄ってみるのもよさそうです

 県をまたいでの移動を避けるようにとのことで、記事の撮影も東京都内で行なうことが多くなっています。とはいえ、オリンピックの関係で使用できる公園などが少なくなってしまい、なかなかいい場所がないんですよね。

 先日も撮影場所を探してカメラマンさんとウロウロしていたのですが、東京駅の目の前から丸の内のビル方向へ走っていると、突然「あそこに卓球やってる人がいる!」とカメラマンさん。「え? ここ東京のど真ん中ですよ?」と思いつつ、クルマを停めて見に行ってみると、なんとなんと、本当にいたんです。丸の内のビルのはざまで、夏空のもと、卓球を楽しんでいる人たちが。

 どういうことかと聞いてみると、8月2日~9月12日の期間、丸の内仲通りが「MARUNOUCHI STREET PARK」というちょっと変わった公園空間に大変身していて、これが通りの役割や季節ごとの可変性、多様化するライフスタイルへの適応を検証する、社会実験プロジェクトだというのです。平たくいうと、都市部の真ん中を緑化することによって、人の流れや滞在時間、人数、利用状況や満足度などがどう変わるかを検証するというもの。へぇ~と興味を惹かれて、思わず私もブラブラと歩いてみました。

オシャレでイマドキなんだけど、誰でも吸い込まれるように入っていきやすい雰囲気となっていた、「MARUNOUCHI STREET PARK」。最初は卓球に驚き、その近くに奇抜なオブジェが展示されていて、なんだろうこれは? なんて思って見ているうちに、ついつい歩き始めていました。24時間解放、雨天もオープンということですが、感電防止のため雨天時の電源利用はできないとのこと。人流データ計測はリアルタイムで更新されていて、公式サイトでチェックできるようになっています

 すると卓球のほかにも、いろんな仕掛け(?)があったんです。例えば、WorkとVacationを融合した「ワーケーション」ならぬ、お仕事スペース「パーケーション(PARKcation)」。ゆらゆらと揺れるハンモックや、足を伸ばしてくつろげるリゾートチェアがあって、Wi-Fiや電源も完備。誰でも無料で使えるというのがうれしいですよね。

 お腹が空いたら、各ブロックにあるキッチンカーでささっと食事が調達できるんですが、そのキッチンカーもレベルが高い! 近隣ホテルが交代で出店しているそうで、8月22日まではザ・ペニンシュラ東京が担当するとのこと。通常はアーバンテラスに出店しているキッチンカーも日替わりで登場するそうで、鎌倉珈琲やD-Kitchenといった人気店がズラリです。この日は一応、仕事中だったのでガマンしたのが悔やまれます(涙)。

 そして腹ごしらえをした後は運動か昼寝、ということで、卓球のほかにバスケットゴールもあったし、ウッドデッキで囲まれたスペースにはダイエットにもいいというバランスボールがあったり。雑草の上でゴロゴロできるネットもあって、近くの会社員らしき人たちが、食後のひとときをのんびりと過ごしている姿が見られました。

部屋でテレビを見ながらやっている人が多いバランスボールですが、ここなら気持ちのいい青空の下で、ウッドデッキのスペースでバランスボールができるようになっていました。友人や会社の仲間たちと一緒にやったりしたら、盛り上がるんだろうなと思います

 また、昔からこの丸の内仲通りはいろんなアーティストの作品が展示されていましたが、このプロジェクトでもアーティストが中に入り込んで制作活動が行える「アーティスト in Box」や、誰でも弾くことができるストリートピアノも。この日は誰も弾いていなかったんですが、中学3年でやめてしまったエレクトーンをずっと続けていれば……と悔やんだ瞬間でした(笑)。

 くつろぐ人、運動する人、食べる人、仕事する人。確かにこの空間にはそれぞれのスタイルで、公園をさまざまに楽しむ人たちの姿があるなぁと実感。緑を増やすのと同時に、そこで人が何をしたいか、どう過ごしたいかを見つけることもできる社会実験って、面白いですね。この結果がどう活かされていくのか、楽しみです。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Zなど。 現在は新型のスバル・レヴォーグとメルセデス・ベンツVクラス。