まるも亜希子の「寄り道日和」

秋の夜長に挑戦してみたい「くるまマイスター検定」

私がこの秋に読もうと思っているクルマ関係の本はこの3冊。こういう、初代の開発秘話とか輸入車の歴史がすごく好きですね。スバル360やパブリカスポーツは、困難に立ち向かってそれを乗り越えていくヒューマンドラマでもあるし、何より当時の貴重な写真や資料がたくさん見られるのが興味深いです。ルノーの本は、日本ではまだクルマなんてまったくない、1800年代のエピソードや写真から始まる物語。そこからの人とクルマと生活の関係性の変化が見られて、とても面白いです。くるまマイスター検定のお勉強にも役立つかもしれないですね

 夜が長くなり、露が冷たく感じられるようになるという「寒露」。2021年は10月8日だったので、ここからいよいよ本格的な秋が始まるんだなぁと感じます。

 そんな秋の夜長、みなさん何をして過ごしていますか? わが家はベランダがちょっとだけ広いので、引っ越してきた当初はここにハンモックやリクライニングチェアなんかを置いて、ワインでも飲みながら大きな月を見上げたいなぁ、なんて憧れていたんです。ところがいざ、チェアを出して寝そべってみたら、見えるのは電線とお向かいの家の屋根ばかり……。ご近所はあまり夜更かしをしないご家庭が多いようで、ベランダで話したり笑ったりしていたら迷惑かなと恐縮してしまい、秋の夜長に月見ワインの夢はあきらめることにしました(笑)。

 そんな私たちと同じように、秋の夜長を持て余している人にオススメなのが、クルマのことを楽しく知りながら、クイズみたいに問題を解いていくことで「クルマ好きの印籠」的な承認が得られる「くるまマイスター検定」です。検定というと何やら小難しい感じがするかもしれないんですが、いつもCar Watchの記事をこまめに読んでいる皆さんなら、きっとなんの準備もしなくても4級や3級くらいは受かるチャンスがあるのでは? と思います。

 というのも、このくるまマイスター検定はそもそも、就職のために無理やり取らなきゃいけないような検定とは違って、「くるまが好き」という思いが原点にあります。くるまへの興味を抱いてもらい、知識を深めることで、もっと「くるまのある生活」を楽しんでもらいたい、「くるま文化の醸成」に貢献したい、という考えからスタートした検定なんです。私はその第1回目から応援団を務めさせてもらっているのですが、だんだんと規模が大きくなり、中学生以下が受験できる「ジュニアクラス」をはじめ、日常の運転に役立つ安全運転やメンテナンスなどの基礎知識を学べる4級、無料チャレンジできるweb級など、趣味の延長として楽しめるクラスも続々と増設されました。

 もちろん、くるま関係の仕事をしている方が実力を試したり、お客さまとのコミュニケーションに活かして信頼を得られるような、深い知識が問われる3級、2級、1級もあって、1級は毎年、合格率数%という超難関。2級合格者のみが1級の受験資格を得るのですが、以前、応援団の特権で問題を見せてもらったところ、とてもとても難しくて4~5問しかわかりませんでした(笑)。まぁ、問題を作成しているのは私など足元にも及ばない大先輩たちなので、あらためて尊敬するとともに、もっと精進しなければと反省した次第です。

 さて、そんなくるまマイスター検定に向けての準備は何をすればいいのかというと、以前は「公式ガイドブック」が発行されていて、それをひと通り読んでおくと、かなりの問題がその中から出題されていたのですが、一昨年から受験がすべてオンラインに変わったことから、2021年の公式ガイドブックもオンラインに変更されています。読んでいるだけでも面白い最新ニュースや歴史、くるま業界偉人伝などなど、豊富にそろった記事を楽しく見ることが、実はいちばんの受験勉強。だから最初に、Car Warchをいつも読んでいる人ならば、合格する可能性が高いですよと言ったのです。

 それでも、自分はどのくらいの知識があるのか、どの級を受けるのが妥当なのか、よくわからないことも多いですよね。そんな時は、公式サイトにある実力をチェックできるお試し問題や、Web検定が無料ですぐにトライできるので、それをやってみてだいたいの感触をつかむといいですね。受験の申し込み、本番の試験もすべてオンラインで完結します。2021年の試験日は、団体の場合は11月10日と14日、一部の団体と一般の場合は11月15日~30日に、いつでも都合のいい時にオンラインで受験できるようになっています。申し込みはすでにスタートしていて、11月5日の17時まで。数年前までは、毎年試験日にはどこかの会場で応援団長のテリー伊藤さんとトークショーを行なっていたため、受験できなかったのですが、オンラインに変わってからはそれがなくなったので、私も受験しようかなと思っています。まずは、肩慣らしに3級くらいからかなぁ?(笑)。

 そんなわけで、秋の夜長を持て余している皆さん、ぜひトライしてみてくださいね。

2019年が最後になってしまいましたが、試験日当日はどこかの試験会場で、終わったばかりの受験者の皆さんを労うべく、くるまマイスター検定応援団長のテリー伊藤さんと、応援団の片岡英明さん、石川真紀照さん、竹岡圭さん、私でトークショーを行なっていました。その場ですぐ、各級の問題のいくつかは答え合わせを行ない、会場からどよめきが聞こえてくることもありました。オンラインになって、こうしたイベントができないのはちょっと寂しいですが、好きな時に受験できるのはうれしいですね
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Zなど。 現在は新型のスバル・レヴォーグとメルセデス・ベンツVクラス。