まるも亜希子の「寄り道日和」

スタッドレスタイヤを履いたレヴォーグで冬の思い出作り

この雪上ドライブの目的は「レヴォーグの雪道性能を試すこと」でしたが、もう1つ、「娘がスキーをマスターすること」という目的もありました。最初は基礎が大変でメソメソと泣いていた娘も、2時間のスクールで特訓したら見事に滑れるように! 最後は「たのし~い!」と堂々とした滑りを見せてくれた娘に感動した旅でした。こんな時間をくれたレヴォーグに感謝です

 東京でも久しぶりの大雪が降った今シーズンの冬。ニュースなどでは毎日の雪下ろしにへきえきする人たちや、都心でスリップするクルマの映像などが目立っていましたが、わが家だけはこの大雪に大喜びしていました。

 というのも前年の冬はレヴォーグが納車された最初の冬だったのに雪がほとんど降らず、楽しみにしていた雪上ドライブがまったく試せずに終わってしまったのです。長野や新潟まで行っても道路にはほとんど雪がなく……ガッカリだったんですよね。

 なので、雪が多いと予想されていた今シーズンこそは! と期待して、早々にスタッドレスタイヤを履いて待ち構えていたというわけなのです。スノーブーツやスコップ、万が一立ち往生した際にも3日間くらいは生き延びられるくらいの水と食料、簡易トイレなどを積み、まず向かったのは福島。雪が深いと予想される裏磐梯を目指します。東北道で那須を過ぎたくらいから、だんだんと周囲の景色が白く染まっていき、テンションアップ。夫と娘は朝が早かったので、車内で爆睡してましたけどね(笑)。

 そして福島県に入って最初の阿武隈PAでトイレ休憩をするころには、空からチラチラと雪が舞ってきました。夫も復活して、いよいよ「レヴォーグの雪道性能を試せる時がきた~!」と2人して大はしゃぎ。安全に留意しつつ、再び東北道を北へ走ります。路面からは、これまでとは違うジャリジャリとした感触と音が伝わってきて、雪や氷が混じっていることを実感。久しぶりの感触です。娘はそうとう眠かったらしく、「ほら、雪道だよ」と言ってもウンウンと生返事をしつつずっとウトウトしています。

 この時アイサイトは、曇天でワイパーを中速くらいにする程度の雪の降り方でも、問題なく使えました。でも翌日にもっと強い降り方をしていた時は、使用停止の表示が。強めの雪では対応は難しい場合があるようですね。ただ、高速道路でのAWDの安定感・安心感は素晴らしいものがありました。50km/h規制になっているとはいえ、高速道路の下りカーブなんてシーンは緊張してしまうものですが、レヴォーグはまったくヒヤリともせず、思い通りのラインを描いて走ってくれます。雪の高速道路は神経を使うので疲れが普段の倍以上に感じる、というのが今までの経験でしたが、いやはやレヴォーグのすごさを見せつけてもらった気持ちです。

 また、福島では一晩でレヴォーグが埋まってしまうくらいの積雪があり、朝から家族総出でレヴォーグを掘り起こすことに。雪国の皆さんにとってはウンザリする作業でしょうが、私たちにとってはこれも楽しい雪体験です。特に娘は、ホテルが貸してくれた長靴を履いてスコップを手にし、大張り切りで雪を掘ってくれました。なにせ初めてなので、あんまり関係ない場所ばかり掘ってましたけどね(笑)。

 その時に、私がレヴォーグがバックする進路の雪をどかそうとしたところ、夫が「そこはやらなくていい」とひと言。「え? ホイール半分以上埋まってるけど」と思ったものの、「それくらい、レヴォーグなら楽勝で出られる」と夫が自信満々に言うので、お手並み拝見! すると本当に、雪なんてないかのごとくスルスルとバックして出庫したレヴォーグでした。昔、北海道の豪雪地域の人が「このあたりに住むならスバルじゃないとダメだよ」と言っていたのを思い出した瞬間でした。

 その後、山形県の蔵王ではフッカフカの新雪の上を走ることもでき、まさに雪が降ってはしゃぐ犬の気持ち。そして長野でも通行止め区間のすぐ手前まで山道を登り、頼もしい走りを満喫しました。バンパーからはツララが下り、ボディはドロドロになったレヴォーグでしたが、いつもよりカッコよく見えたなぁとしみじみ。雪道でも鉄壁の安心感をくれた愛車で、もっともっと冬の思い出を作ろうと思います。

福島の裏磐梯では、一晩停めておいただけでこんなに雪が積もってしまいました。膝までの長靴を履き、スコップやスクレーパーを借りて掘り出す作業はとっても楽しかったのですが、これが毎日となると……。近未来には、積もった雪を一発で溶かすことができるスイッチ、なんてのが開発されないものでしょうかね
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Zなど。 現在は新型のスバル・レヴォーグとメルセデス・ベンツVクラス。