まるも亜希子の「寄り道日和」
青山で、鈴鹿で、オンラインで楽しむ幻の日本GP
2021年10月7日 00:00
今季限りでF1から撤退するホンダが、最後に鈴鹿を走る姿を間近で思いっきり応援したいと、ずっとずっと願ってきたのですが……。2021年の日本GPは幻となってはかなく消えてしまいました。旧知のモビリティランド社長・田中薫さんが「本当に辛く、厳しく、悔しい決断だった」とコメントしていたのが、こちらにまでその痛みを伝えてくるようでした。何か大切なものを急に失ったような、目標を見失ったような喪失感に襲われた人も多いのではないでしょうか。
そんな時、試乗車を返却するためにホンダ本社へ向かっていた私のもとに、夫からLINEが。「1階のウエルカムプラザでいいものやってるらしいよ」というのです。なんだろうと思いながら、帰りがけに1階に立ち寄ってみた瞬間、目の前に夢のような光景が広がっているではないですか! 思わず「うわ~」と駆け寄ってしまったのは、私だけではないはずです。セナが、プロストが、ベルガーが、テレビの中でものすごい走りを見せてくれていたあのF1マシンたち。1988年に、16戦中15勝という圧倒的な強さを見せつけ、最多勝利記録とダブルタイトルを獲得した、マクラーレンホンダMP4/4も目の前に鎮座しています。
そして周囲を見渡せば、平日だったこともあってそれほど混雑はしていなかったものの、来場者はみんなそれぞれマシンに見入ったり、いろんな角度から写真を撮ったり、感動したシーンの思い出話を語り合ったりと、ホンダがこれまで歩んできたF1街道を一緒に歩くかのような世界観が広がっていて、思わず込み上げてくるものが。もっともっとこんな時間が続くと思っていたし、まだまだこの勇姿を見ていられるものだとばかり思っていたのに、終わりが近づいているのだということも実感せずにはいられなかったのでした。
でも、最後に鈴鹿での再会は叶わなかったけれども、そんな私たちファンとの別れを惜しんでくれるかのように、なんと今日、10月7日から“もうひとつの日本GP”とも言える参加型オンラインイベント「Honda Japanese Virtual Grand Prix」が開幕するそうです! その内容がすごくて、10月7日18時~はなんと、マックス・フェルスタッペン選手とセルジオ・ペレス選手との公開オンラインライブセッション。10月7日19時50分~は、ピエール・ガスリー選手と現在唯一の日本人F1ドライバー、角田裕毅選手がトルコからの中継でオンラインライブセッションを行なうとのこと。2人の生の声が聞けるそうなので、今からドキドキしてしまいます。
また、10月10日の16時~16時30分には、トルコGP決勝直前のパドックからのライブ中継で、田辺豊治テクニカルディレクターと、山本雅史マネージングディレクターが公開オンラインライブセッションを行なうとのことで、これまた貴重な時間となること間違いなし。前回、惜しくもハミルトン選手にドライバーズポイントをわずかに逆転されてしまったフェルスタッペン選手なんですが、再逆転への意気込みが生で聞けるんじゃないかなと期待しちゃいます。
そのほか特設サイトでは、選手に届ける応援フラッグに寄せ書きするメッセージの募集や、鈴鹿の大歓声の代わりに選手たちにパワーを贈る応援動画も募集。日本GPのために製作した、幻のトロフィーも披露されるとのこと。実物はHondaウエルカムプラザ青山にて展示されるそうなので、私もまた見に行かなくちゃ。
あとは、緊急事態宣言も明けたところなので、鈴鹿サーキットに行ってトルコGPをホテルでWeb観戦するというのはどうでしょう。先日、お仕事で宿泊してきたんですが、ホテルのお部屋がとても素敵にリニューアルしていて、壁一面にF1のワンシーンが描かれた壁画があったり、ベッドの頭上にコースレイアウトが飾られていたりと、レース気分満点で宿泊することができました。私が泊まったのは「THE MAIN」の方でしたが、North館のコンセプトルームはもっとすごくて、床がチェッカーフラッグだったり、レカロのチェアやF1フォトグラファーの名作が飾られていたりと、レース好きには夢のようなお部屋。1室しかないプレミアムスイートには、本格的なレーシングシュミレーターまで置いてあって、タイムアタックが好きなだけ楽しめるんだとか。興奮して、眠るどころじゃなさそうですね(笑)。
それではみなさん、レッドブルを1本ひっかけながら、青山で、鈴鹿で、オンラインで、最後にして幻の日本GPをめいっぱい楽しみましょう!